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なにごはんでもないやつ

法事で静岡に帰る前日、母からこんな連絡がきた。
「14時半頃に食事になるので、お昼ご飯は食べてこないでください」

確かに祖母の葬儀の際、
火葬場で出された助六を親族一同で必死に食べ、そのあとかなりすぐ、精進落としの食事が出されて困ってしまった。
みんなで、助六を持って帰ってこっちを食べればよかったっけね、と話していたのは記憶に新しい。

それにしても、
おひるごはん、というのが苦手だ。
正しくは、あさごはんもばんごはんも苦手だ。
食事が、というより
食事に名称がついていることが、よくわからないなあと思う。

わたしは基本的にあさごはんを食べない。
起きてすぐ家を出て、
仕事の前にお腹が空いていたらパンを買って食べる。
お昼はお弁当を食べる。これが唯一定時に食べるごはんだ。
あとは、家に帰っておなかが空いたら、または「ごはんできたよ」と言われたら食べる。
もちろん、ごはんを作ってくれるひとは、食べるか食べないかを確認してくれる。食べなくてもいいのだ

旧知の仲であり、生活能力や水準が似ている友人も、生活の程度は知れているが、あさごはんは食べる。
泊まりに行ったとき、彼女が食べているあさごはんが美味しそうだったから、わたしも食べた。
そのあと数時間経って、おひるごはんどうする?と言われたときには、驚いてしまった。
「さっき食べたばっかじゃん!??」

そうだけど、と言われて
そうなんだけど
わたしは、お腹が空いたらごはんを食べるし
彼女は、遅いあさごはんを食べたとしても、おひるは食べるものだと思っていたわけだ。

彼女ですらこうしてちゃんとごはんを食べているのだから、世の中の大半の人は三食食べることを意識して暮らしているんだな、と実感した出来事だった。
それ以降は、世の中の大半の風潮として受け入れることにして、逐一驚かなくなった。
まあでも、わたしのまわりの友達は、ルーズな人が多いけど…

約束通り、実家に着く前におひるごはんは食べずにいる。
というか、わたしがおひるごはんだと認定している食事は、会社で食べるお弁当だけなので、休みの今日は、おひるごはんを食べられるわけがないのだ!

わたしは、熱海の近くの海を見ながら、おにぎりを食べている。
弁当忘れるなよ、と昨日念押された。
実家に帰ることを伝えてあったので、おにぎりを作ってくれてあった。

彼の作るお弁当、というのは「おなかが空いたら食べなさい」というものだった。
おなかが空いて、寂しくならないように

なにごはんでもない、やつ。
わたしは、空腹で寂しくならないよう、そんなふうに気ままに暮らしている。

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