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「人目なんて気にしない」、と思っていたのに

郵便局に行ってきた。

手紙以外の物を手紙と一緒に送るときは
すぐ、郵便局に行ってしまう。
家で大きさや重さを測って、切手を貼ってしまえばいいのだけれど
郵便局が好きなので、ついつい行ってしまう。
最近は無職で時間もあるし、散歩も必要だしね。

この街の今日の天気予報は、日中曇りの予報だった。
いつ降ってもおかしくない空だなあと思いながら、折り畳み傘だけ持って家を出たのだけれど
出てみたら、霧雨が降っていたので、大きめの傘をさして歩き始めた。

歩き始めてみたら、傘をさしている人が全然いなかった。

もちろん、傘をささなくても平気、といえばその程度の雨だけれど
もう、絶対に降っているのよ。
わたしも、「アレー?降ってないのかな?」と思って、何度か傘を閉じたりしたけど
やっぱり降っている。
水溜まりを見つけては何度も覗き込んだけど、雨が降っているのがわかる。
でも、傘を持っているのににさしていない人も、大勢いた。

わたしは、傘をさしながら歩くことにした。

人目なんか気にしない、
わたしは好きなようにする。
と、基本的には思いながら生きているわけだけど、
まわりが傘をさしていないと、なんだかそわそわしてしまう。

歩き続けた先に、
ひとりだけ傘をさしている人とすれ違って
わたしはなんだか、安心してしまった。

ばかみたい
たったそれだけのことで。
「やっぱり、傘をさしたっていいんだ」なんて思って
別に、傘なんか、
わたしが、使いたい人が、使いたいときに、使いたければ使えばいいし
そんなことはわかっているのに

ばかみたい
でも、そんなばかさに
「ああ、なんだか人間らしいなあ」と
それこそ、ばかみたいに思って

にんげんって、愛おしいなあ
なんて、そんな気持ちになってしまうのであった。


photo by amano yasuhiro

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