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とある花屋の話

花のことは、彼に尋ねるようにしています。
彼は一度、花屋でアルバイトをしていたのです。

それは、ごくごく短い期間だったと言いますが
努めていた先の花屋の店主は、気高い魂で花と向き合う人だと、わたしは知っていました。
わたしは彼を通して、店主をいつでも信じています。

彼は、花の水を変えるとき、茎を少し切るのだと教えてくれました。
ずいぶんたくさん切ったので、花瓶のサイズに合わなくなって、わたしは心配になったりします。
「でも、こうすればきれいな期間が長持ちするから」
傷んだ、色の変わった部分を切る。
色が変わっていなければ、1mmでもいいから、切ってあげるといい。と言います。

「花は、咲いたら枯れようとするんだ」
「枯れて土に還って、栄養になって、次の花を咲かそうとする」
「花をきれいな状態で、できるだけ長く維持すること」
「それが花屋で、いちばん最初に教わったこと」

いまでもわたしは、この話を思い出します。
なぜだか、とても大切なことを、教えてくれているような気がするのです。




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