指輪を買ったわたしは、ドトールの空気に飲まれてゆく
買い物に行こう、と言われた。
仕事帰りの出来事で、わたしは「いいよ」と告げて指定された駅に向かった。
取り立てて欲しいものがあったわけでも、買いに行かなければと思っていたものもなかった。
そんなこともよりも、「一緒に新しい何かを見て、ワクワクしよう!」という友達の言葉のほうが、よっぽどすこやかで、価値があることだった。
買い物が好きだと思う。
同じくらい、ひとりで出歩くのも好きだと思う。
でもきっとそれ以上に、“あなたとの”買い物が好きだと思う。わたしが、何を買わなくても