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君に伝えたい百の言葉

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あなたに伝えたい言葉が残っている。見失っても、百個積んだ先に何かがあるかもしれない。光を追う者のエッセイ集
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2020年9月の記事一覧

自由の枠組み

「調子悪いの?」 「なんか、イライラしてる?」 同居人が最近、鋭くなってきた。 いままでは、「なんかイライラしちゃってごめんね」とあとから謝ると「そうだったの?」「全然気づかなかった」と返ってきていた。 最近は、なんだか鋭い。 わたしの態度が悪化した、とも考えられるけれど たぶん、鋭くなってきたんだと思う。 * 思い返してみれば、「冗談とわかっていることに、悲しくなる」ということが多い。 同居人は嘘を吐かない。 だから、冗談であっても、それは真実だ。 「ばかじゃん

七転び八起きと、熱量コントロール

「そういえばね、」と友達は話し始めた。 ほんとうにいつもと同じ調子で語り始めたので、最近買ったものとか、ウーバーイーツで美味しかったお店の話だと思ったら、違った。 すごく、悲しいことがあったのだという。 相手が、「よかれと思っていた」ということはわかっている。 でも、起きたことが悲しくて悔しくて苦しくて、ひどい言葉で言い返してしまった。 既に相手には謝ったけれど、起きてしまった出来事は消えない。 「つらかったね。自分最悪なやつだって、思っちゃったんだね…」 わたしがそ

不安だったけど、やってみてよかったこと。

わたしは、不安だった。 「3分間の作業用BGMを作ろう!」と思い立ったときのこと。 自分の中では理由というか、きっかけがあって きまぐれクックさんのサブチャンネルの「朝ごはん作ってみた」で、いつも最後に「今日もいい午後になりそう」って流れるのが、好きだった。 だいたい見るのは深夜なんだけど、「わたしも、良い時間を過ごそう」って、思えるような気がした。 友達の家では、YouTubeの作業用動画が流れていた。 20分とか、まとまった時間は川のせせらぎ音が流れて、そのあと5分

かわいい錯覚に陥らせてくれる写真

友人のアマノさんとは、結構よく出掛ける。 遊びに行ったり、お茶をする友達のひとりだ。 友人のアマノさんは、気づいたら写真を撮るようになっていて、時折カメラを持ってくる。 カメラをかまえて、「そこに座って」とか「あの辺りに立って」とか、指示される。 断る理由もないので、わたしは言われたようにする。 最低限の指示さえ守れば、あくびをしていても、スマホを見ていてもいいと言われる。 先日出掛けたときの写真は、すぐに送ってくれた。 自分の顔はそんなに好きじゃないけど、アマノさんの

「希望というのは、過去とか未来じゃない。いまここにあるんだ」

ちょっと昔のことを調べなきゃいけなくなって 過去のTwitterとか、LINEをチェックしていた。 もう、恥ずかしくて死にたい… 2012年とか、2013年とか、なんかもう別人… 昔使ってた鍵付きのTwitterアカウントとか恥ずかしすぎる… (もう何年も使ってないです。いまは、NintendoSwitchのスクリーンショットを受け取る専用で利用してます) なんであんなに、中二病まっさかりだったの? 20代だったのに… いまとは、人物相関図みたいなのも違っていて、ちょっ

「誰かの期待」と「友達の信頼」は、似ているようでぜんぜん違う

「でも、それは今までの”ファンの方”を裏切ってしまうかもしれない」 松下は、そう言った。 「でもそれを言ったら、マツムラを守れない」 わたしは、そう答えた。 * アニメギヴンのバンド楽器監修として、わたしたち(マツムラ、松下、わたし)は徒党を組んだ。 というよりも、ご縁あってわたしに監修の依頼があったのだけれど、わたしひとりでカバーしきれなくなったので、「信頼できる人」として、町田プレイハウスのマツムラと、元バンドメンバーである松下に、助けを求めた。 年の近いわたした

"成果"について、ゆるやかに考える

昨日、久々に曲をボツにした。 noteの記事でも、作詞でも作曲でも 「これはダメだ! 全部やり直し!」みたいなボツの仕方って、わたしはあんまりしない。 何事も、ひとつの創作にあまり時間をかけないタイプだからだと思う。 「こういうのも、アリか」と、前向きになったり 「ひとつにすべての感情を詰め込むのはむり」と、諦めることもある。 数少ないけど、ダメになりそうなときは、気配でわかる。 だいたい「気持ちが溢れ出しているとき」か「むりやりやっているとき」のどちらかで、機能の場合

今日のところは、これで

やはりな…… わかっておったぞ、という気持ちで わたしはひとり、パソコンの前で頷いていた。 * マウスの充電がまもなく切れます という通知が、ディスプレイの右側で何度か点滅した。 そういうときは、10%以上残っています、の合図なので「もう少しいける」と思って、しばらく無視する。 作業をしながら、マウスの接続が切れる。そして繋がる。 やがて、繋がらなくなった。 そのときが来るのはわかっていた、わかっておったぞ。 という気持ちで、わたしは電池カバーを外そうとする。

弟と、兄の家に行く

近所に住む実兄から、体調を崩していると連絡が来た。 病院でPCR検査を受けたと言われたときはヒヤッとしたけど、陰性だった。 兄が体調を崩すことはめずらしくない。陰性だったら、いつもの風邪みたいなやつだ。 以上、終わり!と思っていたけれど、 そういえば明日、弟(血は繋がってない。便宜上、そう呼んでいる)が、こっちのほうまで来ると言っていた。 弟の目的地は、うちと、隣駅に住む兄の家のあいだ。 兄の家の、最寄り駅だった。 兄の家は隣駅だから近いのだけど、お互い駅から徒歩10分

この約束は、最後まで果たされなければいい

最近、ふたりの友達と約束をした。 たまたまどちらも、「そうなったときは、叱るよ」という内容だった。 ひとりは、 「他人への愛や、敬う心を忘れてしまったような発言をしたとき。  お金の使い方が、本人自身の常識範疇を越えるとき。」 ひとりは、 「次、同じ出来事が起きたときに、今回と同じ返答をしてしまったとき。」 そのときは、わたしが叱ってあげるね。 だから、いまは大丈夫。 いまの君が大事にしているものを、そのまま大事にしていて大丈夫。 間違えてしまったときには、わたしが叱

空から降ってくることに期待しない

「なんかおもしろいこと、あった?」 昔は、口癖のように言っていた。 「なんかおもしろいことないかな〜」とも言っていたような気がする。 * マンネリ化、というような日々というか、気持ちは 時折、降りてくる。 「久し振り」というようにやってくる、感情のひとつかもしれない。 突っ走っているときは、「マンネリくん」のことは忘れている。 次のライブがあるだとか、それに向けて絶対に新曲を書きたいとか 「目標」に向かって「努力」をしているときは、苦しいけどやっぱり幸福なんだと思う。

「知らないお兄さんが困ってるって言うから、お金振り込んでくるわ」

「知らないお兄さんが困ってるって言うから、お金振り込んでくるわ」と言ったら、 「ハッ?」と言われた。 当然のリアクションだったので、わたしは少しだけ丁寧に説明した。 「いつもnoteで、旅のことを書いてるお兄さんがいるんだけどね、モバイルハウスでいま日本を旅してるのよ。で、車が壊れちゃったって言うから、サポートしてくれる人探しててさあ」 そこまで言うと、「なるほど」という顔をされた。 「おもしろそうな人だし、ちょっとお金振り込んでくるわ!」 そしてわたしは、シミさんに

すべての終わりに、寂しさが佇む

「じゃあ、ポストに出しに行ってくるから」 同居人とわたし宛てに届いた、残暑見舞いのお返事を用意した。 こんなふうに箱詰めしたよ、すてきでしょ!と、確認ではなく自慢のために、小さな箱を見せた。 「いいね」と言われて満足して、わたしは外に出る。 手紙や贈り物を用意したら、すぐにポストに行く。 「このあとスーパーに行く」とか、確定で出掛ける用事がない限り、わたしはすぐに家を出る。 いつも、なんとなくそうしてしまう。 それが、何時であっても 0時をまわる少し前、わたしは家を出た

わたしは、ピアスを買えなかった

ピアスの穴を開けてから、1年と少しが経つ。 「やってみよう」と思い立ったあの8月を、いまでも覚えている。 思い立って、やってみよう、と決めて、翌日の休みに病院を予約した。 びっくりするくらい簡単に処置が終わって、びっくりした。 しばらくは自由にピアスの着脱ができず、好きなピアスがつけられるようになったのは、冬のこと。 ふたりの友達が、ピアスを作ってプレゼントしてくれた。 ひとりとは一緒に、ピアスを作った。 これは、友達との思い出を連れて、いまでも大切に使っている。 そ