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知らないほうが幸せなこともある
これまでの記事で「人間は何かと理由をつけたがる」という話を書いていました。
友達が不機嫌そうな顔をしていたら、「体調がすぐれないのかな?」とか「恋人とけんかしたのかな?」とか何かしら理由を探しますよね。
これは「分からない」という状態に身を置くのが心地わるいから。
さらに、耐え難い不幸に遭遇したとき、「あぁ、いつもの道を通らなかったからだ」とか「家を出るときに右足から出ておけば」みたいな理由と不幸の原因を結びつけてしまうのも、そんな理由でしょう。
その結びつけた物語が真実であっても作り物であってもそんなことは関係ないのです。
大切なのは自分が納得できるかどうかなのですから。
こんな人間の特性を踏まえた上で、「だからこそ『分からないこと』価値があるよ!」という内容を書いていきます。
好感度を上げたり、モチベーションを、引き出したりすることに一役買ってくれるかもしれません。
▼「なぞ」が惹きつける
「あの人ってミステリアス」なんていう惹かれ方が本当に存在するのかは知りませんが、人間が説明できないことに引かれるのは事実。
さらに、頻繁に起きるような出来事でない場合は、さらに興味を惹くでしょう。
「いつも」気軽に話すことができる人よりも、あまり詳しい情報を持たない人に優しい言葉をかけられた方が強く印象に残るのは、体験とした希少価値に反応しているのです。
さらに、あまり関りがなく「なんとなく近寄りがたくて冷たい」と感じていた人が、ちょっとした機会に「自分の弱み」なんてぽろっと打ち明けたらどうでしょう。
今まで勝手に創り上げていた「その人像」は一気に崩れ、「思った以上に親しみやすい人」と急激な印象変化があるかもしれません。
だったら、「自分のことを積極的に話すべきなの?」というとそうとは限りません。
人間は「分からないこと」があると居心地のわるさから考え続けてしまうという特性があります。
だからこそ、時に「どういうことだろう?」とか「どう思っているのだろう?」と、歯切れのわるい部分を残すのも効果的。
そんなことを裏付けてくれる実験として、「実験参加者が称賛される場面」を取り上げたものがあります。
ざっくり、説明すると実験参加者は、複数の人から「あなたって素敵!」みたいなメールをもらい、その時の気持ちを報告したのです。
ある人は、「メールの送り主の情報」を知らされ、もう一方の人は「だれがメールしてきたのか分からない」という状態に置かれました。
人間は「お世辞と分かっていても嬉しくなる」という特性がありますから、両者共に喜んだのですが、より長く喜びの気持ちが持続したのは「メールを送ってきた相手の情報をもらわなかった人」だと分かっているのです。
こうなった理由の1つとして、「称賛してくれた理由を自分なりにでっちあげ、説明できてしまう」ところにあります。
やはり説明がついて納得感が生まれると、感情が落ち着いてしまうのですよね。
その反面、「誰が褒めてくれたのか分からない」という状態は、居心地のわるさがありつつも、考え代がある分、自分に都合よくどこまでも考えることができる。
きっと、考える時間は楽しいものとなるでしょう。
しかし、考えるテーマがネガティブなものであるとこれはなかなか辛い状態に陥ります。
ネガティブに対して答えを見出せないまま考え続けるなんて辛すぎます。
そんな場合は、「答えなんて出ないんだから」と早々に思考を切り替えたほうが良さそうです。
▼まとめ
本記事では、「『分からない』という状態は、考えるきっかけを作るよ!」という内容を紹介しました。
人間の感情は、「自分がどのように捉えるか」によって変わってきます。
良いことはより良く、わるいことは必要なだけ考えて自分の世界を調整していきましょう。
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