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【雑記】全てを捨てた日〜第三日目

カタバミ(学名: Oxalis corniculata)
カタバミ科カタバミ属の多年草。
花言葉は「喜び」

前回、嘔吐をしたことまでが一日目の話。
ここから二日目である。

結局、寝付くことができたのは明け方になってからだった。
秋晴れの強い日差しは、車上生活者の大敵だ。
車内が暑くて仕方ない。
眠い目をこすりながら車を走らせた。

一夜明け、僕の失踪に気付いた家族からの、電話、メール、SMSの連絡攻撃をシカトしながら、おぼろげに考えていた。

今後、どうするか?

僕は親から「職業に貴賎なし」と教わってきた。
それは間違ってないと思う。
犯罪でもしていない限り、他人から指を差される謂れはない。
ましてや僕は、差されるであろう人間から距離を取っている。
家族も、親戚も、地元の知人もいない。
赤の他人から差されるのなら、それは無視していい。

選びさえしなければ、なんとかなるだろう。

メールには、「心配している」「連絡して」などと、月並みの言葉が添えられていた。
それらを鼻で笑うと、発信元を着信拒否リストに加えていった。

さて、問題になってくるのは、寝床である。
いくら千葉は田舎とはいえ、その辺に停めて寝るわけにもいかない。
前停めた有料道路のパーキングがあるが、一泊ごとに通行料金を払わねばならない。
所持金が少ない自分には、それすら痛すぎた。

千葉には幕張パーキングエリアという場所が存在する。
ここは京葉道路という有料道路のサービスエリアなのたが、ここに入る部分は無料開放されている。
当面の寝床をそこに捉えると、車を向けた。

ちなみにだが、この幕張パーキングエリアは、上りと下りにある。
僕が車上生活者だった頃は、下りでは朝方に掃除のジジイがわざとチリトリをガンガン鳴らしてきたのだ。
上りは駐車場の工事があり、ある程度の騒音こそするが、睡眠は妨げられない。

快適な睡眠をしたかったら上りをオススメする。
今はどうか知らないけれど。

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