見出し画像

水の中で熱エネルギーの武器が使えるだと?

海中に沈んだ未確認人型機動兵器を捜索するOZ期待のホープが、海底で遭遇し襲撃を受けたのは、刀身が光の大鎌を振り回す死神だった。
その圧倒的な強さの前に発したこのセリフは、リアタイした時からはねいぬの心に深く刻まれている。
リアル中二時代は、ただただ衝撃的神デザインの死神を引き立てる名セリフであったが、中二病をこじらせたレーザエンジニアにジョブチェンジした現在は、理屈っぽい面倒な理系らしさから、その大鎌で切りつけられるほどの深さで心に刻まれている。

なまじ光の知識と経験を得てしまった中二病患者は、なによりも先に「熱兵器かどうかより、光を使った兵器が鎌形に曲がってること」にまずは驚かないんかい、と突っ込んでしまう。
光の刀身がレーザかどうかは分からないが、光を使っている兵器ではあるのだろうし、アフターコロニーにはミノフスキー粒子は登場していない。
しかしそこは若きエリート兵士、まずは自身が置かれた状況から、兵器の形状ではなく兵器としての特徴をしっかりと捉えている。

しかし残念ながら、彼はいくつかのミスを犯している。
海中に沈んだ未確認人型機動兵器の回収任務に、自分たちや地球圏統一連合だけであると仮定していたこと。
そして、勉強不足にも光を使った兵器を熱エネルギー兵器と認識してしまったことだ。
もしかしたら、光の巨人の大ファンなのかもしれないが、光は熱ではない。
コレダイジ、だからもう一度「光は熱ではない」。

「光は熱ではない」(3回目)ので、水に冷やされることはない。
なので光の刀身をもつ大鎌は、海中だろうが宇宙空間だろうが結構普通に使える。
だがしかし、もしエネルギが小さい光の刀身が水中でチタニュウム合金に接触すれば、エネルギの移動でチタニュウム合金は加熱されるが、その瞬間から大量の海水で冷却もされる。
光の大鎌も加熱によって対象にダメージを与える兵器であるので、水中では効果が大きく下がるにも関わらず使用していること自体への驚きだったのであれば、やはりOZは優秀である。

しかし、刀身が光の大鎌は超高出力で手持ち近接兵器の中でも抜群に高威力なので、チタニュウム合金も瞬時に溶融・蒸発するだろうから、水中だろうが海中だろうが宇宙空間と大差ない性能を発揮できたしても、全くもって不思議はない。

彼にとっての基準が獅子座の人型機動兵器に実装されている刀身が光のサーベルとすると、光の大鎌と比べるとエネルギが大きく劣っているので、チタニュウム合金の装甲は刀身が光のサーベルに触れられ加熱されても、海中の大量の海水で同時に冷却され、地上や宇宙ほどの威力が出せないという思い込みがあったのかもしれない。
もしや彼は、水中では想定通りの威力が出ない光兵器はOZでは実装に至らなかったにも関わらず、目の前の死神が余裕で使っていることに衝撃を受けてタイトルのような発言をしたのだろうか。
そうであれば、さすがである。
やはりエリート兵士は違う…いやいや「光は熱ではない」(4回目)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?