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デストロンの勇者

レーザの誕生から今年2024年で、64年。
機動戦士ガンダムの放映は1979年で、レーザの誕生からわずか15年経っただけで、ビームライフルとビームサーベルをはじめ、拡散ビーム砲やソーラーシステム、コロニーレーザーと言った光学兵器が登場している。
機動戦士ガンダム放映の少し前には、映画スターウォーズが公開され、ライトセイバーやレーザ兵器が登場している。
レーザや光学兵器は、映画やアニメにいち早く取り入れられ、その浪漫さ加減は多くの人を魅了してきた。

機動戦士ガンダムやスターウォーズよりも前に登場したレーザもある。
それは1973年から放映された仮面ライダーV3の改造人間(機械合成怪人)に辿り着く。
レーザの誕生からわずか13年しか経っていないのだ。

カニレーザーという名前の改造人間を聞いたことがあるだろうか。
似た名前の赤いタレントさんもいらっしゃるが、ちょっと違う。
カニレーザーは、仮面ライダーV3の敵組織であるデストロンの大幹部ドクトルGの正体である。
ドクトルGはデストロン首領にデストロンの勇者と讃えられるほどの大幹部であり、戦士であった。
そんな漢が自らの肉体を改造し、レーザとの融合を果たして誕生したのがカニレーザである。
なぜカニとレーザを組合せたのかは、はねいぬには想像もつかないが、ハサミジャガーやピッケルシャークの様にわざわざ道具と組合せたら弱くなりそうな改造人間や、イカファイヤーの様に美味しく頂けそうな組合せに比べれば、カニはレーザの力を借りて強くなりそうだから、ナイス改造だったに違いない。

これまで全くレーザの話をしていないので、雑談程度にカニレーザーのレーザー部分の話をしよう。
カニレーザーは、頭部にレーザ出射口を備えており、V3を狙い撃った。
残念ながらV3に当たることはなかったが、カニレーザーから放たれたレーザは海岸の岩場を爆発させていたので、当たれば無事ではすまなかったはずだ。
いやいや、レーザは爆発しないだろ、と思われるかもしれないが、石や岩が爆発する威力のレーザはとんでもないエネルギを持っている。
レーザからのエネルギが岩に吸収されて加熱されるまでは、いつものレーザ加工だが、爆発となると加熱→溶融→蒸発のプロセスの溶融をすっとばしていることになる。
いわゆる昇華とい現象である。

岩を昇華させる具体的なエネルギ量は分からないが、鉄板やガラス板の昇華にはMW〜GWくらいは必要で、そのエネルギ密度に達するためにはビーム径も100umより小さいだろう。
それでも昇華によって爆発っぼく見えるサイズ感は見た目に1mmみたいな感じだ。
岩が爆発するように見える昇華を実現するためには、PWクラスが必要になるかもしれない。
もう余裕で核融合もできるし、水は分解されるレベルだ。
当たればV3が即死してもおかしくない。
たかだか10mもない距離で連射されていたが、本当に当たらなくて良かったね。

PWを超える様なレーザを連射できるほどのエネルギを待ち、そんなレーザを頭のすぐ近くから発射しまくっても大丈夫なほど堅牢なカニレーザーは、まさしくデストロンの科学技術力を具現化した改造人間であった。
そして、発射されたレーザが直線だったことも、小さいが大きい着目点であった。

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