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高まれ!『レーザー』の密度よ!

レーザは密度を高めて加工する。
密度の高さこそが、レーザ加工の真実であり原理原則なのだ。

密度をどこまで高められるかが、レーザ発振器の性能を示す。
だからレーザ発振器メーカーは、これまで密度を高めることができるレーザを王と崇め、自らの手で先代の王を超える2代目、3代目と王を作り続けてきた。
密度を追求する王制は、最近は方向性が変わってはきているが、それでもまだ続いている。

さてさて、話をレーザの密度に戻そう。
レーザだけでなく光の密度とは、そもそもなんだろうか。
意外とGoogle先生も教えてくれない盲点がそこにある。
いや、Google先生が悪いのではない、はねいぬ達レーザ屋さんや光学屋さんが、ネットの世界に書き残したりしないことや、何より書き残したとしても分かりにくいことが、悪いのだ。
この分かりにくさやが光学を未知の学問にして、若者達を近付けない壁にしている。
こんな壁の中にいるから、日本のレーザ技術は世界からどんどん遅れていく、さっさと超大型巨人に破壊してもらえば良いのに。

話がそれたが、レーザの密度を決める要素は2つある。
1つはシンプルに、単位面積当たりの密度だ。
塩水の塩っぱさと同じで、小さい面積にどれだけ多くの光子を集められるかで決まる。
そしてレーザには塩と水の関係のように、飽和状態がない。
だから、光子が小さい面積に集まれば集まるほど密度は高まる。

レーザの密度を高めるもう1つの要素は、時間である。
この時間的な要素は、パルスレーザに強く関係する。
照射時間が短いパルスレーザは、単位時間当たりのエネルギー量は大きくないが、パルス1つが持つエネルギーは照射時間に対してものすごく大きい。
連続波レーザは単位時間当たりでも瞬間最大出力でも100kWしかでないが、フェムト秒パルスレーザの瞬間最大出力は余裕でGWを超える。
文字通り桁外れな瞬間的な出力は、水を分子に分解し、核融合を起こす。
極限まで高まったレーザの密度は、全てを破壊するのだ。

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