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ロングレンジ・ビーム・ライフル 現実と夢想

震える山で忘れることができないのは、青き鬼神、倍返し、そしてロングレンジビームライフルなのは明白だ。
病院船を撃ち落としたり、ラスボスのアプサラスIIIに大ダメージを与えたりと、高出力ビームライフルの長距離狙撃の効果をまざまざ見せつけられた。

このほかにも標準的なビームライフルで10kmほどの距離からの精密射撃を成功させるなど、ビームライフルの長距離射撃性能はデューク東郷顔負けである。
はねいぬは、おかげさまで思いっきり本作の沼にはまり、重度の中二病を患うことになった。

そのせいか、レーザを使い始めた時に目の当たりにした大気中でのレーザの減衰率に、夢を打ち砕かれたものだ。
UVレーザは光学距離が3倍伸びたら目的の加工ができない現実に向き合った時には、夢想と妄想のモヤにレーザが掻き消されたようであった。
ビームがモヤや雲を散らして着き進む描写が浪漫世界だけのことであると、現実を突きつけられたのである。
光学兵器とは、なんと儚く繊細なものなのだろう。

減衰率とは文字通り進む距離に対して減っていくレーザのエネルギの割合を指す。
レーザの大気中での減衰率となれば、地球でレーザを放った時に減っていくエネルギと夢想の割合になる。

レーザの減衰率は、レーザが進む媒質とレーザの波長に依存する。
大気中であれば、大気を構成している分子や蒸気、煙などで大きく減衰する。
レーザの波長が短いほど大気中の物質に当たりやすいので、ストップ安の如くレーザ出力は落ちていく。

ビームライフルをDragonFireと同じようにファイバーレーザだと仮定すると大気中であまり減衰はしないが、震える山は東南アジアである。
密林や市街地の障害物に加え、高い湿度と空爆や戦闘による粉塵などにより、レーザ出力はビックリするほど減衰する。
残念だか曹長や軍曹の腕を持ってしても、ビームライフルの優位性は低いと言わざるを得ない。
逆に100mmマシンガンやミサイルランチャー、180mmキャノンは、まさに震える山向きな武装である。

100mmマシンガン vs ガトリングシールドも胸熱だが、それでもアプサラスIIIとジム・スナイパーの長距離射撃はかっこよすぎるので、はねいぬはそっとレーザ屋さんとしての思考を止めるのである。

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