詩「フルーツキャンディー」
フルーツキャンディーを四つ、カバンのポケットにこっそり偲ばせた
定期通院に向かう途中のバスの中で、早速一粒食べた
レモン味なのか、メロン味なのかなんて、そんなこと今はどうでもいい
ただ一昨日から止めどなく出続けるせきを止めてくれさえすれば
どうしてそんな顔をするの?
私は流行りのそれじゃないのに
外に出たとたん、か弱い者たちは皆同じ人にされてしまうのだ
ずっと家にひきこもっているのは退屈で息苦しいけれど
案外その方が安全かもしれない
お守りのフルーツキャンディーも、袋を空ければまだたくさんあるんだし
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