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SixTONES 6thシングル『共鳴』について考察してみた。

2022年3月2日に発売した6枚目のシングル『共鳴』、歌詞を読み解くほどに、松村さんが言うように「えめ~」(※エモい)歌詞。1オタクが歌詞を考察してみたので、下記項目に沿って、話をしていこうと思う。

①どんな曲?

↑公式MVはコチラ

↑パフォーマンス動画はコチラ

上記で動画を紹介したが、共鳴はフルで聴くと、よりメッセージを受け取りやすい楽曲だと思っているので、是非CDを手にとってフルで聴いてほしいとは思う。


②歌詞考察

Now it’s time to unite, let’s shout!

京本の「共鳴しよう」という呼びかけからこの曲は始まる。

Hey, This is a song to get me the power.
Can you hear the roaring of our soul, huh?
We don’t have time to hesitate, right? Okay, let’s get started!

ジェシー「この曲は自分に力をくれるもの。俺たちの魂の轟きが聞こえる?躊躇している時間なんてないだろ?さぁ、はじめよう」
こんなにもかっこいい前振りをされたら、ドキドキしてしまう。

天変の地異 不可抗力の荒野
暗転の舞台(ステージ) 切っ掛けは誰の声だ?

SixTONESとしての始まりを感じる部分。不可抗力で荒野に立つ彼ら。そして彼らの舞台に「暗転」が訪れる。それを天変地異と表現するのは少し切なくもあり、まぁ上手な皮肉にも感じる。きっかけは一体誰の声だったのか…?

僕らには僕らの戯曲(ものがたり)が
あるはずだろういざ明転 この座組なら昂然

「暗転」からの「明転」。舞台は明るくなったわけだ。6人のものがたりが始まる。このメンバー(座組)なら、大丈夫、自信に満ちている。

Don’t worry, even if you’re down Our ties are always in here…
賽を奪われた世界 奈落の淵で 轟かす共鳴

あなたに元気がなくても、俺たちの絆はここにある。だから心配しないで。というファンへのメッセージがうかがえる。
進むための"賽"を奪われても、どん底で6人で共鳴する。(決して明るくないところにいる彼らだけれど)6人で共鳴していれば大丈夫、という覚悟のようなものを感じる。それにしても賽を奪われた世界…というのは彼らには前に進むための手段がなかった、ということなのだろうか…

そして一番直接的な表現をするサビへ

ギリギリに立ってんだって 分かってるのに 噫(あぁ)
それでも選んでしまった 夢と誇り
どれが運命で なにが賢明なんだ?

彼らにはあとがなかった。例えるなら、崖の淵に立っているような。そんなギリギリなところに立っていることを6人は分かったうえで、「あぁ」と嘆きながらも「デビュー」という夢と誇りを「選んでしまった」のだ。彼らのデビューにはいくつもの「偶然」と「必然」があったのだろう。運命と表現できる「偶然」はあったものの、決してそんな綺麗ごとだけじゃなく、賢明な言動、つまり彼ら自身が動いたこと・想ったことによって起きた「必然」もあったからこその「デビュー」だったのではないか。そんなことをこのサビ部分から感じた。

間違い擦れ違いすらも含んだ誓い 噫(あぁ)

過去には間違ったこと、すれ違ったこと、色々なことがあったけれど、そんな過去のことも踏まえたうえでの6人の「誓い」。個人的に、ここを歌うのが森本…というのがとてもアツい。Vivi(*1)の「Q.息子(5歳)がSixTONESに入りたがってます。加入条件は?」に対する森本の回答「A.たくさん失敗すること。失敗してこそ成功につながるから、まずはいろんなことを経験してズタボロになってから、いらっしゃい♡」を思い出す。決して美しい思い出だけの過去じゃないけれど6人は誓いを立てるのだ。

代わりなんていない 僕ら
静寂を切り裂く矢の如く “今”を生き抜くだけ

増えても減っても意味をなさないSixTONES。ほかにかわりなんていなくて、この6人であることが大切。その歌詞を担うのがジェシーというのがね…意味があるのだろうな。
ちなみに、この歌詞部分は、最新のRideOnTimeやanan(*2)での田中の言葉を思い出す。田中「メンバーが一人増えたり、一人減るって言われたらやめるけど、この6人の形が存続する限り、俺もSixTONESの田中樹を全うしようと思っています」
そして松村の「今を生き抜くだけ」というのがとってもSixTONESらしい。なぜなら、彼らは過去と未来にとらわれすぎず、「今」を一番大切にしているグループだからだ。ジョン(*3)でのJ2の言葉が頭をよぎる。田中「俺もとにかく今を生きてる人間だから。そもそも過去と未来って概念がないのよ。(中略)俺は今のために今、頑張るだけ」ジェシー「今の俺達の状況は常に"今を生きていかなきゃ"って思わされるよね。(中略)大事なのは"今"だよね。明日はないつもりで、今、今日やれることをやる!」

さて、ここから2番

頂上の地位 くれてやったっていいわ
存在意義 奪ってみなさいな

すごく印象的な歌詞だった。テレナビ(*4)での松村「頂上の地位、くれてやったっていいわ って部分とか、いろんな人を救う言葉のような気がする。人の存在意義って本当に誰にも奪えないし、もし、奪われたなと思ったとしたらそれは絶対もう勘違いというか…。違う視点や角度から見たら絶対存在意義って奪われていないし、失われてもいない。(※A) 」そう、彼らは「頂上の地位」に拘っていないのだ…トップアイドルになるのが本来アイドルとしての野望なのでは…?と思うだろう。でも彼らは違う。「くれてやったっていいわ」ってものすごくかっこよくないか。彼らが頂上にいても、いなくても、彼らの存在意義って誰にも奪えないんですよね。「奪ってみなさいな」なんて言ってるけど、奪えるわけがない。誰にも奪えないのだから。松村のインタビューによると、これは彼らに限らず、私たちにも当てはまることなんだと思う。テストで100点をとる、仕事で良い結果を出す、家事を完璧にこなす、など、私たちがとらわれていることが日常にはあるはず。それを達成しないと、自分の存在意義を肯定できない、自分が何のために頑張っているのか、何のためにここにいるのか。そういう悩みって誰にでもあると思うが、結局「形に拘ることはない。存在意義はそんなところにはない」ということなのだろう。違う視点から自分を見つめ直してみたら、案外、己の存在意義は"そこ"にあるのかもしれない。

僕らには 僕らにしか出せない共鳴で
傀儡な俗世を踊るわ

凄い皮肉めいてる…マスカラのカップリング曲「フィギュア」を思い出す歌詞。こういう歌詞をアイドルが歌うことは胸がぎゅっとなるけれど、「僕らには僕らにしか出せないおとで」と歌う京ジェにはなんともいえない高揚感を抱いてしまう。だって、説得力がすごいんだもの。

Hey bro, We don’t need to slow down
I don’t care what other people think
順路は違えど魁 轍を作れ
未来への証明

俺たちは勢いを止める必要はない。外野が何を考えていようとも俺達には関係ない。正当なやり方・順路でなくても、後輩のために轍をつくるSixTONESが真っ先に思い浮かんだ。常にジャニーズとして新しいことをしてくれるのがSixTONES。彼らは良い意味でYesマン(「全員、基本的に大人の言うことを「はい」ってきくタイプですから(笑)」と田中も日経エンタで表現*5)なので、どんどんと開拓していってるわけだ。それが、彼らの未来への証明なのだ。

ギリギリに立ってんだって 分かってるのに 噫(あぁ)
嫌でも浮かんでしまった 理想の先
どれが正論で なにが現実なんだ?

いやでも浮かんでしまう理想の先。海外進出だったり、国民的アイドルになることだったり、そんな夢を見たっていいのに、相変わらず「どれが正論?」「なにが現実?」と彼らの現実的な面があらわれている。ちゃんと今自分たちが置かれている状況を俯瞰的に見つつ、踏み外さないようにって。でもそれはきっと彼らが夢を見すぎないこと・期待しすぎないことをいろんな経験を経て痛感してきたからなのだろう…

賛成も反対すらも関係ない 噫(あぁ)
光の見えない 今日が
僕らを集わせたんだろう

外野の声は関係ない、とこんなにもハッキリと言い放つ。ある意味潔い。そして光の見えない「今日」がこの6人を集わせた。ハッキリと何が・誰が彼らを集わせたとは言わずに「光の見えない今日」つまり彼らが過去に置かれていた「暗闇という状況」が6人を導いたのではないだろうか。明言されているわけではないから、私には分からないけれど、どちらにせよこの抽象的な表現が似合うのがSixTONESだなあとおもう。

ただ微笑むだけ… 帳を捨て去って

「微笑む」という歌詞を日々笑顔の髙地に割り振ってるの、本当に本当に良すぎない?少クラでフルを披露した際、ここの髙地の不敵な笑みがとても好きだった。そうなんだよ、髙地はただ微笑むだけなんだ。前にブログでも書いたけど、「変わらずにただそこにいてくれるだけ」がなによりも髙地の強みなので、そんな髙地がこの歌詞を歌うことがどれほど解釈の一致か。どんなどん底でも微笑んでいてくれる。その後に「帳を捨て去って」という大胆な歌詞が飛び込んでくる。何かを分断している帳を捨て去る、ということなのだが、個人的な解釈としては1番に出てきた「暗転」「明転」というところから、客席とステージを遮る垂れ幕を「帳」と表現しているのではないかと考えた。普通そこの幕を取ってしまうなんてステージに立つ者としては考えられないが、常識にとらわれない、世界を広げる、新しいことに挑戦する、彼ららしいのかなと思ったりした。

Oh I don’t know why
どんな苦悩だって 毅然としていられる
…孤独じゃないってだけで。

孤独じゃないというだけで、ほか5人がいるというだけで、なぜだか、どんな苦悩に直面しても毅然としていられる。という歌詞部分。ここを歌うのがきょもほくなのがね、、、SixTONESで一番クールにみえる二人に、こんなにも熱い歌詞を歌わせるのがグッとくる。パフォーマンスでも、この部分の歌い方に二人の内なる熱さを感じるのが個人的には大好きポイント。一度はメンバーから距離を置いた(なんなら"嫌いだった"と発言もしてる…)松村の「孤独じゃないってだけで」はくるものがある。松村担としてはここを歌う松村にいつも涙が溢れそうになる。

焦燥抱いて競争?よしましょう然様なら。役者は揃ってる。

焦燥を頂きながら競争はしない、というスタンスのSixTONESが好きだ。SixTONESって好戦的にみえて、実はそうでもないところ。戦うべきところは戦うけど、無駄な争いや下手に労力を使わないところ、実は現実的なところ。そういうところが大好き。
ところで、「役者は揃ってる」のときの全員の手をみたことがありますか?もしまだ見てないという人がいれば、いますぐ見てください。役者=6人なので…

正気じゃないかもしれない
けどどこにいたって笑ってはいたいから
Shut up, Can I get out?
絆深けりゃ傷は浅いから What?

田中のラップパート。正気じゃないかもしれない、盲目的な愛になっているかもしれない、でも、どこにいても6人で笑っていたい。まるで執着心のように「6人」に強く拘る彼らだが、「Shut up」と言われているのだから、まわりがなんと言おうと、彼らは6人で居続けることを選択し続けるのだなと。絆が深ければ傷は浅いはまさに運命共同体として彼らが生きていく言葉そのもの。一人で100のダメージを受けるより、6人で100のダメージを受けて、個々の受けるダメージを減らしていく。6人は"共に"生きるし、"共に"死ぬのだ…

まるで異世界 何処まででも
轟かす共鳴 噫(あぁ)

舞台と客席の間の幕はもう取り払われているし、ここはもう普通の世界ではないのかもしれない。まるで異世界だけれど、どこまででも6人の共鳴を轟かせるSixTONES。そして6人の魂の叫び。

※1番のサビ繰り返し

謹言。

シンプルに斬新な終わり方だとおもった。丁寧に手紙を終えるときに添える単語なのだが、こんなにも挑戦的で、皮肉も含んでいて、とにかく"強い"言葉の数々の最後に「謹言」だなんて、(振付も)お辞儀はしているもののSixTONESが"真面目にやんちゃ"していく姿勢が最大限にあらわれている部分だなと。そして咳払いが入る。この絶妙なヤンチャさ!最後まで抜かりなく、SixTONESらしい。
日経エンタ(*5)の田中「俺らは、もともと悪い奴が良い子ちゃんを演じてるわけじゃなくて、良い子が悪い子を演じてるんで(以下略)」


③その他のインタビュー

考察でも雑誌からの発言を織り交ぜたが、その他の印象的だったインタビューをざっくりまとめておいた。あくまで私が個人的に刺さったところ。

●週刊ザテレビジョン3/11号
・Q.「共鳴」で共感するフレーズは?
A. 髙「"轍を作れ"は好きだね。既にある道の上を歩いて輝いて、その道の大切さを提唱するのも大事だと思う。でも俺たちがやるべきは多分そっちより新たな道=轍を作っていくことなのかなって。(以下略)」
京「”どんな苦悩だって毅然としていられる…孤独じゃないってだけで。”ってとこ、歌詞の1行目が俺で2行目が北斗なんだけど、これまでのSixTONESの道のりを感じる。アイドルは、苦悩やマイナスな感情は出すべきじゃない、Jr.時代の苦労話も後日談としては話すけど、苦悩の渦中にあるときは生々しいし、出すべきじゃないって思っていて。(中略)6人だから、ファンのみんなの力があったから辞めずに頑張れたので。」

・松村「特にSixTONESの背景を知っている人には特に刺さる歌詞だろうし。知らない人にも、次から次へといろんな声が聞こえてきて。それが折り重なって訴え掛けてくる。結果、どんな層にも伝わる…そんな曲かな」

●月刊TVガイド4月号
・松「今、自分たちが言いたいこととか、大事にしたいことが「共鳴」に書かれているような気がする。そうありたいし、そうあらなきゃいけないだろうというものが、しっかり込められているというか。」田「分かるよ。」松「それを自分たちの代わりに言葉にしてくれたというか。僕らの一番近くで音楽を作ってくれている人たちからのメッセージなんだなっていうふうにも俺は受け取れた。(以下略)」

●TVガイド3/11号
・田中「英語詞を歌うことも経て辿り着いた、ジャニーズとしてはSixTONESの専売特許ともいえる曲が「共鳴」なのかなと思ってる。歌詞のなかには覚えるのが大変なフレーズもあるから、歌いながら進化させていきたいね。意味を探りたくなる日本語もたくさん入っているんだけど、俺が好きなのはシンプルに「噫(あぁ)」なの。(以下略)」

●月刊TVnavi 4月号
・*Aの正式な文章
ジェ「俺がいいなと思うのはサビのパート。気持ちを伝えるパートになっているから「NEW ERA」とはまた違う熱っぽい感情で歌いたいな。」
森「メッセージ性もあって今の時代にも合っているよね。」
松「歌詞を読み込んでいくと、全編通して結構いいことを言ってるんだよね。2番の歌詞は「頂上の地位、くれてやったっていいわ」って部分とか、いろんな人を救う言葉のような気がする。」
京「なるほど!」
松「人の存在意義って本当に誰にも奪えないし、もし、奪われたなと思ったとしたらそれは絶対もう勘違いというか…。」
田「深いなあ。」
松「違う視点や角度から見たら絶対存在意義って奪われていないし、失われてもいない。この内容はすごく強い言葉だと思う。そういう発見が全編通してある曲だから、歌詞をきちんと届けたいんだよね。」
京「わかる。より丁寧に歌いたいよね。」

・ジェ「最後、北斗のパートで、「"今"を生き抜くだけ」という歌詞があるじゃない?俺はそこが凄くいいなと思ってる。メッセージ性としてすごく響く。」
松「うん。だからMVでは結構歌詞を大事にしたかな。」



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*1 ViVi 2022年2月号
*2 anan 2022年3月号
*3 週刊ザテレビジョン3/11号
*4 月刊TVnavi 4月号
*5 日経エンタテイメント!4月号


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