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Roof of the world: Home and border in the genomic era

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/1755-0998.13827

1. 本研究の学術的な背景と研究が解決する問題は何ですか?
==> ヒマラヤ山脈とチベット高原は生物多様性が豊かであり、数千万人の先住民が住んでいます。これまで、多くの科学者が遺伝子の手法を用いて、生物の高山適応の背後にある遺伝子メカニズムを理解するために研究を進めてきましたが、先住民の貢献が不十分であるという問題があります。本研究の目的は、この課題に焦点を当て、伝統的生態学的知識(TEK)による分子生態学的洞察の提供について、先住民研究者や先住民団体がどのように貢献するかについて議論を行うことです。

2. 本研究の目的及び学術的独自性と創造性は何ですか?
==> 本研究では、先住民研究者や先住民団体の貢献を再評価し、彼らが持つTEKを活用して、ヒマラヤ・チベット地域の生物多様性に関する分子生態学的知見を提供することを目的としています。また、この分野における先住民研究者や先住民団体の貢献度合いについて整理し、彼らの貢献を尊重することが、学術的な独自性と創造性と言えます。

3. 研究の着想を得た経緯や、関連する国内外の研究動向とは何ですか?
==> 他の研究分野と比較して、保全生物学の分野においては、先住民研究者や先住民団体による貢献がより高いことが指摘されています。また、ヒマラヤ・チベット地域には多くの先住民が住んでおり、彼らが持つTEKを活用した先住民研究者による研究が必要であると考えられています。

4. 本研究で何をどのように、どこまで明らかにした?
==> 本研究では、ヒマラヤ・チベット地域における生物多様性に関する分子生態学的知見について、先住民研究者や先住民団体の貢献を再評価し、彼らが持つTEKを活用することで、より深い洞察を得ることができることを示しました。また、このためには、地元の先住民の助けを借りた国内外の多国籍の共同研究が必要であり、次世代の先住民分子生態学者が、氷河の溶解とともに失われつつある遺伝子情報を収集することが重要であることを示しました。

5. 本研究の有効性はどのように検証した?
==> 本研究では、先住民研究者や先住民団体の貢献を再評価し、彼らが持つTEKを活用することによって、より深い洞察を得ることができることを示したことが、本研究の有効性の一つと言えます。また、地元の先住民の助けを借りた国内外の多国籍の共同研究が必要であることも示されたため、国際的な共同研究において、先住民が貢献できる方法を模索することが今後の課題とされています。

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