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Air pollution, genetic susceptibility, and the risk of atrial fibrillation: A large prospective cohort study

https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2302708120

1. 本研究の学術的背景,研究課題の核心をなす学術的「問い」は?
- 以前の研究では、空気汚染物質または遺伝的感受性と心房細動(AF)のリスクにおける独立した関連性に注目されることが多かった。しかし、これらの研究では、遺伝子と空気汚染物質の相互作用や共同効果についてはほとんど考慮されていませんでした。本研究では、遺伝的要因と空気汚染物質の共同効果に加えて、相互作用の可能性を評価し、遺伝的感受性と空気汚染物質にさらされた場合のAF発症リスクのアディティブな相互作用を明らかにしました。

2. 本研究の目的及び学術的独自性と創造性は?
- 本研究では、遺伝的感受性が空気汚染物質のリスクに与える影響度合いを明らかにすることを目的としています。高い遺伝的感受性を持つ人々にとっては、空気の質の改善が有益であることが示唆され、これは心房細動の予防において重要な意義を持ちます。

3. 本研究の着想に至った経緯や、関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけは?
- 過去の研究では、空気汚染物質または遺伝的感受性と心房細動のリスクについて個別に解析されることが多かったですが、本研究では、両方の要素の共同作用について考察し、その相互作用の評価を行いました。

4. 本研究で何をどのように、どこまで明らかにした?
- 本研究では、英国バイオバンクからの401,251人を対象に、空気汚染物質と遺伝的感受性の間にあるリスクがどの程度あるかを検討しました。PM2.5、PM10、NO2、およびNOxの各空気汚染物質による心房細動の発症リスクの増加を示すことができました。また、空気汚染物質の高いレベルと高い遺伝的リスクにさらされた参加者は、低空気汚染物質レベルと低遺伝的リスクにさらされた参加者に比べ、心房細動の発症リスクが高くなる可能性があることが示されました。

5. 本研究の有効性はどのように検証した?
- 本研究では、空気汚染物質と遺伝的感受性の相互作用に関する新たな知見を明らかにすることができました。特に、高い遺伝的感受性を持つ人々にとっては、空気の質の改善が有益であることが示唆され、プライマリープレベンションにおいて有用であることが示されました。

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