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Double-stranded RNA sequencing reveals distinct riboviruses associated with thermoacidophilic bacteria from hot springs in Japan

  • 論文タイプ:オリジナル論文

  • 掲載誌:Nature Microbiology

本研究の背景と関連研究:
この研究では、日本の酸性温泉から得られた熱酸性細菌に関連する異なるリボウイルスの完全なゲノム配列を復元するために、二本鎖RNAシーケンシングを使用しました。以前のメタトランスクリプトームシーケンシングにより、バクテリアのRNAウイロームの既知の多様性が拡大し、バクテリアホストに感染する追加のリボウイルスが発見される可能性が示唆されました。

本研究の目的とその重要性:
本研究の目的は、酸性温泉から得られた熱酸性細菌に関連するリボウイルスのゲノム配列を解読し、これらのウイルスの特徴や分類について理解を深めることです。この研究は、バクテリアウイルスの多様性と進化に関する知識を拡大し、新たなウイルスのグループを特定することにより、生物圏の中でのウイルスの役割を理解する上で重要です。

本研究で用いた材料やデータの詳細:
本研究では、日本の酸性温泉から採取された熱酸性細菌のサンプルを使用しました。これらのサンプルから抽出したRNAを二本鎖RNAシーケンシングによって解析し、リボウイルスのゲノム配列を復元しました。また、海水、河川の堆積物、塩沼などの環境からもHsRV-like RdRPsをコードするウイルスを同定しました。

本研究で何をどのように、どこまで明らかにした?
本研究では、酸性温泉から得られた熱酸性細菌に関連する2つのリボウイルスグループの完全なゲノム配列を解読しました。一つは「hot spring riboviruses (HsRV)」と呼ばれるグループで、通常のリボウイルスのRdRPとウイルスの逆転写酵素の中間のような特異なRdRPを持つウイルスで構成されています。このグループは、Artimaviricotaという独自の門、またはRiboviria界内の王国を形成しています。また、HsRV-like RdRPsをコードするウイルスは、海水、河川の堆積物、塩沼などの環境でも同定され、このグループが極限の生態系を超えて広く分布していることが示されました。もう一つは「hot spring partiti-like viruses (HsPV)」と呼ばれるグループで、Partitiviridae科内の独自の枝を形成しています。HsRVとHsPVのゲノムアーキテクチャと、これらのウイルスがバクテリア優勢の生息地で同定されたことから、これらのウイルスは熱酸性細菌に感染していることが示唆されました。

本研究の有効性はどのように検証した?
本研究では、二本鎖RNAシーケンシングを使用してリボウイルスのゲノム配列を復元し、その特徴や分類を解析しました。また、HsRV-like RdRPsをコードするウイルスが他の環境でも同定されたことから、このグループが広範囲に分布していることが示されました。さらに、HsRVとHsPVのゲノムアーキテクチャと、これらのウイルスが熱酸性細菌に感染していることから、これらのウイルスの生態学的な役割を推測することができました。

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