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#9 怒りの持続時間と言語化の大切さ

 このnoteを始めたのは、最初に書いたように「専業主夫と暮らす女性側からの発信はあまりないから」というのがまずあるのだけれど、それ以上に私自身が書くことによって自分の気持ちを整理していく必要を感じていたということがだんだんはっきりしてきた。

 自分がマジョリティ側に立ったとき、それをきちんと意識できているか、できていないとするなら何が原因なのか、気づけていないのか見て見ぬふりをしてしまっているのか…そういったことをチェックしながら、少しでも自分の中で消化しきれていない気持ちを言語化して、アルさんとの関係もより平等により快適にしていきたいのだ。あくまで私のnoteなので、私側からの視点に偏るし、今後も、私が反省したり改善すべく努力したりしていることを書いていくことが多くなると思う。

 しかし、結婚生活は、当たり前だけれど双方の歩み寄りがなければ厳しい。結婚後も結婚前と何も変える気も変る気もないと言っている(そして実行している)女性もいることは知っているけれど、それはむしろ特殊例ではないかと…。自分が当たり前だと思っていることが他所の家庭では当たり前じゃないことって結構ある。例えば、私の実家の家族はコンビニを滅多に使わない。公共料金の支払いとかチケット受け取りとか出先で軽食や飲み物を買うとか、その程度だけれど、アルさんは割と日常的にコンビニも使う。体調が悪いせいでスーパーなどの開いていない時間になにか必要になればコンビニという選択肢になるし、よく考えてみると街中にあれだけコンビニがあるということは、それだけ使うひとがいるということなわけで、コンビニを使うことにいちいち「コンビニを使うぞ!」と思う方がおかしいのかもしれない…。いや、まぁ、でもコンビニって定価売りのものが多いからさ…とスーパーの折り込み広告チェックを欠かさない生活が当たり前の貧乏ファミリー出身者らしい反応をしてしまうわけなのだ。

 そういった些細な相違を少しずつ調整しあってなんとなく落とし所を見つけていくものではないかと今は思っているのだけれど、実家暮らしの延長気分で結婚生活に突入してしまった私はかなりアルさんがこっちのルールに合わせてくれるものだと思ってたところがある。その理由は「私は仕事があるからペースを崩せない」「アルさんはこだわりがないなら私に合わせてくれればいいはず」というかんじで…なんというか、これが男女逆であったなら「○○さんはうちの嫁になったんだからうちのしきたりにしたがってもらいますよ」という古き悪しき家制度みたいじゃないか…と思い返すと自らの無自覚が恐ろしい。だからこそ、たいていの差別って「差別をしてやる」という意識もないし、相手を蔑ろにする気もないままに温存されしまいがちなのだと実感できる。

 では、アルさんの方はどうなのか、というと…

アルさんの悪いところは、「怒ると長い」に尽きる(ついでに思考が極端にマイナスになるのも…)。

 私は感情的になりやすいので、すぐにイライラするし、すぐにプンスカ怒ってしまうのだが、割とすぐに機嫌を直す。アルさんは滅多に怒らない。多少イライラしても我慢して丸く収めようとする方だ。しかし、《イライラ我慢スタンプ台帳》がいっぱいになると突然大爆発を起こす。アルさんと私の場合、一緒にいる時間が(おそらく他の夫婦よりも)長い分、アルさんが「イライラをちょっと我慢しておこう」の回数が溜まりやすいのだろうと思う。その結果、多いときは本当に毎週のように大爆発…ということもなかったわけではない。もとはと言えば、イライラの原因は私の言動(それもだいたい私の身勝手なので弁明のしようがない)だし、怒ることそれ自体は非難されることではないけれど、一度怒るととにかく長い(長かった)。若干偏執狂的な説明癖があるので、言語化できないことが残ると後日の喧嘩で再びその話に戻るためさらに喧嘩が長くなるという…。結果として、喧嘩をすると時間と体力を奪われてどちらにとってもキツい。

 「結婚ってそんなもんだよ。」「男は5歳児なんだから子供だと思って…。」「女は男を立ててあげないと」みたいな話はネット上で男女双方から発信されている。でも、私は5歳児と結婚したつもりはないし、結婚なんてそんなものなんだとしたら別に続けたいと思わない。私が結婚したのは、アルさんが好きだからだ。一緒に暮らすのに、今の日本の制度だと婚姻届を出した方が話が早いからその制度を利用しているだけだ。じゃあ、どうすればもっと互いに快適に暮らせるか、と考えた結果が、マジョリティとしての自分と向き合うということだった。

 一方のアルさんも「喧嘩を長引かせない」「思ってないことを言わない(←売り言葉に買い言葉ってやつ。普段は私の方がやや口が悪いのだが、喧嘩になると逆転する。)」ように努力中。それでも、まだたまには喧嘩をするけど、どちらか一方がひたすら我慢して許して喧嘩を一切しない夫婦よりもたまには喧嘩もできた方がいいのかもしれない。本当にありのままで自然体で喧嘩をしないひとたちもいるのだろうし、少し羨ましく思うけれど、喧嘩してきたことで考えるようになったこともあるし、「災い転じて福となす」ってことで。

 余談だが、なぜか子供の頃「ことわざなぞなぞ」の本を持っていた私はともかく、アルさんもよくことわざを口にする。30代でもことわざが口をついて出るひとは少数派だと思うので、アルさんは実はおじいさんなのではないか説をここにひっそりと公開しておきたい。

To be continued...


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