愛を取り戻せ！ ⑦愛されていた。

「離婚したい」と
くーさんに打ち明けた夜は
ろくろく眠れなかった。

くーさんの衝撃と辛さが
エンパスのわたしに
容赦なくなだれ込んできたから。

夜中に、寝汗をかいたり
お腹を壊して
朝はげっそりだった。

翌朝、娘が学校へ行ったあと
テレワークだったくーさんが
「もう少し話せる？」とリビングに来た。

「もちろん」と言いながら
「愛で話す。愛を持って伝える」と
心の中で唱え続ける。

昨日、この話を切り出してから、くーさんは
一貫して、わたしの一方的な希望を
懸命に理解しようとしてくれていた。

わたしを責めないように、追い詰めないようにと
意識してくれているのがよくわかる。

頭が下がる想いだった。

せめて、娘が中学を卒業するまで
居てもらえないか。

そのために、家にいても
マキの心が少し軽くいられるように
出来ることはないか。

俺は料理まったく出来ないから心配だ。
土日も家事に追われることになって
サッカーや町会は、抜けないとな。

くーさんの胸の内は
不安と寂しさでいっぱいだ。

わたしは、くーさんの人生を
がっつりサポートできてた訳ではない。

不満もいっぱいあったはずで、
特に最近は
家事レベルがめちゃくちゃ低かったのだから

くーさんが想定してる程の落差はないと
思ってしまうんだけど


今のくーさんは、
そこに楽観的になれる筈もなく
他人事だった離婚という２文字が
急に目の前にやってきた状態で

ずっと前から
念頭に置いてきたわたしとの
温度差は、どうにも埋めることはできない。

罪悪感でいっぱいになったりもするけれど、
くーさんに負担をかけることになるのは
どうにも避けられない。

わかってて、言った。

謝ることしかできない。
そして、信じ続ける。
どうにか、乗り切ってくれるはずだと。

その苦しさの全てに、寄り添うことはせずに
満月に、
わたし達の苦しさを手放すための
アファメーションを沢山やった。

丁度うお座の満月で、
12星座の締めくくりにあたる、うお座。
くーさん、うお座だし（笑）と。

それでも押し寄せてくる、
さまざまな感情の波は
すべて認めて、眺めていった。

離婚は、ずっと避けてきた
わたしの中の、課題。

現実面の清算

だから。

ちゃんと、請求書は見る。
そして、嫌がらずに１つ１つ支払う。

いつか、すべて済む。
身の振り方は
それから決めたらいいのだ。

前の晩、ほとんど眠れなかったせいか
昨夜はバレエを踊っていても眠くて（初体験！）
今朝は、娘に起こされるまで
泥のように眠った。

そして、疲労感がまったくなく
意識は上がっていて

急に
「大丈夫だ」と思えた。

昨日の覚悟が、あっていたのだ。

しんどくても
見て見ぬ振りをしたら
そこで行き詰まる。

すべてに、愛を持って向き合う。
それだけを、念頭に置いて。

大丈夫。
あんなに辛いくーさんが、
わたしには愛だけを見せてくれているのだ。

「わたしに不満、いっぱいあったでしょ？」って言っても
「だからって、マキを嫌いになるようなものじゃなかったよ」って
返してくれたり

「子ども達は一時期、わたしと会いたくなかったり
心ひらいて相談なんて、出来なくなったりするかもね」って言っても
「そんなわけないだろ？
マキへの信頼は、そんなもんじゃない」って
ずっと支えてやってくれって言われた。

くーさんの愛が、こんなに大きいと
今、こうなってから知った。

感謝しかない。

まーさんと統合してなかったら
惚れ直してわたしは
離婚撤回しているだろう。

けど、わたしは戻りかける足を止めて、
絶対にこの清算をやり切ると決め直す。

その先には、くーさんにも
トリプル女性が待っているのだから。

くーさんからの愛を、感謝に替えて
「これまでありがとう。」って手を振りたい。