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愛を取り戻せ! ⑥離婚を切りだす。


離婚届をもらってきた。

まーさんに、そのことを話せた。

次は、くーさんだ。
今なら言える。
そんな氣持ちに高まってきていた。

けど、何て言おうか?
そこで詰まった。

勇氣を出して、
「好きな人ができた」って
正直に話そうかと
はじめは、思っていた。

まーさんとの愛を
知ったことで、
離婚に踏みきることにしたのだから。

けど、それって…
わたしにとっては
くーさんに解ってほしい事の
核じゃない
、と感じた。

「話さないのって、逃げてる?」
自問もしたけど
そうは思わなかった。

じゃあ、
くーさんに一緒に向き合ってほしいのは
どこなのか??


それは…

ここがわたしのホームである、という
毎日への、違和感。

もう、この家が
わたしにとっては
居心地のいい場所ではないんだということ。

家族のこと、みんな、好きだけど。
ご飯がうまい!と喜んでくれて
子供達が悩みなく、寛いでいて
それを眺めるのは、幸せだったけど。

それだからって、わたしの内側はもう
イキイキとはしてこない。

「家族のために」っていうエネルギーは
もう、湧いてこなくなってる。

主婦という役を、降りたい。


そして

それをもう、これ以上

先延ばしにしたくない。

そこだった。


定まって…くーさんに、
そのまま、言ってみた。


本当は、ここ数日
喧嘩腰になるパラレルを待っていた。

くーさんは
家事能力が下がってきているわたしに
定期的に不満が爆発するから。

「もっと片付けてよ!」
「これやっといてって、何度も頼んだのに
どうしてまだ放っとくの?
軽く流さないでよ」

そんなふうに言われたら
「リタイヤしたい」って言いやすいな、と。

ワンチャン、上が
そんなお膳立てをしてくれないかな?と。


けど、来なかった。

逆に
「近くの展望台へ
十五夜満月観に行かないか」とか

昼間、お客さんと展開した
面白おかしいエピソードを
話してくれたりとか

「三連休、思ったより空いたから
どっかドライブでも行く?」とか

優しすぎて
うっかり、また
居座ってしまいそうな

壊すことが躊躇われるパラレルから
下がっていかなくて

あぁ、それでもわたしが
今度こそアクションできるか
上は見てるんだなぁと

腹を括るしかなかった。


娘は寝た。
息子は深夜バイトへ。

「くーさん」
わたしは切り出した。

「どうしても聞いてほしい
相談があるの。」

「なにー?」


…くーさんは、本当にびっくりしていた。

わたしの氣持ちが固まっていて
ほとんど、思い直す余地がないことにも
ショックを受けていた。

娘のことを案じ、
「何が一番いいのか
さっぱりわからない」と
混乱していた。


スピリチュアルなんか
やらせなきゃ良かった、とかも言われた。

専門家に話聞いてもらったら
氣が変わったりしないかな、とも。

お互い、ぶーぶー言ったりしながら
それでも、笑って暮らしていけたらって

ウチは大丈夫だと
心底思ってくれていたのだった。


また、話し合おう。
そう言って
息子が戻ってくる前に
くーさんは寝室に行った。

ごめん。
ごめんね。

もうめげそうだった。


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