スポットライトとその周辺の話
高校3年生の時、文化祭の出し物として演劇に挑戦した。
背景として、部活動も夏で終わり、かつ惨憺たる戦績で一体3年間何をやっていたんだろうかという気持ちしか残らない状況で、窓越しに後輩が3年が居なくなったグラウンドやコートをのびのびと使っているのを流し見るくらいしかなくて、たぶん、きっと日常に飽きていたんだと思う。
その頃の学園生活を思い出してもらえればイメージがしやすいかもしれない。小中高から続く緩やかなスクールカーストの中で文系的な活動は脚光を浴びることはとても少ない。ただ、当時のクラスメイトの中では何者でもなくなったから生じた、拡散するやる気に満ちていて、運動系の部活動を中心に活動していた陽気なキャラクター達がステージ上に躍り出ることになった。私は目立ちたがりの性格から(が災いして)、主役をいただき、その中で柔軟性にかけるものの、楽しい時間を過ごすことができた。
結果として、対抗内容としてはクラス対抗と言う体裁の中で最も登場人物が少ない悲劇を演じるものの、見事一位になることができた。
今は母校の図書館の記録映像で残されている(らしい)ので、香ばしいコントが見たい人はぜひ見に行ってほしい。
さて、この文章を書きはじめた契機としては、最近読んでいる「ビジュアルシンカーの脳」と言う書籍内容からの連想と
NETFLIXの「LIGHT HOUSE」の影響から派生したもので、思い出していく中で上の演劇のことが思い出されたのでした。
書籍と映像、それぞれから僕が読み込んだものとして、陽の当たるところとその周辺、むしろその周辺の中に「何か」が潜んでいる。
その潜んでいることへの好奇心を持っていることが大事だと言うこと。
これらについて少しだけ紹介して、その後に独り言を書いてみる。
■「ビジュアルシンカーの脳」
ビジュアルシンカーの脳:「絵」で考える人々の世界 著:テンプル・グランディン
人の思考方法として「言語思考」と「視覚思考」の2つが存在している。
視覚思考者である筆者がこれまでのフィールドワークにより認識した視覚思考者としての認識とその思考方法を述べている。
私自身が常日頃生きづらいと感じていた部分のある種の答え合わせのような内容が書いてあり、視覚で思考しながら、言語的に表現する必要性のある社会で生きているのが辛いんだなぁと自己理解が進んだ。
言葉で思考し、言葉を仲介して、情報を繋げ、価値を創出していく世界の中で言葉で思考することができないと言うのは、結構大変な内容なんです。
いや、本当に生きづらいですよ。伝えたいことが伝えられない世界。
それについて、結構自分が悪いのかなって思ってたりすることが多かったんですが、そもそもアウトプットを行う、大元の処理回路の仕組みが特殊なんだから、うまくいかないよなってことが、読み進めていくことでよくわかった。
うまい具合に生き延びていくことで、言語が得意ではないと言うことを視覚的に経験的に埋めることができて、どうにか今では、こんな感じで文章を書くこともできるようになったけれど、20代にコミュニケーションでいい記憶が全くない。全くないよ。
もしかしたら、この本は同じようにコミュニケーションがうまく取れないとか、そうゆう課題を抱きながら生きる人には何かヒントになるかもしれない。
■NETFLIX「 LIGHT HOUSE 」
星野源&若林正恭がMCに 佐久間宣行が手掛けるNetflix番組『LIGHTHOUSE』
数年前よりYouTubeでのコンテンツ制作を行なってきた佐久間氏が2人のトップクリエイターをMCに迎えて、紡ぐ6ヶ月間の対話の記録。テーマ「悩み」それが共有される時、見るものに希望は見えるのだろうか。
X(旧:Twitter)にて、誰かが発信したポストの中に含まれていた情報よりなんとなく見始めた内容より、食い入るように見てしまったシリーズ。NETFLIXのコンテンツってほんと切り口が斬新なものが多くて面白い。
広告が流れないのも安心感があるし、いいですよね。ツルッと滑っていつものごとく大好きなホラー映画を見始めなくてよかった。
さて、MC2人が語る内容はその時、その場所で思い起こされる創作やキャリアに関するボヤキ。これらは、若林氏の言葉を借りるなら、テレビと言う陽キャの象徴のような世界には含まれない、個人の内面に流れる本音のようなもの。
もちろん、本音であるかなんてエンタメで流れるなら、装飾噛んでるでしょうって言うところはあるんだけれど、これまで流れたことがない悩みのエンタメ化ってこんなに面白いモンだなと思えました。
これも、モヤモヤとする感情的なものについて、第三者を介して言語化されることになり、見ていてクスクスと笑いが出るし、直後にはスッとモヤモヤの輪郭がはっきりと見えたような気になり、なんなら、あれ、目から水滴がなんてこともあるから不思議だ。
悩み尽きないよね
思考する、思考してリスクを回避する、そうすることで寿命が延びていく私たち人類がどうにも離れ難いのが悩みであり、それは自分がありたいように進んでいこうとする場合には、その先に待っていて、あるタイミングでは
それについてしっかりと考えを持たないといけないような気になってくる。
その時に、なんと声をかけるといいだろうか。
その悩みはあなたの個性であるかもしれない、そして、悩むべき必然のタイミングなのかもしれない。
夜長になるこれからの季節に何か生まれていく前の状況にいいかもしれない本と映像の話でした。
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