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【漢文】筍②

僕はどちらかというとタケノコ派です。


劉義慶『世説新語』

【漢文】

王子猷、嘗暫寄人空宅住、便令種竹。或問、「暫住何煩爾。」王嘯詠良久、直指竹曰、「何可一日無此君。」

【書き下し文】

王子猷、嘗て暫く人の空宅に寄りて住み、便ち竹を種ゑしむ。或るひと問ふ、「暫く住むに何ぞ爾するを煩はさん。」と。王は嘯詠すること良久しうして、直ちに竹を指さして曰はく、「何ぞ一日も此の君無かるべけんや。」と。

【現代語訳】

王羲之は以前、人の留守宅にしばらく借家住まいをしたことがあるが、そこにさっそく竹を植えさせた。ある人が尋ねた、「ちょっとの間住むだけなのに、わざわざそんなめんどうなことをしなくてもよいではないか。」と。王はしばらく詩歌を吟詠していたが、まっすぐに竹を指さして言った。「一日たりともこの君なしでいられるだろうか、いやない。」


書聖と称される王羲之が思うまま、気ままに振る舞った逸話。やはり偉大な芸術家というのは自由奔放な生き方をするものなのでしょう。この逸話から竹を「此君」と呼ぶようになったそうな。

漢文的には、繰り返し筍の話をアップしていたら、思いが天に通じて筍がどこからか送られてくるはずなのだが、まだ筍は届いていない。


安井直人

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