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仕事つくる#30 岩佐大輝さんに脳みそをバットで殴られた気分

ここ最近エネルギーの浮き沈みが激しく、24時間集中できる時もあれば、全く集中できずグダグダいって終わる日も少なくない、というか多い。おそらく変化を求めている時期なのだと思うのだが、そんな中にあって本日の岩佐大輝さんの話はバットで頭を殴られたくらいの衝撃が走った。熱冷めやらぬうちに文章にまとめておく。

トークは岩佐さんがいちご事業にたどり着くまでの生い立ちからスタート。ちょっと激しすぎて記載することはできないが、受けた印象はお金稼ぎにおいて頭がキレる人×行動力が半端じゃない人だ。小学校の時お小遣いがもらえず、新聞配達をして稼いだお金でPCを買って触り倒すあたり、かなりクリエイティブな少年である。身につけたPC技術を使って起業し、20代に億を稼ぐ経験をされている。大金を動かす感覚が常人とは全く違うのだろうと思った。そんな岩佐さんは東日本大震災をきっかけに地元宮城県山元町に帰り、「強い雇用をつくる」をモットーにいちご事業に乗り出す。

まあ、略歴や今やられていることなんかは他のサイトに山ほど掲載されているだろうから本noteには記載しない。岩佐さんの考え方と生き様を書き留めておきたいのである。


どのような条件にある地域でもグローバルで勝負できる産業があれば、その地域は必ず再び栄える

「世界で勝負できる産業を持て」ということだが、その発想にたどり着いた背景が面白すぎた。平安時代後期に約100年間栄華を誇った藤原氏だが、そのきっかけとなったのが品種改良をした馬の商売の成功である。馬は当時武士にとって非常に貴重な品であったが、藤原氏はその中でも体格にとんだ馬をつくるため品種改良をした。それがバカみたいに売れて財力を蓄えることで100年間の基盤を作り上げたのだそうな。外貨を稼ぐ力とはそれほど重要なものだということがよくわかるエピソードだった。

10年後の未来をしっかり分析した上で「わからない」というのが肝

変化の時代。10年後の未来は誰にもわからないといわれるが、わからないなりにしっかり分析して予想しようとするかしないかには大きな違いがあるという。いちごを選んだのも、年間市場成長率10%であり拡大傾向にあること(それだけじゃなく徹底した分析)をしっかり把握した上で勝負に出ている。

大手が攻めきれない労働集約型の戦場で戦う

いちごの生産にかかる原価のほぼ50%が人件費である。どういうことかというと、規模の経済が働きにくい労働集約型産業であるということなのだ。大手は大資本を使ってスケールメリットのある商売を選んで攻めてくる。その分いちごはそこにウマミがないため、小規模事業者でも戦うことができるという。

いちごの加工食品をつくるメリットと戦略

いちごをスパークリングワインやビネガーなどの加工食品にすることで、素の状態で出荷できない時期も年間を通して売上をつくることができる。また、常にブランドネームが目に触れるようにすることで、ファンに忘れられないようにしているのだとか。また、加工食品に変えた瞬間に戦場が代わり、大企業との戦いになってしまう。それを避けるために現地に来た人にしか販売しないという戦略をとり、市場競争に巻き込まれるのを防いでいる。

バリューチェーン全体で優位性を確保する

「そんなオープンにしてて、真似されないのですか?」との受講者の質問に対し、岩佐さんはこう答えた。「生いちご、カフェ、加工食品、観光農園、これら全体で構造的に優位性をつくってる。単体で大当たりしていたらすぐに真似されるだろうけど、この構造は簡単にはつくれない。」練りに練った戦略。結果的にそうなったのかもしれないにせよ、この分析力はえげつない。

さて、ここからが今の私の頭を殴った金言シリーズである。

現状打破の考え方5つ

①脱ステップ論

みんな段階を踏みすぎている。地方で成功したら東京に進出。東京で成功したら世界に打って出る、と。そうではなく、世界と繋がれるチャンスがあるならすぐにそこにチャレンジすることが重要。前者のスピードでは現代ビジネスでは勝てない。

②極を取る

ある話題があったとして、反対にも賛成にも属さない、毒にも薬にもならないエリアにいようとする人たちがいる。しかし、あえて極をとって自分の主張をすることで、厳しい意見も食うがそれがフィードバックとなって自身の学びに繋がる。記憶にしっかり定着してくれる。

③マルチパラレルリーダーシップ

都会⇆地方 営利組織⇆非営利組織 効率性⇆創造性 これらのように複数の対極軸を持つことがイノベーションの源泉になる。非連続性をつくることは非常にクリエイティブな思考にしてくれる。

④PDPDPDCA 

ビジネスにおいてPDCAは欠かせないサイクルであるが、現代はとにかくPDを何回転もさせなければ当たりが見えてこないくらい変化の激しい時代なのである。従来のPDCAがライフル一点狙い作戦であるならば、PDPDPDCAは機関銃連射作戦。少しでもかするものをいかに早く見つけるかが超重要。

⑤脱リソース論

大抵の人は、思想と志 → リソース(ヒトモノカネ) → 行動の流れで物事が成立していると考えているが100%そんなことはないと断言する。志を持った次にくるのは行動であり、行動するからヒトモノカネがついてくるのだ。いくら計画を立てても行動が伴わないことに対しては、ヒトとカネも集まってこない。小さくでもまず行動すること!

ビジュアルに書き出す

成し遂げたいことがあったら、ビジュアルに書き出す。そして解像度を高めていく。それができないならその夢は叶わない。明確に達成イメージを描けるか。

0→1をつくるときはハードワークを当たり前に必要とする

「強い雇用をつくる」をモットーにしているだけに、従業員のことを一番に考え、労働環境の整備を徹底している。しかし、0→1をつくる時には集中したエネルギーが必要不可欠なのだ。寝食を忘れるくらい熱中しなければ市場に風穴を開けることができない。


今のうだつの上がらない私にとって、これらの言葉はものすごく響いた。行動することがとにかく大事なのはもちろん、それと同じくらい現状を見る力と未来を予測する力、つまり徹底した分析が大事ということもビジビシと伝わってきた。

最後に、岩佐さんが聴衆に放ったメッセージを書き留めておく。

僕は悩みだらけ。日々葛藤の中で生きています。でも、アクションを起こさないと前に進まない。こうやって話を聞いても実際に行動する人は100人に1人もいません。アクションを本当に起こさないと何も始まらないのです。ビジネスの挑戦で命を取られることはありません。生きてる人にできて死んでいる人にできないことは挑戦することなんです。勇気を出して小さな一歩を踏み出してみてください。「行動こそが価値を生む」。これが僕が一番大事にしている言葉です。

殴り書き失礼つかまつりました。

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半田 守
1990生、京都府出身。6歳からレスリングをはじめ、網野高校卒業後、専修大学へ進学しレスリング大学日本一になる。2018年から岡山県西粟倉村に移住し
自然エネルギーの勉強をスタート。同時にレスリングウエアブランドMAMOを立上げ、現役選手にエールを送り続けている。
MAMO:https://www.mamo-wrestling.com/
twitter:@handamamoru
note:”仕事つくる”をテーマに連載中!

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