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仕事つくる#17 バイオマスボイラの規模の決め方

やあ、私です。
私は今岡山県西粟倉村のバイオマス燃料工場で働いていて、月に4種類、6台のバイオマスボイラ掃除をしています。4種類のうち一つがチップボイラで、こちらは2018年から運転がスタートしているのですが、残念ながら燃料の乾燥が不十分で煙管(ボイラーの火格子で発生した火気を通す管)がタールだらけになってしまっています。ああ、ボイラに申し訳ない。。

チップボイラの煙管掃除 
(※集合体に見える場合があるため注意)

そして、このタールの掃除が大変なんですな。金属棒でゴシゴシこすってもなかなか落ちやしない。そして、頭より高い位置に煙管があるので、やり投げのように金属棒の出し入れを繰り返すのですが、掃除翌日は肩・首回りが猛烈に筋肉痛になります。うまく振り向けません。

食べるもの(燃料)が悪いと、身体の中(ボイラの中)が汚れてしまうって、ほんと生き物と同じですな。


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さて、本日はバイオマスボイラのシステム設計の出発点といえるボイラ規模の決定について、大まかな流れを書いていこうと思う。化石燃料システムよりイニシャルコストが高くつくバイオマスボイラシステムにおいては、ボイラ規模を小さく抑えることがかなり重要なポイントとなってくる。

参考図書は地域ではじめる木質バイオマス(熱利用)だ。私自身の勉強のためにもシコシコ書き進めてゆく。


ボイラ導入施設の熱需要分析

バイオマスボイラ導入に際して、対象が既存施設の場合は、重油や灯油などのすでに導入されている燃料の使用実績を把握するところからスタートする。だいたい1月ごとの燃料消費量を計算している施設が多く、それをもとに1時間ごとの熱需要のシミュレーションを行う。早速で申し訳ないが、参考図書においてもこのシミュレーションの方法は専門性が高いため解説が省略されており、必要な場合は日本木質バイオマスエネルギー協会に紹介してもらうことを勧めている。

さて、このシミュレーションでは、熱負荷のピークが何曜日の何時でどのくらいになるかということを導き出す。この熱負荷のピークは施設の特性によって様々で、オフィスなどの暖房需要施設では、冬場の平日早朝になる。温浴施設などの給湯利用では、休日の夕方など御客様の数が最も多くなる時がそれにあたる。

ピークの日・時、熱需用量が把握できたら、それをいかにしてカバーするかを検討する。ここでバイオマスボイラでは蓄熱タンクの働きが重要になる。


蓄熱タンクの働き

バイオマスボイラのシステムの中心となるのが蓄熱タンクである。木質燃料は化石燃料より発熱量/体積が小さく、また瞬間的に高い発熱を発揮することができない。そのため、蓄熱タンクに熱を蓄積し熱需要機器を接続することで、大きな熱需要に対応できるようにする。

ピークカット!

上記のようにボイラと蓄熱タンクを組み合わせることで、ピーク時の熱負荷よりも小さい規模のボイラで熱需要をまかなえるようになる。これをピークカットと呼ぶのだが、文章でつらつら読むよりグラフで見るのがわかりやすいだろう。そこで、株式会社WBエナジーさんのホームページよりグラフを引用させていただいた。

月別の熱需要と、熱需要が高い順に並び替えたグラフ

1時間ごとの熱需要

これはバイオマス熱供給システムを暖房用で利用するオフィスの、月別の熱需要と、24時間ごとの熱需要のグラフである。

オフィスの暖房では主に朝9時が最も熱を必要とする時間帯になり、そこだけ400kWと突出しているが、これに合わせて400kWのボイラを導入する必要はなくピークカットを行うことで120kW2台の合計240kWで熱需要をまかなうことができる。ピークカットの方法は、まず暖房開始時間を前倒しすること。それから蓄熱タンクを使いはみ出した部分を補うことの2つである。

左 ボイラ室、右 蓄熱タンク

上記の写真は、西粟倉村の温浴施設のバイオマスボイラ室と蓄熱タンクである。(グラフはオフィスの暖房利用を例に取っていてごっちゃになってしまい申し訳ない。)ちなみにこちらの温浴施設でも温泉(冷泉14℃)の昇温を開店3時間前から行い熱負荷をならしている。

一方で日本の化石燃料ボイラは、ボイラからの熱需要先に対して直接熱を供給する方法が主流である。この点がバイオマスボイラシステムと化石燃料ボイラシステムで大きく異なる部分であり、バイオマスボイラシステムでは、ここをしっかり計算してボイラ規模を小さくすることがイニシャルコスト削減の重要ポイントになる。

以上がボイラ規模を決定する大まかな流れになる。しかし、私自身書面で読んでいても感覚が掴めないのが正直なところであり、勉強のためにも実際にバイオマスボイラ導入に立会いたい。

そして、早くボイラ童貞を卒業したいと思う今日この頃である。

本日はこのあたりで、

ではまた。

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半田 守
1990生、京都府出身。6歳からレスリングをはじめ、網野高校卒業後、専修大学へ進学しレスリング大学日本一になる。2018年から岡山県西粟倉村に移住し
自然エネルギーの勉強をスタート。同時にレスリングウエアブランドMAMOを立上げ、現役選手にエールを送り続けている。
MAMO:https://www.mamo-wrestling.com/
twitter:@handamamoru
note:”仕事つくる”をテーマに連載中!

読んでいただきありがとうございました。
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