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学生選手権大阪大学A 振り返り

こんにちは、最近某先輩にも弟子として認められ(?)、師弟関係が複雑になってきたKOです。今回は先日行われた学生選手権の結果報告と自戦解説をしたいと思います。最後までお付き合い頂ければ幸いです。

メンバー紹介

・小路(4):言わずと知れた全国4位、学会前日にも拘わらず気合い十分。
・松村(4):知名度こそ低いが、実力は全国クラス
・木村(4):本大会でも安定して勝ちを量産するか。
・富本(4):10秒将棋が得意、時間の少ない切れ負け将棋に期待がかかる。
・小林(2):橋口さんが急用で来られなくなったため代打で出場。

0回戦 

9時半集合ということで小路先輩木村さんが定刻通りに到着。しかし、10分経っても残りの二人の姿が見えないため電話することに。富本先輩は会場最寄り駅まで来ていたみたいですが、松村先輩は絶起。会場までまだ一時間以上かかるということで1回戦は絶望的に。
0回戦は負けとなりました。応援して頂いた皆様ありがとうございました。()

1回戦 vs日本大学

小路 ○
木村 ○
小林 ○
富本 ○
(松村) ×

メンバーは違っていたものの、昨年負けていた大学のため、一人不戦敗での勝利は絶望的かと思われていました。しかし、結果は4-14戦全勝となり幸先の良いスタートとなりました。

戦型は相穴熊で△55銀▲同銀△57歩成とされた局面。本譜は素直に▲同角としましたが、▲77角手順前後をとがめる手がありました。さすがに、△56とで活用され、そこまで冴えていないかなと思いましたが、▲53歩△同飛▲44馬△55飛▲同角△同とと進んだ局面は飛車を手持ちにし、馬も良いところに効いているため大優勢を築けていました。ここまで、読みを入れるべきでしたね。

本譜                   検討手順

進んで▲86桂と設置し、▲95歩と端攻めを決行した局面。この手が非常にぬるく形勢は互角まで戻ってしまいました。△47龍と馬、角の串刺しにされる手が厳しく、▲82角成△同金上▲45桂△43歩▲11馬となるとこちらから迫る手が難しく、実戦的に不利な局面となってしまいます。代えて、▲45桂とし、串刺しを避けつつ、攻め駒を足す手が良かったようです。本譜は△47飛成とされたため▲55角とし、形勢を損ねず、勝ちきることができました。

2回戦 vs静岡大学

初戦を勝って、緊張感がほぐれてきたところに強豪校。松村先輩も遅れて合流し、対局に臨んだ結果は、
小路 ○
木村 ×
小林 ○
富本 ×
松村 ○
まさかの3-2勝ち。私も一勝して、チームに貢献することができ、大変良かったです。

私の対戦相手はtwitterのフォロワーが阪大将棋部ぐらい多い有名な方。ただただ、良い将棋が指せればいいなという気持ちで対局に向かいました。

駒組みが終わり、△12香と手待ちされた局面。振り飛車からすれば自然な一手ですが、これには▲45桂が成立。仮に、△11香のままであれば、▲45桂△同飛▲32角△12角とされ、互角の将棋ですが、本譜では△12角が消えているため一本取った形となりました。

  実戦詰め将棋(10分でKO越え)       ここでは47手詰めがあったがノーカン

進んで最終盤。幾重にも渡って仕掛けられた罠をかいくぐり、遂に攻めの攻めのターンが回ってきました。当初は、▲64角△同馬▲同桂の予定でしたが、△58歩成▲同玉△46角▲72桂成△同金とした図が詰んでいるか全く分からず(47手詰め)、急遽詰ましにいくことに。幸い持ち時間は18分残っていたためゆっくり考えることができました。

▲83香△同玉▲75桂△74玉(△93玉は▲83金△同銀▲同桂成△同玉▲53飛以下詰み)となり、本譜は▲83角△同銀▲63銀と分かりやすい詰みを狙いましたが

▲63銀△同銀に▲85角というザ・詰め将棋という手がありました。△73玉には▲63角成、△85同歩には▲84金△75玉▲85金でぴったりです。あまりにも詰め将棋過ぎて読んでもいませんでしたが、実戦で指せればさぞ気持ちが良かったのでしょうね。
勝ちきれたこともそうですが、一番最初の図は対局相手の方にも紹介していただけたのが純粋に嬉しかったです。

3回戦 vs東京大学A

昼食を挟んでの3回戦。ここまで順調に勝ち進んだことでまたもや強豪校に激突。昨年末の王座戦では全勝で優勝を果たした東京大学ということで雪辱を果たすチャンスが巡ってきました。
松村 ×
木村 ○
小林 ×
小路 ○
富本 ×
しかし、結果は惜しくも2-3負け。私の将棋はセンスがあれば勝てそうな雰囲気があったため悔しい結果となりました

お相手は王座戦の対立命戦でも一勝を挙げられていた強い方。局面は△45歩~△44銀と厚みを築くことを狙われた所。経験上、▲45同桂は△44銀▲46歩とすることになり、角の働きが悪く、△55歩からの角頭攻めも見えるため選びませんでした。しかし、67金型で手厚いことがこの形の主張。

▲45同桂△44銀▲46歩△55歩▲同歩△同銀▲56歩△44銀▲75歩△同歩▲65歩△84角▲64歩△同金▲78金とした局面は相手の金銀が立ち遅れており、玉頭戦では分がありそうです。相雁木で見るような手順だったこともあり、左辺での手の作り方は勉強になりました。

本譜                 ▲75歩以下の局面

▲65歩と突き捨て、▲35歩と戻した局面。この手でも十分なのですが、▲75歩△同歩▲22歩△同飛▲75角△53歩▲64歩と打った局面は敵玉のコビンに拠点ができ、難しいながらも勝てる将棋だと思います。

本譜は△35同銀▲33歩△同飛▲45桂△34飛▲64歩と6筋を突き捨てた効果が発揮。△同飛なら銀ポロ、△62金なら大きな拠点ができます。実戦は△同金となり、以下▲35角△同飛▲53桂成で+900ぐらいの優勢でした。(正直、ここまで良いとは思っていなかった。)

本譜                   43成桂以下

△37飛成▲55銀と打ったのが大悪手。26の飛車は見捨てる予定だったのですが、△55同金▲同歩△26龍で66の地点に効いてくる上、目標にすべき64の金を捌かせてしまいました。▲64歩からと金を作って勝負かと思いましたが、さすがに駒不足なので正着は▲43成桂。以下、△26龍▲52銀△同金▲同成桂△84角▲61銀のように進めば大優勢でした。この後はごまかしも難しく、そのまま負けとなってしまいました。

4回戦 vs慶應大学

4回戦は相手の大学が4人しかいなかったこともあり、私は不戦勝枠で休ませて頂くことにしました。
木村 ×
松村 ○
小路 ○
富本 ×
小林 ○(不戦勝)
結果は、なんとか3-2勝ち。早指しには定評があった富本先輩は30分60秒とのギャップに苦しみ、時間も局面も完敗だったのが見ていて辛かったです。(ラスト3分の輝きは会場の何者にも負けていなかったです。)小路先輩は大道芸のような将棋を制していて、世界が違うなと思いました。

5回戦 vs京都大学A

3-1で迎えた最終局ここに勝てば上位が見えてくるというところで対戦校はまさかの京大。去年の学生選手権でも最終局が京大だったため、何か決まり事でもあるんですかね。(京大は大会の優勝候補なので、毎度最終局に絶望を味あわせに来るのはやめてください)
小路 ×
松村 ×
木村 ×
小林 ×
富本 ×
結果は、0-5。なんやかんや2-3ぐらいで善戦するかなと思っていたのですが現実は厳しい。特に、今日全勝だった覚醒小路先輩が、相性の良いとされていたN氏に完敗だったということもあり、圧倒的強さにねじ伏せられた形となりました。

私の相手は京大の前主将。いろいろ考えた末に△45桂と指したのが、優勢を互角に戻した悪手。本譜、▲46角△47歩▲同金△57金▲48歩と進行したのですが、▲48歩に代えて強く▲57同角△同桂成▲同金△79角▲58飛と指されていたら受けきられてしまっていたようです。(人間的に怖すぎる)
正着は△45ではなく△46桂でした。一見ぼけているようですが、▲47歩や▲67金の余地があるため攻めが続きます。全く読みにありませんでした。

最終盤で▲55馬と引かれた局面。ここで、△41飛と逃げたのが敗着▲44桂が急所でどうしようも無くなってしまいました。代えて、△35歩と攻め合うしかなかったようです。▲同金でよく分からないなと思っていたのですが、以下△57角▲44馬に△39龍から行くのが好手で、わかりやすく寄りです。すべては飛車厨と▲44馬とされた局面の自玉の安全度が分かっていないことに起因していたものだと思います。(というかなぜ分からない?w)この対局は勝たなければならなかったものだったため情けない限りです。

最終結果

全体順位は3勝2敗で22位となりました。最後の私の対局を勝っていれば順位が数個上になっていたため、貴重な一勝を逃してしまっていたことに後になってやっと気づきました。戦力的に橋口さんの代わりにはなれませんでしたが、それなりに善戦はしていたと思います。自分の序盤の考え方や構想が全国レベルでも通用すると分かったのが何よりの収穫です。(同時に、中終盤力の雑魚さも露呈しましたが)。来年もこの4回生チームで出場するそうなので、また補欠にでも入れていただけたら嬉しいです。
今年の一軍戦の話をすると、何度か留年のお誘いをしたのですが、最強格の小路先輩と木村さんが居なくなってしまうのが非常に残念です。それと同時に、松村先輩と富本先輩の強さや持ち味を再確認することができ自分の中で期待が膨らみました。今年は厳しい戦いとなると思いますが、頑張っていきたいと思います。応援して頂けたら大変励みになりますのでどうぞよろしくお願いします。
長くなりましたが、これにて振り返りとさせて頂きます。最後まで読んで頂きありがとうございました。orz

令和6年3月21日 KO

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