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〈お茶以外の話をしようじゃないか〉民藝って、そういうことだったのか

最近、耳にすることが多くなったものの、これまで全く縁のなかった「民藝」の世界。

最近「民藝品」に触れる機会が何回かあり、こんなに身近なものなのか、と再発見しました。

以下では、上記の展示内での説明文から3つのキーワードを引用し、私なりの解釈を皆さんと共有します。

日々の生活を少し豊かにする「民藝」を楽しむ、そのきっかけになれば幸いです。

〈キーワード①:「民藝品=民衆的工藝品」〉

「民藝」とは  ~中略~ 一般の民衆が使う日常の生活道具の中に、「美術」とは異なる手仕事の美しさを発見し、それを通して生活や社会を豊かなものに作り変えていこうとすること
「民藝の100年」展示コメントより一部抜粋

まずは展示会への本音の感想から。

会場入口で「民藝」を上記のように定義する一方、実際の展示物の多くから、現代に生活する私はその日常性を感じませんでした。

また、「民藝品は美術と異なる」、つまり眺めるためだけに作られたものではない、としながらも、生活道具とは呼べない作品も印象に残っています。

たとえばこれです(作品の良し悪しではありません)。

木喰五行 《地蔵菩薩像》 1801年 日本民藝館

では一体、この展示会の何に共感したか(皆さんへご紹介するぐらいなので)。

それは、作品そのものではなく「日常の生活道具のなかに豊かさを見出そう」とするコンセプトです。


私はこれといった趣味がない人間で「利便性・リーズナブル・コスパ」を優先する「実用派」です。
少なくとも「アート派」でありません。
ただ正直にいえば「アート派」に憧れる「実用派」です。

だからなのか、展示物そのものよりは、その背景にある「実用派でOK!それで日常生活を豊かに楽しもう!」という考え方に共感しました。

〈キーワード②:「旅」〉

民藝品運動を推進する力は「旅」にあった
「民藝の100年」展示コメントより一部抜粋

実用派と言いながら、私は旅先で衝動的な買い物をします。
その行為を「民藝」の世界は肯定してくれます。

「モノを買う」のではなく「旅先でモノと出会う」。そのモノを日々の生活で長く使う。

たしかに「出先」で見つけたモノには、愛着を覚える気がします。

我が家にあるものを振り返ってみると、

我が家の一味と七味入れ
5年ほど前に嬉野で|各1,000円


更に自分で作ってしまうのもよし。

自分で作る楽しさ@曽祖父が興した長崎・雲仙焼
体験1回 3,000円(作った湯呑は後日受け取り)
これで飲む「いいちこ」「キンミヤ」の味は
まさにプライスレス!
※お茶屋なので、もちろんお茶も
こちらのお方も雲仙焼の体験へ
https://www.instagram.com/p/BlhdB0xBuc3/?hl=ja
ひいじいちゃん、やるね!

都内の体験教室も。
※友人お薦めの場所です

逸れた話が止まらないので、一旦ここまで。


いずれにしても「民藝品」を楽しむヒントは、「出先で不意に惹かれるモノを探す」「初心者体験で良いから自分の手で作ってみる」といった身近な一歩にあるのでは、と思います。

〈キーワード③:「用の美」〉

いわゆる美術品や、鑑賞のための工藝品にはない、使われることを前提にした健康的な美
http://www.mingei-okumura.com/fs/mingei/c/kotohajime

「利便性・リーズナブル・コスパ」を大切にする実用派には、ここもポイントです。

「美しさ」という言葉は、なんとなく近寄りがたい。
が、そうではなくて、モノは使うもの。そして長く使いこめば、それがより美しくなる。
実用派の自分もアート派から認めてもらった気持ちになれます。

こんなお店も見かけます。

ロングライフデザインを考え、伝えます
「ロングライフデザイン」とは、形状や意匠のことだけではありません。物の作られ方、売られ方など、デザインを取り巻く環境が揃ってこそ、長く作られ、使われ続ける物が生まれると考えています。

〈勝手なキーワード:「価格」〉

最後のキーワードです。

これは「民藝の100年」で語られない要素ですが、心おきなく「民藝」を楽しむためには、やはり「価格」は大切です(少なくとも私にとって)。

「安かろう、悪かろう」は避けるべきですが、それでも「なんかちょっと高いな」という感覚は大事にしたい。

というのは、身の丈にあったモノだからこそ、「愛着」や「親しみ」が自然と生まれ、それが心地よい理由になるのでは、と思うからです。
※なので、人それぞれでその「価格」基準は異なります

ここは展示内の説明文にない私見ですので、早めに切り上げます。

〈最後に〉

・これからのお買物やご旅行の際に「民藝」の世界のお話が参考になれば幸いです
・皆さんにも私自身にも、日々の生活を少し豊かにしてくれるモノとの出会いがあると良いな、と思います

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・最後に、、皆様からご支持いただく当店唯一の民藝品です

・〈新茶道〉家元の繁田百鑒斎(ひゃっかんさい)から現代に引き継がれた「日常生活で美味しいお茶を楽しむため」のセットです

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