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都内にわずか2軒!レンガ造りの石窯が香ばしさと甘さを引き出す「砂釜焙煎 麦茶」

子供の頃から、我が家の冷蔵庫には、夏でも冬でも麦茶が常備されています。

そして、子供ながらに「うちの麦茶って“何か”が違うなぁ」と感じていました。

今回は、その“何か”の正体について、皆さまへお伝えします。

〈作り手について〉

東京繁田園の麦茶は、川原製粉所さんに、当店オリジナルの「やや深煎り焙煎」にて焙煎いただいています。

川原製粉所は1940年創業。練馬区の一角で、昔ながらの製造方法にこだわって、麦茶の焙煎を続けています。

引き継がれる技術
左:川原義明氏(二代目)
右:川原渉氏(三代目)

昔ながらのレンガ造りの石窯を使って麦茶を「砂窯焙煎」しているところは、東京近郊では、1軒か2軒ぐらいしかないと思います。

なぜ、砂釜焙煎製法で麦茶をつくっているところがこんなにも少ないのかと言えば、熟練の職人技が必要、かつ、大量生産ができないから。

今回、三代目渉氏のお話を伺いながら、工場でのお仕事を拝見させていただきましたが、たしかにすべての工程が、先代から引き継がれた職人技でできています。

焙煎時、常に細かな火加減調整が必要です

一言で言えば、属人的で非効率。これでは、伝統的な製法が廃れてしまうのも仕方がないかな、とも思います。

それでも、

味覚は人それぞれです。
とは言っても、やっぱり自分たちのつくる麦茶は美味しいな、と思います。

川原製粉所が守り続けてきた伝統モノづくりに対する真摯な姿勢こそが、「何か違う」の“何か”の正体だったようです。

小さな商店の我々にはできることは少ないですが、一人でも多くのお客様に「川原製粉所の麦茶」の素晴らしさをお伝えしたい。

ということで、しばしお付き合いいただけますと幸いです。

〈モノづくりについて〉

美味しいピザと原理は同じです。
石窯で焼いたピザは美味しいですよね。
表面はカリっと、それでいて、素材の水分は必要以上に蒸発させない。
だけど、目を離せないんです。それもピザと同じです。

川原製粉所が創業以来、守り続けてきた「砂窯焙煎」
昔ながらのレンガ造りの石窯を使い、窯の内部には、素材に熱を均一に行き渡らせるための「砂」を投入します。

これは「石焼き芋」のつくり方に似た焙煎方法です。
窯にいれた砂の遠赤外線効果により、麦の表面だけでなく、その芯にまでじっくりと熱を加えます。

大事なポイントは、熱せられた砂はレンガ内部の庫内も温めるという点。
砂そのものと庫内温度の上昇による二重の遠赤外線効果によって、素材の表面をしっかりと焼き上げながら、水分の不要な蒸発を防ぎつつ、素材の内部にまで熱を通します。

釜内の温度は600℃に
職人の技術が求められます
渉氏に石窯内部の構造を説明いただく

砂窯焙煎された麦は、一般的な麦茶の麦と比較してみると一目瞭然です。
というのは、砂窯焙煎された麦は爆(は)ぜるからです。
※「爆ぜる」=内部が膨れて表皮が破れる現象

左:大手メーカーによる熱風式焙煎の麦茶
右:川原製粉所による砂窯焙煎の麦茶

ふっくらと膨らんだ麦のうち、深煎りの麦からは香りを、やや浅煎りの麦からは甘味を引き出す。
麦本来に備わる力を最大限に活かすために、意図的に焙煎のバラつきを作っています。

麦茶の本質は香り。風(熱風式)によって、香りを飛ばすことは避けたい。
麦の焙煎香と甘味を、自分たちの技術によって同時に引き出したい。
麦本来の香りと美味しさを、できるだけ閉じ込めた麦茶を味わってほしい。

本商品に込められた作り手の想いを、1杯の麦茶から感じていただけますと幸いです。

〈プロダクトについて〉

川原製粉所の麦茶の特徴は、芳しい香りながら、その味わいは決して濃すぎることはなく、優しい甘味をその後味に残します。

当店では、通常商品よりも焙煎度合いを強くしていただいており、煎りたてのコーヒー豆のような焙煎香がはっきりと感じられながらも、えぐ味や苦味はなく、麦の持つ甘味が口の中に広がります。

それから麦茶のもうひとつの大切なポイント。
それはノンカフェインであること。

小さなお子様から妊娠中・授乳中の方、ご年配の方まで、どなたにも安心してお飲みいただけます。

最近では若い方でも睡眠の質にこだわる方が多く、ご夕食後の一杯にもおすすめです。コーヒーや緑茶と異なり、「利尿作用がない」という研究結果もあります。

夏でも冬でも、熱湯でも水出しでも。
国民飲料の「麦茶」には、それ相応の便利さがあります。

〈販売ページのご案内〉

大きめのティーバッグタイプの商品です。12個入りはこちら。
(配送料金の方が高くなってしまうため、他商品と一緒にお買い上げいただくのがおすすめです)

「箱買い(100個入り)」はこちら

〈淹れ方&楽しみ方〉

麦茶と言えば夏のお茶。冷たいお茶として飲むイメージがあるかもしれませんが、熱湯で淹れていただくことで、麦の持つ香ばしさと甘味をしっかりと楽しむことができます

「麦茶は水出し派」というお客様も、ぜひ一度はホットにて試しください。

ティーバッグを急須にポン!でOKです

〈淹れ方①〉温かい麦茶を淹れる場合
  茶葉の量:ティーバッグ1個
  湯量:200ml
  湯温:100℃(熱湯)
  抽出時間:2-3分

5-6煎お楽しみいただけます。2煎目は、お湯を注いだらすぐに湯呑みに注いでください。

〈淹れ方②〉冷たい麦茶をつくる場合
  茶葉の量:ティーバッグ1個
  湯量:1-1.5L
  湯温:常温
  抽出時間:冷蔵庫で2-3時間程度

少量の熱湯で1-2分蒸らしてから水出しにしていただくことで、一層香りが引き立ちます。

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皆様の日常の「一服」のお役に立てるよう、作り手の方の想いやおすすめの淹れ方をお伝えしてまいります。

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