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シャレード(セルフライナーノーツ)

8thシングル「シャレード」をリリースしてから、2週間以上経過しましたが、本当にたくさんの方から反響をいただきました。

まずは、この場を借りて心からお礼申し上げます。本当にありがとうございます。

毎回それぞれの作品に想いを込めて作っているため、今回特別に力を入れたというわけではありません。

今回は特に「歌詞」の部分について共感いただいたというお声が多く、正直とても驚いています 笑

ただ、自分なりに振り返ってみると、今回、曲調もHANCEとしては今までありそうでなかった、王道のR&B曲。そして、これまたありそうで無かった、男性の気持ちをストレートに表現したラヴソング。

思い当たる節があるとしたら、いつもと違ったのはこのあたりでしょうか。

もちろん、これまでも「大切な人を想う」というテーマとして、曲を書いてきましたが、主人公は男性なのか女性なのか。恋愛なのか友情なのか、家族愛なのか。

曲の中に、「余白」があった方が、聞き易いのではないか?という事で、これまで割と曖昧に表現してきた部分は自覚しています。

また、HANCEの曲は不可逆的な「喪失感」をテーマとする事が自然と多く、今回の曲は明確な意思を相手に伝えるという意味において、これまで表現してきた曲とは一線を画したものだったかもしれません。

「過去」ではなく、「今」そして「未来」を描く。

更にそこに「意思」が乗っかり、未来を「切り開ける」可能性が生まれた。

ラブソングというフォーマットの中では、表現として汎用性が低いわけではありませんが、振り返ってみるとHANCEとしては割と特異なアプローチかつ、チャレンジングでした。

一方、音楽的な部分で今回の曲を振り返ると、アレンジにおいては、アレンジャーの石垣さん節が炸裂していて、結構バキバキと攻撃的なサウンドを楽しんでいただけると思います 笑

テーマが「ラヴソング」なので、もっとメロウで甘いサウンドを構築しても良さそうなところですが、むしろ、このサウンドがあったおかげで、全体の印象が中和され、グッと引き締まったように思います。

また、前作「left」とは違い、ボーカルのアプローチもフィジカルで男性的な質感が強かったため、アンニュイで対照的な女性コーラスを多様しました。

意図として、男女の絡み合う心情を音として表現したかった部分はもちろんありますが、全体のトーンとして、まろやかで聴きやすいものになったのではないでしょうか。(これは「バレンシアの空」などでも使っている手法ですね)

HANCEにとっては、新しい形の「シネマティック・ミュージック」

「シネマティックの女王」というに相応しいオードリ・ヘップバーン主演映画「シャレード」

畏れ多くもそこから拝借させていただいた今作ですが、それぞれのイマジネーションの中で、「シャレード」の世界観に浸っていただけたら幸いです。 HANCE


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