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3ヶ月で絵が上達するやつをやってみた

※この記事は複数ジャンルの二次創作イラストをじゃんじゃか載せます。

3ヶ月上達法にチャレンジし始めて、どうにか3ヶ月乗り切ったので、備忘録としてやったことなどを残しておきます。3ヶ月上達法やってみたいけど本当にうまくなるのかな…とかちゃんと取り組めるかな…とか心配している方の参考になれば幸いです。

さて、知らない方のために書いておくと、3ヶ月上達法とは、イラストレーターのさいとうなおき先生がその名の通り3ヶ月で絵が上達する方法としてYouTubeの動画内で紹介しているものです。簡単に言うと

①お手本にする絵師さんを一人だけ決める(効果を高めるためにできるだけ一人に絞る)
②その絵師さんの新作を作る!という気持ちで絵師さんの絵柄にできる限り近づけてイラストを描く(トレス模写じゃなくあくまで自力で描く)
③完成したイラストをよくよく観察して、改善したいところを1つ決める
④改善したいところを意識しつつ②に戻る、そして②〜④を繰り返す

というものです。先生の動画はこちら。


私のざっくりとしたプロフィール

・立派なアラサー
・一応美大卒だけど、ちゃんとした絵(デッサンとか)が描けないまま入学し絵が描けないまま卒業した(推薦で小論文とディスカッションで入学)
・子供の頃からお絵描きはよくしていたが、大学卒業後は絵を一切描かなくなっていた。自粛期間に色々とやりたかったことを思い出して、「この際だから絵上達したいな」と思い勉強を始めた
・PCはMacbook Air、液タブはXP-PEN Artist12、使用ソフトはクリスタとフォトショ
・絵柄と塗りがよく行方不明になるのが悩み
・色センスがない
・筋肉むちむちのロン毛の強くてちょっと悪い男が好きです

3ヶ月の間の経過

人により色々やり方はあると思いますが、私は絵を仕上げるごとにレポートみたいに反省等を書き出してまとめるようにしていました。積み重ねてきたな〜!という感じが目に見えて楽しいだろうなと思ったので……!その反省も絵と一緒に載せていきますが、見づらかったらすみません……

それでは早速見ていきましょう!はい!

1ヶ月目:地獄

三ヶ月上達法-01

いきなり地獄です。今まで手癖で無難~な構図で無難~な色を塗ってきていて、この上達法では完全にいつもと違うことをやろうとするので、一旦めちゃくちゃ下手になりました。いや言うまでもなく元々うまいと思ってないから勉強してるんですが……脱落する人がいるとしたらきっとここかなと思います。「やってみたけど前の方が上手くね?」というやつです。もう既に黒歴史と化しているのですがこの時点ではこれが限界と思って描いてんだよ(急にキレる)一巡目を描いてから色々人体の勉強をして、二巡目でよ〜しこれでどや!と描いてみたらまだまだ全然だめでした。

反省点がありすぎて一つに絞れなかったのですが、「立体感がない」「色選びがわからない」「体のバランスがおかしい」「動きが硬い」「顔がかわいくない」「お手本の塗り方が一ミリも理解できてない」みたいな状態で最初の1か月を終えました。

2ヶ月目:模写すごい

もう1か月も経っちゃったし本当にあと2か月で上達するのか超絶不安だけど、とにかくもう色々勉強して吸収してアウトプットするしかない!!と思っていたところ、さいとう先生が新しい動画をアップしておりました。それがこちら、模写のやり方です。

模写というと、「絵がうまくなるにはどうしたらいいですか?」「つべこべ言わずに模写をやれ」「いや模写なんて意味がない」みたいなやり取りをYahoo!知恵袋で死ぬほど見かけるイメージだったので、私自身模写ってどうなんだろなあ…ぐらいに思ってました。ただもう1ヶ月目でたすけて!さいとうせんせい!という気持ちだったので藁にも縋る思いで動画を見たら、もう「よしやんぞ、いますぐやんぞ」となりました(思い立ったら即行動)

やり方を簡単にまとめると、①パーツとパーツの距離を意識しながら線画を描く②色をスポイトで取らずに自分で考えて選んで塗ってみる③完成したらお手本の方に三分割法や黄金比定規を置いて構図を見てみつつ反省、という感じの流れなんですが(うろ覚えで間違ってるとこあったらすみません)、……実際やってみたら、1ヶ月目の苦しみは一体何だったんだ?と思うくらい、なんというか……やってるうちにお手本に対する解像度が上がっていく感じがしました……模写というと3Dデッサンポーズとか見ながら人物だけ描くようなイメージがあったので、線画から塗りそして構図までまるごと描きながら理解していくのがすごい楽しかったです!自分のPCの画面に自分の手で神絵の秘密を暴きながら複製していく感じがなんともいえないワクワク感…!(そして後で見返してものすごく精度の低い複製品だったなと反省する)

あと、元々色のセンスがなさすぎて苦手意識しかなかったんですが(大学で色彩学とってたけど挫折したレベル)、模写中に自分の色選びがうまくいかない理由がなんとなくわかった気がしました。っていう漫画を描きました。

模写漫画

びっくりするほど肌色だと思った部分が紫とかくすんだ赤だったりしたのでもうこれ以降「肌を肌色で塗りたくねえ〜〜」と思いました……(これ以降描いてる絵は全部肌を紫とかにしてます)さようなら肌色……いや今肌色っていうと差別になるからさようならうすだいだい色……

そんで最初の模写直後に描いた絵がこれです。

三ヶ月上達法-03のコピー

線画というか人体が頼りなさすぎて恥ずかしいんですが、とにかく塗りが変わったのはおわかりいただけただろうか……

お手本の厚塗りがすんごく独特で、筆跡がめちゃくちゃ残ってるけどなぜか汚くならずまとまっている…みたいな感じで、最初本当に意味不明でどの筆使ったらいいのかもわからなかったんですが、模写をやっていくうちになんとなくこの筆とペンで近い感じに塗れるかも…!?という発見があったのがうれしかったです。

三ヶ月上達法-03

その後の4巡目。同じ作品とキャラばっかり描いてるのもあれだなと思って描いたやつ。今までで一番こう……ラフをすごい直しまくって自分が頭の中に思い描いたイメージに近づけていけている感覚がありました。目が痛い色になったのはちょっとあれだし反省点もあるけど、割とお気に入リンボ。

3か月目:結局基礎

塗りがちょっとだけできるようになったら、線画の頼りなさが目立ってきました。あとずっと何かがおかしいけど何がおかしいのかわからない……と思っていた部分が何かわかりました。胴体から肩、肩から腕にかけての繋がりが不自然!デッサン人形みたいになんかこう……分離してる感じがするんだな……とやっと気づきました。途中で三日間練習法もやってみたり、pinterestとかpixivで体の描き方のコツまとめとか漁りまくって参考に描いたりしてたんですが、それでも足りなかったですね……

そこでもっと人体をいい感じにするべく登場させたのがこちらの本。「キム・ラッキの人体ドローイング」です。

絵描きの方の間だと「ソッカの美術解剖学ノート」と「キムラッキ」の2冊が有名なようですが、本屋で立ち読みした感じ、ソッカは雑学的な内容が多そうで、キムラッキはすぐに絵に生かすための知識が多そうな感じだな~と思ったのでこの時点ではとりあえずキムラッキにしました。(ここは人により好みが分かれそう)(まあ結局ソッカも買ったんだけど)

そして実際やってみて、すごい充実した内容でなるほどなるほど~と思いつつ一通り読みながら描いてを繰り返していたのですが……ですが………飽きました……「人体を図形化して描こう」というパートを繰り返してもなんか全然うまく描けてる気がしないし……

で、結局気づいたのは、最初から図形を描いていくと固くなるので、適当にざ~っとラフ描いてから図形を当てはめて整える感じがいいかもな~ということなんですが……これ……普通にさいとう先生も動画で言ってたわ……なんの動画だっけ……線画の描き方だっけ……

そういうわけで、人体も勉強しつつ、わかんなくなったら模写をやりつつで3ヶ月目を過ごすことにしました。

三ヶ月上達法-04のコピー

これは「不滅のあなたへ」が良すぎてとにかく描きたい!!と意気込んだけどキムラッキだけやってたら完全に塗り方を忘れた絵です。ちょっとでも気を抜くと本当また下手くそに戻るので油断ならない…

三ヶ月上達法-04

それから模写を挟んで塗りをちょっと思い出し、1年前に描いた絵をセルフリメイクしてみたものです。ここまで色々勉強してきてちゃんと上達してるか不安だったんですが、ちゃんと……ちゃんとうまくなってるじゃん……!!!😭と感動してテンションが上がりすぎました……

三ヶ月上達法4-04

これは1ヶ月目の地獄で生み出してしまった絵のリメイク。最初に戻って見に行っていただいてもいいけど見ていただきたくない気持ちもある。二ヶ月前の自分の頭ん中どうなってたん?という……ちなみに背景は二ヶ月前の絵からそのまま引っ張ってきて調整しただけです。しかしもうセルフリメイク楽しすぎますね……だんだん上達法ってことを忘れてきてる感じがするんですが……もう三ヶ月頑張ってきたご褒美ってことで許してほしい()

三ヶ月上達法ラスト-04

三ヶ月の最後の一枚です!一番最初に描いたやつを絶対最後に描いてやろうと思ってた…!しかし最後の最後にちょっと「うまく描こう」っていう意識が出てきてしまったせいか一番悩んだし何度も塗り直しました。この推しは元々マスクで顔の表情も出しにくいし、大事な時しか目を開けないので違和感が出やすいし、ファーとマントで首肩周りが隠れるのが逆に難しいしで、実はすごい描きにくいキャラだったんだな……と改めて思いました。まあそういうところが好きなんだが(急にノロけるな)

氷月リメイク反省

比較してみました。今回のやつが結構反省点が多くてというかこういうのが描きたかったんだ!というところになかなか近づけることができず悔しさがあるんですが、左のを描いてた時はもう「うまく描けないということしかわからない…何をどうしたらいいかわかんない……もうだめだ……」と思って本当は背景も描くつもりだったのに途中で諦めてしまって背景白になってるということを覚えてるので、今「正解がわからないけどとにかく背景まで描いて完成までこぎ着けた」ということだけでも成長してるんじゃないか…?と思うことにします!!!あと筋肉をむちむちに描けるようになりたいというのが目標でもあったのでちょっとむちむちにできてるのはいい。これからもむちむちしていこう。

3ヶ月の間に読んだ本

三ヶ月で結構色々本を読みましたが、せっかくなので自分が勉強になった本を厳選して載せてみようかなと思います。

①キムラッキの人体ドローイング

キムラッキ練習

上のが実際練習で描いてたものです。最初から図形化するのは微妙と言いましたが、箱型で描く練習をしてたら、「あ、箱型だと正面と側面と背面を分けて描く必要があるからその辺の意識は大事だな…」とか思いました。(何を偉そうに)本自体に関してはすごいわかりやすい。とにかくわかりやすい……あと個人的に絵が好み。(絵柄が好みじゃないとやる気出ないじゃないっすか)筋肉描きたい人にはもってこいな内容です。

②ソッカの美術解剖学ノート

めちゃくちゃ分厚いし高いけど、これ一冊で人体についてたっぷり学べるので他の美術解剖学の本何冊も買う必要がなくなると思うと安い。

③加々美高浩が全力で教える「手」の描き方

自分の手を参考にすると薄っぺらくて立体感がなかったので、これを読んだらちょっと厚みのある手が描けるようになった気がする。

④基礎から実践まで全網羅 背景の描き方

著者の高原さとさんはYouTubeもすごいわかりやすくて、背景だけじゃなく絵の描き方全般で役に立つ考え方が多いです。この本の特典でメイキング動画がダウンロードできるんですが、まさかのノーカット数時間×作品数なのでやばい……あと語り口調?がすごいやわらかいのでメンタルが弱い人にもおすすめできる。笑

⑤ポーズの定理

BOOTH限定電子販売の本。美術解剖学を勉強して人体の仕組みはわかったけど、結局どうやって体が動くのかがいまいちわかんなくてなんか変なポージングになっちゃうな~という時に最適です。800ページあって読むのが大変だけどポーズについての独自の考え方がものすごい目から鱗。

読むなら順番的に②①③⑤④がおすすめかもしれない。リアル寄りの絵じゃなくて俺は萌え絵が描きてえんだよという人にはダテナオトさんの「ダテ式おえかき塾 90日間で変わる画力向上講座」とか「イラスト解体新書」がいいと思います。丁寧でわかりやすいです。(私はちょっとリアル寄りなのが好きなので物足りなかった)

他にも紹介したい本があるにはあるんですが、また別の機会に……ちなみに今更ですが平日は仕事してるので寝る前とか電車通勤中に本を読んで、寝る前のちょっとした時間とか土日に実践で描いてみるみたいなスケジュールで進めました。(まるで受験生のような勉強法だな……)

三か月上達法やってみたまとめ

以上が私なりの上達法の取り組み方でした。実際にやってみた結果、個人的には、

・個性を殺しまくるつもりでやってもお手本そっくりにはならなかったけど、上達はしている(というか途中から似せることをちょっと諦めている)

・三ヶ月上達法に限らず、模写⇔自力絵の繰り返しでやるのが一番効率が良さそう(+足りない部分の勉強)

・自分に何ができていないのかを見極めて、できてない部分の解消のための思考と工夫を身につける訓練みたいな感じだったかも

・「3ヶ月上達法は劇薬、めっちゃつらい方法」ということだったけど、1ヶ月目以降は楽しかったです(多分自分で自分を否定するのに慣れているせい……)

………という感想です。

なんかすごい偉そうな感じになってしまっていないか心配なんですが……2ヶ月で描いた絵が黒歴史になるぐらいだからこの記事もしばらく経って読み返したら目も当てられない感じになってたらどうしよう。でもこれが今の自分の精一杯です!!!!!この記事が、絵がうまくなりたいと頑張っている方々にとって少しでも参考になればうれしいです。💪ここまで長々と読んでいただきありがとうございました!


今後の目標とか(余談)

3ヶ月上達法終わった!これで私も神絵師だ!と言えればよかったんですが、そんなことはありません………ということで目標を設定し直そうかなと考えてみました。

・3ヶ月上達法第2ラウンド開幕

元々今回の上達法を始めるときは別の絵師さんをお手本にしようとしていたのですが、一枚目を描き終わる前に速攻で挫折して今回の絵師さんに目標変更したので、やっぱりリベンジしたいな~という気持ちになりました。めちゃくちゃ繊細で細かくて透明感あるけどちょっとダークでお耽美な絵柄の方なので、今回の方とは正反対ですが、二つをうまく組み合わせることができたら自分の絵柄になるかなあ~楽しみですね!

・漫画の模写

欲張りなもので漫画もうまくなりたいと思っているのですが、さいとう先生式模写をやったときに「これ、漫画でも同じようにやったらめっちゃ理解度上がるのでは…!?」と思ったのでやりたいです。そういえば昔から「漫画を丸ごと一冊模写して上手くなりました」みたいな人いますよね……?漫画もずっと自己流で描いていてどう描いたらいいかわからない部分がありすぎるので解消したい!

・副業でイラスト描けるようになりたい

今年に入って絵を描くのを再開したときは、本当にただただ絵うまくなりてえ!と思っていただけだったんですが、だんだんと「絵がうまくなったらどうしようかな」という考えにシフトして、本業とまでいかなくとも仕事にしてみるのもありかなあ…と思い始めました。今のレベルだと仕事にするにはまだまだ……というか二次創作しか描いてないのでオリジナルも描けるようにならないとな~と思います……がんばって~がんばって~いこ~

目標といえば小さいことから大きいことまでいくらでも思いつくんですが(背景描けるようになりたい、もっと想像力を身につけたい、デフォルメも描けるようになりたい、もっと人に見てもらえるようになりたい、とか……)とりあえずこの辺にしておきます。上達法第2ラウンドが終わったらまたnoteにまとめようと思います!あばよ!


11/8追記:その後の三ヶ月無事終わりましたという続編です


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