移住と定住と。
移住まで
同じ東北出身の妻と東京都内で知り合い、勤めていた保育園の先輩から、
「子育ては自然の中でするものだ」
という助言もあり、結婚そして第一子の妊娠を機に退職して故郷へ。
だけど、帰郷はしたものの、故郷も都市郊外の一角にあり、しかも踏切がすぐそばにあったり、道路が狭かったりと、理想の子育て環境とは言い難かった。
さらに、入学予定の小学校に大規模マンションが次々と建設され始め、生まれてくる子どもが入学する頃にはマンモス校となるらしい-という話を聞きつけ、この頃から真剣に移住を考え始めた。
どこに住もう?
近所の書店に行けば「里山暮らしの本」とか、そういった関連書類があったのだけど、自分が住みたい地域の情報が網羅されている書物が意外となくて、夜な夜な妻と話し合った。
父親が沿岸部出身ということもあり、私も海が見える地域に住みたかったのだが-二秒で話し合いは終わり-山が見えるところを探すことになった。
当時まだ「地方創生」という取り組みが始まっておらず、今では当たり前のように広がっている自治体の支援策もほとんどなかったように思う。
なので、住みたい地域を選んでは訪ね歩くしかなかった。
たまたま平日の代休が取れたある日、妻を誘ってある町役場を訪ねた。
だけど、誰に相談したら良いんだろう?
今も昔も、初めて訪れる役場の雰囲気がニガテだ。
でも思い切って窓口にいる方に声をかけてみた。
「あのう。。。」
「はい?何か御用でしょうか?」
「は、はい、実はこの町に住みたいのですが。。。」
とやっと切り出した私に、職員の方は怪訝そうな表情を浮かべながらも転入届を提出する窓口を教えてくれたのだった・・・
住む場所も、仕事もどうするかも決めていない私の移住への道は、こうして幕をあけたのです。
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