煩悩(9)心を許せる異性に出会えない

母親、大学で所属していたサークルの同性の友人(片手で数えられる)、ほっけ(でかいぬいぐるみ)……私が完全に心を開ききっている人たちです。最後に至ってはヒトでもありません。

5年目の彼氏も、この列に名を連ねていたことがありました。実の父親にさえ、やや気をつかっている私にとって心を許した異性は初めてでした。

私の対人スタンスの基本として「嫌われたくない」という思いがあります。いい子、いい友人、いい娘、いい生徒、いい後輩・先輩であろうと努力します。そのおかげか、人から嫌悪感を顕にされた記憶はあまりありません。(前回ご紹介した「この世でたった一人の生理的に無理な友人」には恐ろしいほどの嫌悪感を示されました)

そのせいと言うべきかおかげと言うべきか、私は「狭く・深く」の友人関係を好むようになりました。心の底のドロドロした感情や、馬鹿げた思想は数人の友人に吐露できればそれでよいと思っていました。

かつて5年目の彼氏には、そんな感情を見せすぎていたのかもしれません。彼がすごく優しく、聴いてくれる男性と気づいて調子に乗りすぎてしまったのかもしれません。

しかし人間わがままなもので、自分が開示している分だけ相手にも腹を割って話してほしい「欲」が出てきます。そう伝えたあとも彼は「何か奥底にしまい込んだ」状態で私と付き合い続け、大喧嘩をし、別れ話をくり返して、それ以来会っていません。

よく恋愛コラムに「すべてをさらけ出し合える人がオススメ!」とありますが、まずそんな男性に巡り合うことが奇跡です。そして、そんな男性に出会えたところで、自分の汚い欲と向き合わなければならないのです。

つらい。すべての道が行き止まりに思えてきました。

私に必要なのは「嫌われる勇気」かもしれません。アドラーに怒られてしまいそうですが、人に心を開いてもらうにはまず、自分の弱い部分や汚い部分をある程度、開示する必要があるのでしょう。

余談ですが、Back Numberを聴いて泣けるようになりました。以上です。

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