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三分割構図とか対角線構図とか、構図のお話

写真を一生懸命に撮り出すと構図のことが気になってくる人が多いようです。
三分割構図、対角線構図、日の丸構図、放射線構図、S字構図、黄金分割などなど。
写真の構図を学ぼうとするとさまざまな構図があることに気がつきます。
では、こういう構図のセオリーに当てはめて写真を撮るべきなのでしょうか。

私の答えはNoです。
そもそもプロカメラマンやプロの写真家という人たちが、本当にこんな構図のことを考えて撮ってるでしょうか。
おそらく考えていません。
では、このような構図のセオリーが生まれたのでしょう。
想像ですが、写真を教えるどこかの先生が、被写体の置き場所を分かりやすく説明するために、おおざっぱにジャンル別けしたのではないかと思います。
説明のために編み出したセオリーというところでしょう。

確かに、実際にプロが撮った写真で目を引く写真は、このような構図のセオリーに当てはまるものが多いかもしれません。
でも、それは構図のセオリーに当てはめて撮ったからではないのです。
撮影者がファインダーを覗きながら、「これくらいの位置に主要被写体を配置した方が写真として良いな、写真としてまとまるな」と感じて、その構図にしたはずです。「ここは三分割構図にしよう」とか「対角線構図を意識してフレーミングしよう」などと考えながら撮ることはまずないと思います。
少なくとも私はそんな構図のセオリーを頭に思い浮かべながらフレーミングをすることはありません。
「もうちょっとこっち側を削った方がいいかな?」とか「この位置に被写体を置いた方が空間が広く感じて良いな」とか思ってフレーミングしています。

結果的に、そのフレーミングで撮った写真を後から構図のセオリーに照らし合わせてみると、三分割構図か4分割構図かまたは黄金分割構図になっているかもしれません。
そもそも三分割、四分割、黄金分割、二分割とかって、並べていけば、そのどれかには当てはまりそうなものですけどね(笑)

これは何分割構図?それとも日の丸構図?
答え:私が心地よく感じた構図です

お伝えしたいことは何かといえば、構図のセオリーありきで写真を撮るのではなく、被写体とその他の背景などとのバランスがもっとも良くなるようにフレーミングをするのが良いということです。
そのためには、構図を作るための感性を磨くことが一番大切ということなのです。
主要被写体とその他の背景をどういう風に写真にまとめるか、ということが構図という考え方です。
このシーンは三分割構図が良いとか、このシーンは日の丸構図が良い、とかではなく、あなたの前にある情景のどこをどういう風に切り撮るかが大切なのです。

もちろん、概念的に構図のセオリーを知っておくのは良いかもしれません。
でも、それに引っ張られすぎて、自分のフレーミングに対する感性を鈍らせないようにしてください。

感性を磨きましょう。
それがあなたの構図のセオリーになるはずですから。
そこにあなたらしさと、あなたのオリジナリティが生まれるはずです。

塙真一

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