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私にとって行事とは

ある日の戸外遊び中。公園に生えていたクローバーを見つけた1歳児の女の子。目をキラキラさせながら「これ、ほしい!」と言いながら一つひとつ丁寧に摘んでいた。「これはクローバーっていうんだよ」と伝えると、「くろーばー、くろーばー」と一生懸命覚えようとする姿がなんとも愛おしい。
大人には見慣れたクローバーも、子どもにとっては新鮮で素敵なもの。
その時間を共有出来たことが嬉しかったエピソードです🥰

さて、今は運動会シーズンですね。
保育士にとって行事とは、様々な想いがあると思います。
忙しい、辛い、大変。
子どもの成長が見られて嬉しい、楽しい、やりがいのあるもの。

私は長年、乳児のみの小規模認可保育園を転々としていました。
乳児の運動会とは、どんなことをするのか?

0歳児は保護者と一緒にダンスをしたり、リレー形式の親子競技をしたり、親子で参加するのがほとんどです。
1歳児は親から離れてかけっこ、ダンスなどが多いですね。

2歳児は障害物競争や少し難易度の高いダンスでしょうか。
ちなみに私はソーラン節を子どもバージョンにアレンジして運動会で踊ったことがあります。
「乳児でソーラン節?!」と驚かれましたが、子どもたちは運動会の後も「ソーランやりたい!」とドハマりしていました♬
話しがズレましたが、内容はこんな感じです。

衣装や大道具などに凝る行事の準備は本当に時間と労力がいります。
行事前って大変ですよね。通常の保育・事務作業をしながら、行事の準備。
当時は勤務時間内に終わらず、持ち帰り、サービス残業が当たり前でした。

そんな労働環境では、保育士の心の余裕も無くなっていきます。
子どもたちもそうです。行事の前は練習、練習。前働いていた保育園はただでさえ戸外遊びの時間が少ないのに、練習があると全く外に行けない日が続くんです。
それじゃあストレスが溜まりますよね。実際行事の前は子どもたちの情緒が不安定なことが多かった気がします。

行事が終わった後に保護者に書いてもらうアンケートでは子どもの成長を喜ぶコメントや、感謝の言葉が主でしたがこんな言葉もありました。

・衣装や道具のクオリティーが高すぎて先生たちの負担が心配です
・先生たちの負担が大きくならないように管理者の方お願いします

心配してもらえて有り難いなと思う反面、保護者に心配をかけてしまうなんて申し訳ない。そもそも心配になる位行事のクオリティーを上げる意味はあるのか?と初めて行事のあり方に疑問をもった出来事でした。

それからも色々と行事で嫌なことがあり、私はすっかり行事嫌いになってしまいました。
そして気づけば、行事に力を入れていない保育園の施設長になったのです。

施設長になった今では、私がやりたいかやりたくないか、よりも
先生たちがどう思っているか、が大切。
行事に対してはやりたい派、やりたくない派半々です。
なので一年目の今年度は、まずはみんなに行事の楽しさを知ってもらいたいと思っています。

行事って、見栄えを気にするものじゃないんだよ。
保護者に喜んでもらうためだけにやるものじゃない。
あくまで主役は子どもたち。生活の延長線上にあるものなんだよ。
日々の生活が一番大切。その中で、無理なく楽しく準備をしよう。
大人がやりたいことを押し付けるんじゃなく、子どもの興味・関心のあることを題材にできたら最高だよね。
持ち帰りも残業も無し!やれる範囲でやろう。

そんなことを大切に伝えながら先日、初の親子行事を終えました。

親子の楽しそうな顔、そして先生たちの感想で一言目に出てきた言葉、ほとんどが「楽しかった!」

その言葉だけでやってよかったなと胸が熱くなりました。

行事って、本当は楽しい、貴重な経験ができるものなんです。
それを忙しい、辛い、大変にしてしまうかはやり方次第。

私はこれからも行事のあり方を考え続けたいし、子どもや先生たちともっともっと楽しい体験を積み重ねていきたい。そんな保育園を作っていきたい。

あなたにとって行事とは?😊

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