『私は何度自決しただろう』ー詩ー
私は何度自決しただろう
ワンピースほどの煙草の価値もない男
三文字以上は覚えられず
NOしか言えない男
食べ終えたスイカの皮のような男
そんなやからに恋焦がれ
すがり、追いかけ
最低な自分に嫌けがさして
そして
私は何度自決したことか
あの三島由紀夫の映画を観た後は
何度となくお腹に手をあて
左から右へと走らせる
完璧じゃないのは
首をはねてくれる人がいないこと
誰も会いには来ない
籠から逃げたインコが
いつか戻ってくるんじゃないかなんて
そんな淡い期待は
綺麗に三枚におろしてやりたい
何にも変わってはいない
私だけが変わって
私だけが擦り減って
真冬には役に立たない
夏のサンダルのように
寂しさが散らかった部屋で、
私は何度自決すれば
気がすむのだろう。
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三島由紀夫をドラマ化したものを見た後に書いた作品。
◻️2022.某月 ココア共和国掲載 秋吉久美子いいね👍
編集後記、魅力的な作品として紹介。
#詩 #poetry #lyric
書くことはヨチヨチ歩きの🐣です。インプットの為に使わせていただきます❤️