『ハエ』ー詩ー

星が見える時間になる頃
羽の擦る音が聞こえる
私は瞬きをやめて
全神経を緊張させる

世の中には妖怪がいると
ある日、祖母に教えてもらった
私の髪の毛が伸びるのが早いとか
水に浮くことができないとか
トイレに入れば電話が鳴るとか
目を開けながら眠れるとか
そんなことは全て
妖怪のせいだと信じていた

目に見えないものを
見ようと思う好奇心は
見たらどうしようと思う
不安や恐怖に勝ってしまう

かすかな音のする方へ目をやる

ハエだ。
ハエに違いない。

食べかけのケーキが
あったことを思い出した
奴に食べられるわけにはいかない
私は食べられる前に
冷蔵庫の前で完食した
明日は早く起きてやろう！
そして朝一番に登校するのだ！

こんな決意表明を誰が聞くだろう
誰がそんなこと気にしているだろう
！！！！！ハエだ。
ハエが聞き耳を立ててるに違いない。

私は制服に着替えた。

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2023某月　ココア共和国佳作
音に敏感なcofumiなので、こんな詩を書いてしまいました😆

#詩 #poetry #lyric