今日の体重(戦後と歴史のはじまり)#49

88.1kg

小さいころ、昔の人は白黒テレビやモノクロ写真のように世界が殺風景に見えていたと思っていた。カラーテレビの出現は相当画期的なことだったのだと。

まあ、そうすると、たしかにすごい革新である。たかが電化製品が人間の知覚を決定づけるというこれ以上ない発明だ。

同様に、歴史は戦後から始まったと思っていた。江戸時代や卑弥呼などの単語は知っていたが、それは恐竜時代のもので、生きとし生けるものすべてが死に絶えた日本において、戦後まもなく人が住み着き、田畑を耕し、製鉄所を作り…というような壮大な歴史が始まり、ぼくが生まれる昭和の終わりにやっと現代に辿り着いたのだと。

祖父母と話していたときに、祖父の祖父、高祖父は江戸時代に生まれたことを知り、目の前の祖父が恐竜時代と繋がって、新鮮な驚きを感じた。

その後、学校で歴史を学ぶにつれて、日本の歴史は戦後に始まったというのは、言い得て妙だと思うようになった。

もちろん、さまざまな文化は遠い昔から連綿と人々がつむいできたものであるし、廃れてきたものも失われたものも新たに生まれたものもある。

戦後と戦前で何が変わったのか、これを題材にした小説は中学の頃から温めてきている。何度も書いて何度も直している。もっとも大事な現代と戦前の交流がどうしても書けないからだ。

地に足つけて歴史を知り、自分の感性を信じてぴょんと飛べたらいいのになあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?