『鮨 VS 筋肉』

今から約10年前

僕は近所の駒沢公園内にあるジムに通っていた

昔働いていたカフェのオーナーとは共通の趣味があり

いつもプロレス談義に花が咲いていた

僕が立膝をつき、膝を右手でポンッと叩くと

オーナーは容赦なく僕にシャイニングウィザードを食らわす

それがたまらなく楽しかった

(※安心してくれ、決してMではない むしろSだ)

そんな武藤敬司信者のオーナーに連れて行かれたのが

駒沢公園内のジム

(おい、ゆうじ!ラットは腰を入れるんだ!)

※ラットマシンは背筋を鍛える器具

そんなオーナーの影響でその後も1人でジムに通っていた

ある日、新しいスタッフの方が僕の目に入る

御歳50ぐらいだろうか

やたらとごつい身体

物腰はとても柔らかい

挨拶すると(その髪型かっこいいですね)と言ってくれた

ある日いつものようにジムに行くと、その方が他のお客さんに

マシーンの使い方を教えていた

(すいません、僕にも教えて頂けますか?)

何となく声をかけると、その方は

とても丁寧にマシーンの使い方を教えてくれた

ある日はベンチプレスのやり方を教えてくれた

一通り教えてくれると僕に向かってその方が一言

This is Bench Press!!!

いや、何も間違ってはない

だけど、何だこの感覚

頭の中でこの言葉が繰り返される

This is Bench Press!!!

This is Bench Press!!!

This is Bench Press!!!

ある日はもっと衝撃的な一言を発する

腹筋ってシックスパックっていうじゃないですか?

あれって嘘です

あれって嘘です

あれって嘘です

あれって嘘です

おい、何で言い切れるんだ!

そんな出会いから僕はその方のファンになりました

ジムに通う理由がトレーニングより

その方に教わるのが楽しくて

以前よりもジムに通う日数は増えていきます


※その方の面白話はまだまだありますがここでは省略


ある日、いつもの様にジムへ行くとその方が見当たらない

(今日は休みか、残念だな)

しかし、それ以降その方を見ることはなかった

僕は意を決して他のスタッフに聞いて見ることにした


僕(〇〇さんはお休みですか?)

スタッフ(〇〇さんですか?実は先日辞められたんです。何でもお鮨屋さんをやられるそうですよ)

??

お鮨屋さん?


僕は何とてしてでもその方の連絡先が知りたく、受付の方に

嘘をついた

(あの、〇〇さんって先日辞められたんですよね?実は〇〇さんからトレーニングの本を借りたのですが返す前に辞められたと聞いて
本を返却したいのですが、連絡先を教えて頂けませんか?)

もちろん本など借りてない

どうしてもこの縁を終わらせたくはなかった

そして無理やりゲットした番号にかけてみる


僕(あの、以前駒沢公園内のジムで教えてもらっていたものです)

〇〇さん(あー、声でわかりますよ かっこいい髪型の人ですよね?)

よかった〜

覚えててくれた

そして話は続く

〇〇さん(実は僕NYでお鮨屋さんをやっていたんです。今度東京の
お店がオープンするのでよかったら食べに来てください

YouTubeでNYのお店を検索すると出てくるのでよかったら見てみて
ください)

電話を切った後、早速YouTubeで検索すると確かに出てきた

〇〇さんが鮨を握ってる

〇〇さんが英語を喋っている


簡単ではありますがそのスタッフの方との出愛を書いてみました


鮨職人 安田直道

僕の大好きな人です

まだまだ安田さんとの話は続きますが

今日はこれぐらいにしておきます



曇り空のスタバのテーブル

そろそろ、コーヒーのお代わりをしよう

店員(サイズはどうしますか?)

僕(※安心してくれ、決してMではない むしろSだ)


おしまい


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