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【解釈・仮説】恋愛創作の評価方法 とその提案(第2章 恋愛創作について②)


 前述の『第1章 現実恋愛について』

 また、『第2章 恋愛創作について①』

を前提とした上で、
 主に「キャラ」・「展開」・「スパイス」・「チャージショット」の観点から創作の要素を分解し、
 それぞれ個人的に好きな要素をリストアップする為のたたき台を作成する。(今後修正が無い状態になれば、このまま完成とする)
 それぞれ恐らく無限にあるため、発見次第(自覚次第)今後追加する予定。



【個人的に好きなキャラ設定 例】


●ツンデレ(前述のまま)
 ツンデレは性格を示す代名詞となっている。
 正確には、様々な要素の組み合わせ結果の代名詞
 例えば、性格「強気」に、他にどんな要素が加わっていて、どう偏っているか。

 ・単に「強気」であるなら、
  相手に好意を持った際に、正直に好意的にガンガン進む事も可能。

 ・「意地っ張り」を持った「強気」なら、当初の主人公への印象(主人公嫌い、格下など)により、それなりの対応(罵声、暴力)をしてきたが、現在はその印象は変化しており、けれど今更優しい対応をするというのも自分のプライドが許さないなどの理由により正直になれない場合。また、対応を変える気は無く、現状のままで好きになってもらおうとする場合もある。(素直にはなれないけれど本心に気付いて欲しい)

 ・「臆病」を持った「強気」なら、弱さを隠すために強気を装って生きてきた可能性がある。その為、強気キャラでありながら嫌われるのを恐れて現状維持し、正直になれない場合。優しくできない為、もう既に嫌われているのではないかという可能性も視野に入れている。

 ⇒組み合わせは「キャラ設定」、その後の対応については「展開」。「ツン期」、「ツンデレ期」、「デレ期」の3フェーズが存在する。
『今更、仲良くしたいけど出来ない。素直になれない』、そのジレンマがあるからこそ「べ、べつにあんたの為じゃないんだからね!」という台詞が「ツンデレ」になりうる。
「デレ期」についてはアフター範囲。
要はツンデレは、主人公への初期対応の誤り。『今更、素直になれない』の対応の結果。

●ヤンデレ
 主人公が好きすぎて常識を逸脱した言動が見られるキャラ。
 好きすぎておかしくなっている(制御できていない)状態を可愛いと感じる。
 しかし、誰がどう見てもキチガイであり、ナイフなどの武器を用いて主人公や周りの人にすぐに危害を加えるような現行犯タイプは個人的にNG。今すぐ警察呼んで刑務所にぶち込めと言いたくなるようなキャラは、主人公視点でも擁護の仕様がないため。
 安易に武器は持つな。
 安易に生物を殺すな。 

(例)
・容姿端麗で、礼儀正しく、言葉遣いも丁寧で、学級委員も努めている。そんな誰から見ても角が立たない、寧ろ好印象を与えるヒロインが、実は主人公の事が死ぬほど好きであった。                              スマホの中身は、主人公の盗撮まみれ。主人公が捨てたペットボトルや食べ終わった飴の棒を後でゴミ箱から拾ってコレクションにしている。主人公のペンなどが時々紛失するが、実は盗っており、夜のオカズにしている。あるいは、昼休みや放課後に学校のトイレで自慰に使用している。
など、そんなことをしているけど、いざ主人公の家を訪れたら主人公母にも凄く礼儀正しいみたいな、主人公にだけわかる(見せる、バレる)ヤバさを抱えたのが好き。一見、誰から見ても普通だと思われているのが好き。
・「今日話してたあの子は誰? …もしかして私のこと…嫌いになった? 私迷惑だったかな? ごめんなさい!もう主人公の迷惑になるような事はしないから!私どうすればいい? 悪いところ直すから、主人公の言う通りにするから、嫌いにならないで……」(創作的に「重い」とか「メンヘラ」だとかの括りにもよく入れられる)
・「家に勝手に侵入するの禁止」って言ってからはずっと家に侵入しなくなって、しばらく経ってから、「お前、本当に侵入しなくなったよな」って言ったら、「主人公が侵入するなって言ったから」って言う。


●幼馴染
 幼少期から家が隣同士、近所に住んでいる、家は近くないが家族同士が仲良い、などの理由で成長段階に交流が多かったヒロイン。異性として意識する前から一緒に居ていたヒロイン。
 同じ年齢である必要はない。
 一緒にお風呂に入っていた。性器を見せ合ったことがある。キスしたことがある。将来結婚の約束をした。など様々な良い思い出(きっかけ・あるいはトラウマ)が残せる。片方が覚えているが、片方は忘れているなどの思い出があると良い。その結果、覚えている片方が四苦八苦する。
 ずっと同じ時間を共にしている場合、家族としての印象が強くなり、異性として意識していない為に恋愛感情に気付かない。あるいは気付いているが今の関係が崩れてしまうのを恐れて踏み込めない。など、一緒に居る時間が多く、関わるきっかけが多いにも関わらず、他ヒロインと比べて乗り越えるべき壁が大きい。
 故にメインヒロインにはなりにくく、負けヒロインにされがち、という傾向もある。


●疎遠幼馴染
 上記幼馴染として途中まで同じ経過を辿るが、途中で片方が引っ越す、喧嘩をして絶交状態になる、中学生などの思春期の時期に「お前なんかとは遊ばない」「別に俺はあいつの事は好きじゃない」という態度を取る、幼馴染が綺麗になりすぎて引け目を感じて離れる、などの経過により、完全に交流が途絶えた状態にあった幼馴染。
 片方はその事をずっと気にしている。
 疎遠の年月チャージがあるため、それが解放された時のチャージショットたるや。

●天然系
 強気な天然系も弱きも天然系も居る為、天然は要素の一つでしかない。
 けれど、能天気だったり、頭が回らなかったりする傾向があり、恋愛にも超鈍感で相手からの好意に気付かない可能性が高い。
 よって、主人公が肩透かしを食らったり振り回されたりして苦労を背負う可能性も高い。
 その上で恋を自覚してからの動きに注目。それまでのヘイトや焦らしのチャージショットにも(チャージ量が)期待できる。




【個人的に好きな展開 例】


●途中からヒロイン
 (序盤で)登場した際はヒロインとしてのポジションではなく、あるいは仲間や敵としてのポジションであったが、物語が進みヒロインとしてではない状態でそのキャラクターについて認知した後、突然ヒロインになる展開。
 主人公に感情移入していた場合、身近に居た人を不意にヒロインとして意識する瞬間のカタルシス。

(例)・ガンダムビルドファイターズ
⇒序盤では訳アリ敵としてのポジションだったアイラ・ユルキアイネン、21話くらいで突然主人公の一人に惚れ、ヒロインとなる。その21話分のチャージショット。


●途中からヒロイン視点(”感情移入の話”にて、前述)
 主人公は、恋の成就のために努力をする。それに感情移入する事で、主人公視点で「意中の相手と結ばれるという目的」を同じく抱える。
 そして、主人公視点で惚れていたヒロインを追いかけていた前半から、後半にヒロイン視点になり、そのヒロイン視点で主人公に惚れ、そしてヒロイン視点で主人公を追いかける展開。今まで主人公が努力し四苦八苦していた分の想いの分のチャージショット。
 復讐形式に近い。
 ヒロイン視点の為、ヒロインがどれだけ主人公のことが好きなのかについて説得力が付加される。。
 この技法が活きるのは、まだ結ばれていない時、かつヒロインも主人公に恋を自覚した時。ヒロインが恋に悩むことがメインとなる。
 恋に対してヒロインも主人公と同様に苦しむ事で、状況がフェア(天秤の均衡)になる。この場合の苦労の質量は同様かそれ以上であると良い。(苦労が少ないと個人的にバランスが悪い)

 (例)・レンジマンの神楽坂風香
    ・トラブルの西連寺春菜
     (無印はリト→春菜。ダークネスは春菜→リト)
    ・高橋留美子作品はよくある。(天秤の均衡ではないけれど)


●2番目以降のポジション
 1番好きな人(高嶺の花や一目ぼれなど)へは、気を遣ったり緊張したりして、本来の自分では居られない、気が張って疲れるといったことが起こる。
 けれど1番のポジションより下であれば気が楽になる。キャラクター同士には気楽に本来の自分で居てもらえる方が感情移入する上でも安心する。そんなポジションのタッグが見たいし、あわよくば途中から恋愛が始まった場合は最高チャージショットの見込みがある。

(例)・とらドラ!(メイン2人)
   ・機工魔術師(メイン2人)


●日常の中の非日常
 世界観は現実世界と同じ世界として、主人公の周りだけ非日常的な事が起こる展開。
 あるいは、それは主人公とヒロインだけが知っていて秘密を共有している展開。
 周りに隠しながら生活する展開。

(例)・精神入れ替わり
   ・霊が見える
   ・特殊能力が使える
   ・人外と出会う
    など。


●ヒロインを主人公の色に染める、言いなりにする

(例)
・「わらわ」「~じゃ」「~だじぇ」「~なのだ」「~なのです」「~でちゅ」などの語尾のキャラクターに対し、
「普通の話し方をしなかったら、お前の事嫌いになるからな」と告げ、
嫌われたくなくて頑張って言葉遣いの練習をしたり、
「あ、あの……わ、わたし!頑張り、ますから…!」ってオドオド喋ったり、
時々気が抜けて「~じゃ」とか言ってしまって「あっ、今のは違うんです!ごめんなさい!嫌いにならないで!」って、涙目になったりするやつ。
なんでしょう、これは


●復讐展開
 行った行為が、少し悪い事の域を超越してしまい擁護することが出来ない段階に入ってしまったキャラに対して、それ相応の報いがある展開。
 スカッとするカタルシス。
 やりすぎてしまったヒロインにたいして見たい。
 当然の事ながら、恋愛以外の作品で多用されているような印象。

(例)・半沢直樹 
   ・水戸黄門
    ⇒ヘイトチャージからの叩き落とし。
     チャージショットカタルシスの塊

●逆転展開
 主人公は追いつめられる。
 少し追いつめられるとか、ピンチになるとかいう程度ではなく、八方塞がりどころか十八方塞がりくらいまで追いつめられ、あと1手で死ぬしかないくらいの状況まで追いつめられて居ながらも、そこから逆転する展開。
 ピンチのハラハラからの逆転にスカッとするカタルシス。
 納得できない逆転方法や、安易な仲間の「助けに来たぜ!」展開はNG。
 また、追いつめられ方が甘い、ハラハラが少ないものも残念。
 納得のいく逆転は難しいが、頑張ってほしい。
 こちらも当然の事ながら、恋愛以外の作品で多用されているような印象。

(例) ・半沢直樹(も多分そう)
    ・ジョジョの奇妙な冒険 のバトル


 ※バトル作品で面白い展開は、恋愛創作でも出来るし、恋愛創作でも面白い(恋愛創作でもアツい展開が見たい、恋の為に戦え)と考えている。
(チャージショットの話であり、殴り合いのバトルをするという意味ではない)


●(主人公が事故に遭うなど)ヒロインが主人公の事を心配する展開、または死ぬ展開
 ただ理不尽に主人公が危うくなるのではなく、ヒロインの所為などヒロインに原因がある場合。または、日頃から主人公への扱いが良くないなど、ある程度ヘイトチャージが溜まっている場合の復讐展開が理想。
 失って初めてそれの大切さに気付く。その限界場面にて、どれだけ主人公が好きであったのかの本性が出る
 個人的にこの展開が大好きで、ほぼ全ての創作を見た後に、見たCPでこの展開は考えます。ほぼ確実に。

(例)
主人公とヒロインがケンカ。
⇒ヒロインが怒って駆け出すが、横断歩道で車にひかれそうになる。
⇒主人公がかばって車に轢かれる。
そこからの様々なパターン。
・主人公「告白」「今までありがとう」
・ヒロイン「喋っちゃダメ」「血が止まらない」「ごめんなさい」
・主人公が気を失うと、ヒロインはこの世の終わりみたいな顔をして絶望。
・泣きながらひたすら主人公の名前を呼び続ける。何度も何度もゆさぶる、好きだったと何度も言う。後の祭り。

分岐1:実は死んだフリをしてヒロインの様子を見ている
分岐2:搬送先の病院で目を覚ますが記憶喪失
分岐3:搬送先の病院で死亡が確認される
分岐4:搬送先の病院で一命を取り留める

※すぐに主人公の死を乗り越えてしまう強いヒロインはNG




【個人的に好きなスパイス 例】


●キャラに対してのスパイス
・幼馴染:近所・隣り同士。一緒に風呂。将来結婚の約束。疎遠。
・お嬢様:庶民の味を口にして「美味い」
・全て:キャラ崩壊。
・二重(多重)人格:正反対人格。主人格を守る。

●展開に対してのスパイス
・入れ替わり:二人で隠す。風呂、トイレ。主人公の好きな女へ、ヒロインがアプローチ。またはその逆。主人公、またはヒロインに惚れている第3者への対応。ヒロインが主人公へ(男の)欲情。
・事故:怪我。記憶喪失。死亡。




【主観に依る恋愛創作のセオリー(定石)について】


●恋愛作品のヒロイン数は3人未満。ハーレム作品のヒロイン数は3人以上
 恋愛作品とハーレム作品は別物と考えるが、明確な境界はない。あくまでレース的側面とハーレム的側面の強弱で区別する。

 ヒロインの数が2人以上であれば、三角関係(3人以上居た場合でも、そう定義する)が成立し、レースを描ける。また、主人公視点でハーレム(複数の異性からモテる生物的幸福)のカタルシスを得られる。
 また単純に、ヒロインが少なければ1人当たりの話が濃密に、多ければ1人当たりの話が薄くなる。

・レース的側面:走者に感情移入し、その恋を応援する。
 恋の成就には主人公とヒロインの双方の想いの一致が必要となるため、主人公は誰が好きかを終盤までに明確にする。
 主人公視点で恋愛対象が存在する場合、主人公の恋愛対象ではない方のヒロインは勝利が困難であるため、対象に取られていないヒロインも、主人公の恋愛対象のヒロイン同等の働き(努力)を行う必要がある。
 その様な特別に努力を必要とするキャラを2人も3人も増やして作品としてのバランスを崩壊させずに描くことは困難である。
 創作者が本気で描けるヒロインの数、また観客が本気で感情移入できるヒロインの数には限界がある。それらを守ることにより作品のバランスが保たれ、レース(戦い)への説得力が強くなる。

・ハーレム的側面:複数存在するヒロインからモテのカタルシスを得ることに特化し、レースとしての説得力が欠如した作品。
 複数のヒロインが登場する作品において、物語性の欠如(登場人物の精神的前進が無い、主人公とヒロインの想いの一致へ向けた経過が無い、主人公の恋愛対象の不存在によりヒロイン達だけが努力をする)している場合など。
 個人的にハーレム的側面があまりに強い作品は、「恋愛作品ではない」と表現する場合もある。程度が酷い場合は、恋愛というより風俗に近い。


●メインヒロイン、負けヒロイン、サブヒロインについて
・メインヒロイン:主人公との恋が成就する(主人公とヒロインのその両方の想いが一致する)可能性を持つヒロイン。勝つ事が確定している事を指さない。

・負けヒロイン:主人公との恋が成就する可能性を持たない(最初から負けが確定している)ヒロイン。負けるかどうか確定していない場合は負けヒロインではない。ただし、「負けヒロインオーラ」は存在する。

・サブヒロイン:ヒロインの土俵に立っていないヒロイン。友人や女キャラよりも恋愛寄りであり、恋愛と無関係のポジションではない。しかしながら、他のヒロインと比較して戦ってもいないので、負けと判断するレベルに達していない。

 恋愛創作において、”誰と結ばれるかわからない”という展開を楽しみたいのであれば、登場するヒロイン全てがメインヒロイン(負けヒロインもサブヒロインも居ない)である事が理想。
 それぞれが本気でその願いを叶えるために行動を起こし、その努力に対し望んだ結果が得られるか(達成)どうかという人間のドラマからカタルシスを得る事が出来る。
 負けヒロイン・サブヒロイン登場作品は、メインヒロインを一人定め、それが絶対的強者としての力を振るう。それにより最強キャラへのカタルシスが得られる。また、負けヒロインからは恋に苦しむカタルシスが簡単に得られる
 レースを描くか無双を描くか、この差を理解して描き分けるのであれば、それは作風である。しかし、意識していなければ作品の方針がブレてしまう要素となる。

●親友同性キャラ、ライバル同性キャラは必要
・親友同性キャラ:
 主人公への情報提供、行動や精神的成長をサポートするポジション。
 異性だと恋愛対象になる可能性、あるいは観客が恋してしまう可能性があり、純粋にそのポジションを全う出来ない可能性がある。
 その行動により、信頼キャラか、邪魔するだけのキャラかに分類できる。
 信頼キャラは安心のカタルシスを得られるため、良いのカタルシス要素。
 またヒロインが二人以上かつ親友キャラが不在の場合、ハーレム的側面が強くなる。
 そういう作風で無ければ、信頼できる男友達が居ない作品となり、感情移入を阻害する場合もある。

・ライバル同性キャラ:
 ヒロインに惚れているため、主人公の恋路の邪魔をするポジション。
 乗り越えるべき壁は大きい方が良い(バトル漫画でも敵は強い方が良い。
 弱い敵ばかりでは面白みが無い)ので主人公の闘志を燃やし、主人公の成長を大きく導くことが可能。
 性格が良い、身長が高い、イケメンである、運動神経が良い、頭が良い、料理が出来る、お金持ちであるなど、主人公よりも秀でたモノがある方が勝負として白熱する。
 恋愛は強い弱いではなく、ヒロインに恋してもらえる「性格・ビジュアル」かどうか、あるいは恋してもらえるような「展開・スパイス(思い出の積み重ね)」が有ったかという要素があり、実力で勝ち負けが決まる訳ではないため、十分レースとして成り立つ。
 最終的に、ヒロインが優れているライバルよりも自分を選んでくれた時の勝利のカタルシスが(ライバルが優れていれば優れている程)大きくなる。
 また、ヒロイン視点で比較も可能(主人公の方が~。主人公にはタメ口、主人公と一緒の方が気楽・リラックスできる、ライバルと二人きりの癖に無意識に主人公の事を考えている、など)。
 これらの展開は、ライバル同性キャラが居なければ得られにくい。
 同性愛ライバルは含めない。後に主人公に恋する場合はヒロインである。それ以外の場合、不要。


コーラを飲ませていただきたい。コカの。