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11 ヒント


「その後、ナオミさんは医者顔負けの凄腕すごうでナース、だもんなー」
「だが、あのままだったら弱って何かが起きていたかもしれない」
 
メモ帳を囲んでカズーとクーはそう話す。
 
「確かに諸刃もろはの剣、というやつだ。強すぎる能力は扱いづらい」
「赤木さんも、パワースポット的な力だけで良かったのかもね」
「しかし…本当に今回のことは…」

クーがメモ帳を手にする。
あ、という顔をしてカズーが口をおさえる。
 
「そうだった…結局なんなんだろうね?」
「音楽、歌、眠り…」
 
ぶつぶつと、ひとり言をつぶやきながらクーは机に向き直る。
その時、部屋の片隅かたすみでコトンと音がした。
 
「ん?」
「あれぇ、トニー、エサ食べながら寝てるよぉ、ふふ」
 
その言葉にクーが視線をめぐらす。
たしかにトニーがエサの葉を口に入れながら寝ていた。
ゆらゆらと船をこぐような動きにカズーが笑いをこぼした。
 
「まったくこっちの苦悩くのうも知らずうたたねと…は…」
 
言葉の途中でクーは止まった。
 
「うた…たね…!」
「…え?」
 
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イラスト:https://twitter.com/ano_ko

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