花空

いつもの日常に、美しいものを見つける。急がず慌てず、道草を楽しむ。彩り、ひなた、緑の中…

花空

いつもの日常に、美しいものを見つける。急がず慌てず、道草を楽しむ。彩り、ひなた、緑の中、鳥の声、月の光、花、空が好き。思うまま、感じるまま。

最近の記事

[詩]青い鳥

研ぎ澄ませたくて 突き抜けたくて 満ち満ちていたくて 手をはなして 頭をやすめて 感覚をひろって ぜんぶ入れて 底からかき回して 掬っては眺めてを繰り返す それでも見つからない なんでどうしていつになったら でももう戻れない 好きなものはなんですか 嫌いなものはなんですか 問いかけては動くを繰り返す 誰かが撮った自分を見て この人とともだちになりたい そんなふうに思える頃には 今あるすべてがふさわしく 進んだ先が望む場所 青い鳥はこのわたし わたしを生きているわ

    • わたしを形づくるもの

      同じものでも、組み合わせるものによって 際立ったり、霞んでしまったり。 存在そのものは変わらないのに、 誰が見出すかで、世間での価値が変わったり。 場の雰囲気は伝染するし、環境で人は変わる。 別の国、別の時代に育ったら、きっと今とは違う人。 物、人、場所、雰囲気、時代。 何かに影響するものは無数にあって、 これまで触れてきたすべてが、 それを形づくり、その見え方を変えていく。 今あるものは、これまで触れたものの結果。 これから触れるもの次第で、何にでもなりうる。 で

      • 結婚生活のKPI

        まさに人生を楽しんでいる知人がいる 全身から活力と好奇心が溢れていて それでいて肩の力が抜けている 話していると元気になれる人 その人が言うには 一週間のうちで夫婦でどれだけ笑ったか それが結婚生活がうまくいっているかを測る指標なんだとか 趣味が違っても性格が違っても 同じ時間を過ごす中で同じことで笑えているか それが少なければ何かがおかしいんだと なるほど彼のエネルギーは 笑いでチャージされているのかもしれない わたしは何で満たされるのだろう なんてことのない日常

        • 大人になって動物園で思うこと

          カワウソ 飽きもせずひたすら同じルートで泳ぎ続ける それがあまりのスピードだから ある種の狂気にも見えてしまう オウム 何やらガンガンと音を立てて どうやら怒っているのに コンニチハ 本当の気持ちを表せないストレスなんだろうか モルモット 男の子 女の子 老モルモット それぞれ部屋に分けられているけど 私はここじゃないと思っているかもしれない アルパカ 広々したスペースがあるのに みんな掃除中の飼育員さんをぎゅっと囲んでる どいてくーださい ありがとうございまーす 飼

        [詩]青い鳥

          [詩]ゆらめく言葉の向こう側

          自分のことを話すのがこわかった 素を受け入れられないのがこわかった 核心には触れられないように 底の浅さを知られないように 鎧を着込んで シャッター下ろして 当たり前にひとりだった 人として大事なことが欠けている やっぱりニンゲンらしく生きたくて 不器用に自分を開いてみても うまくいかずに傷をおう それでも顔を上げる日々のなか 言葉がゆらゆらうごくのを見た ありのままでいいのです あなたのままで大丈夫 ふかふかのふとんにくるまれて 背中からじんわりあったまるよう

          [詩]ゆらめく言葉の向こう側

          [詩]わたしが捧げられるもの

          捧げるのなら美しいもの 内から生まれる価値あるもの 誰かと笑いあうときの ころころ揺れる軽やかな空気 そこにある美しさに気づけたときの 柔らかく尖った感覚 どこかに正解を求めず 手探りで進んでいるときの横顔 物理的に一人でも 一人じゃないと感じようとする素直さ パッと手放す胆力 えいっとやる勇気 土でもなんでも掴んで立ち上がる からっとした執念 内側外側ちゃんと見て 新鮮な自分であろうとするまっすぐさ わたしを全うしようとする 一瞬一瞬に生まれるきらめきは

          [詩]わたしが捧げられるもの

          [詩]臆病だけど、つながりたくて

          起きたら窓を開けて 顔を突き出し 空におはよう たまに見かける 犬を連れたおばあさんに 思いきって こんにちは 無表情に こちらを見つめる 小さな女の子には にこっと いつものあいさつに加えて それ似合うね 店員さんの目を見て ありがとう 何でもひとりで 行こうとせずに もしよかったら 一緒にどう 同じ月を見ているはずの あの人に ひまわりが太陽を想う あの歌を 青い果実には たのしみだねえ しおれた草木には おつかれさま 見えなくても 聞こえなくても きっと届

          [詩]臆病だけど、つながりたくて

          たくましくて可愛らしい苦み

          たくましくて可愛らしい苦み

          自由

          からだは確かなもの 大事にすれば応えてくれるし 無理をすれば痛くなる わたしという中身を乗せて ここと決めたところに運んでくれる だけど たまに不自由 場所が分からなければ 会いたくたって連れて行ってくれない こころは不確かなもの 泣きたい理由ははっきりしないし 泣きやむボタンも特にない 色も大きさも見えないのに 入れ物のわたしを重くも軽くもする だけど だから自由 想うだけでどんな形にもなれるし いつでもどこにでも行ける 会いたくなったら そっとこころの

          人づきあいの達人

          たまたま居合わせた人と微笑みを交わすと 驚くほど気持ちが満たされることを知りました それにはまず相手を見る必要がありますが 見ては失礼なような気もして難しいものです 目を伏せて人々とすれ違う臆病な日々のなか 赤ちゃんの見る力には恐れ入りました もう遠慮なくじっと見つめてくるので こちらも見ずにはいられません あの小さな顔に笑ってほしくて いろいろと構いたくなってしまいます もしかすると構ってほしいのかもしれません なくした何かを取り戻したいのかもしれません ある空

          人づきあいの達人

          未知の道を

          本当にこれでいいんだろうか ちゃんと何かを掴めるんだろうか 答えのない道に飛び出したのに つい答え合わせをしたくなる コレという何かを明確にして 枠におさまって安心したくなる 突き抜けろ 足の指でしっかり地面を踏みしめて 道中の彩りをひとつひとつ確認して 目の前にあるすべてを取り込んで 底までぐるんぐるんとかき混ぜて 内から湧き出るものをつかまえたら 思うままに表に出せ 突き抜けろ 思いもよらないものが欲しいなら いま見えていないことを恐れるな 思い描いたも

          未知の道を

          祈り

          ああ かえってきた さわさわと呼ぶ緑の中に まるごと包み込まれています ただそこに立って 目を閉じて大きく吸い込むと もうほほえんでいます ああ みんなきれい 目がよくなって 美しいものがたくさん見えます どぶにイチゴが咲いています カラスの黒にはツヤがあります 蜘蛛の巣がキラキラしています ただいることを受け入れてもらうと お返ししたくなるのでしょうか 目の前のそのままが美しいのです そのまなざしは やわらかくあたたかい何かを内に生み 湯気のようにふわっと外へ広が

          こどもの距離感

          小さな子も楽しめるお芝居に行くと あちこちで可愛らしい笑い声が聞こえる 「右だよ右」「反対」 こどもは驚くほど素直に声を出す 舞台の向こう側の人たちと 臆することなく自然に会話をして 演者もきっとそれを楽しんでいる 大きくなるといつからか あちらとこちらで見えない線を引いて 関わり度合いを薄めはじめるけれど どこでも誰とでも同じ距離感で その場をめいっぱい楽しむ子ども力 たまにでも取り戻せたら もっと人生楽しめるかもしれない

          こどもの距離感

          透明な花

          わたしには花がある この時期に咲く、目には見えない特別な花 子どもの頃は、テストの点数が 大人になったら、仕事の評価が その世界での成長を教えてくれる 特別な花が教えてくれるのは ちゃんとわたし自身を生きているか 去年よりもきっと、柔らかく透明に 去年よりもきっと、強くたくましく どんな色でも形でも わたしを生きて活きる花 瑞々しいなら、それでいい

          透明な花