人の死に触れてから。

※ はじめに断っておくが、かなりセンシティブな内容になるので、苦手な方はブラウザバックをおすすめします。


つい先日友人が自殺でなくなった。
僕と同じ22歳で、インターネットを通じて知り合った仲だった。
インターネットで知り合ったといっても、1年以上交流があるうえに、地元も一緒だったので、亡くなる1週間前にもスタバに一緒に行ったし、何なら9月に2回も一緒に旅行に行くような仲の友達であった。

ただ亡くなるのは本当に1瞬の出来事だった。
誰もこんなことになるなんて思ってもいなかった。

亡くなる直前の午後9時半、いつもの仲いい人達とその子を含めて1時間くらいグループ通話をしていた。その時は「今日ちょっと調子悪くて、死にたかったけど喋ったら元気になったわ。ありがとう。」といった感じで特段いつもと変わりはなかった。いつもと変わらずいっぱい笑って通話が終わった。

それから日付を超えて00:30頃、午後9時半頃に一緒にグループ通話をしていた友人からその子と連絡がつかなくなったと連絡があった。彼は非常に病みやすく、過去にも未遂を繰り返していたのでなんとか連絡を取らねばいけないという状況だった。
それから二人で何回も電話をかけた。LINEも個人の携帯電話に電話してもつながらない。これはまずいと思い警察に電話した。1時頃だった。
それから警察の方にお任せし、救急車で運ばれたとだけ聞いていた。正直どういう状態だったのか全くわからなかったが、連絡取れなくなってから45分程度で見つかったからそこまで重症じゃないだろうと思っていた。

翌日の朝、警察から連絡があった。亡くなったとのことだった。
最初は現実を受け入れられなかった。連絡取れなくなる2時間前には電話をしていたし、警察の方と最後に話した時もそこまで深刻そうじゃなかったからだ。ただ一方で、彼はそんなことをしかねないなという感じが昔からあり、ある意味ふらっと飛んでいってしまったんだなとどこか他人事かのように捉えていた。

それからの数日は僕にとって心が空っぽになるような日々だった。
何にも代えがたい、ただ彼がこの世にいないという虚空な現実だけが襲ってきた。鋭利な矢で僕のガラスの壁を突き刺そうとしているようだった。
今でも半ばこれは嘘だったんじゃないかと現実を受け入れないことで気持ちを抑えてすらいる。人の死に引っ張れていく自分すらも怖かった。

人の死は一瞬だった。
直接は見ていないし、なぜ死んでしまったのか今でも知らない。
ただ最初に警察の通報したのが僕だった。あとこれが数分早ければ助かったかもしれない・・・なんて思わないことは嘘だけど、やれることはやったと後悔はない。


人の死に触れることは僕にとって今回が初めてではない。
高校生くらいのときには所謂病み垢という界隈にずっと潜り込んでいた。だから自殺を宣言してそれ以降連絡が取れなくなった人なんて今までも数え切れないくらいいた。中には最後の数分前まで連絡していたであろう人だっていた。だからある意味、突発的に自殺で亡くなるということに対して一般的な人よりも感覚が麻痺しているのかもしれない。だけども友人となればやはり衝撃は大きかった。ただ自分の無力さに圧倒された。

もし僕が〜できたら。
なんてこの状況になれば誰しもが考えるだろう。
だけども、多分そんな簡単なことで解決なんてしやしない。たとえその場で一時的に助かってもただ苦しく、死ぬしかない現実に少し目を反らして、少しずつ延命するにすぎないだろう。
黒い悪魔の希死念慮に呼ばれてしまっては、誰がなんと言おうと無力でしかないということをうつ病当事者の自分が何よりもわかっているはずだ。

彼を根本的に救うには、もっと前から助けないといけなかった。
一度自殺未遂を経験してしまっては、あとはいつ実行が成功するかの世界で生きるしかないと思っている。
だからもっと前、彼がそんなに苦しむ前に世界が救ってあげてほしかった。

僕は曲がりなりにも、世界にとってはすごくな小さなことかもしれないが、メンタルヘルスに関するサービスを1年半くらい運営していた。今でもあの時間は少しでも誰かに役に立てて、人生で幸せな時間だったと思っている。
ただ一方で、自分だけでは変えられない無残な現実から目を反らせるために就職自体はその業界から離れてしまっていた。

ただ、その決断が本当に自分にとって正しいのかわからない。
最近ずっと、それが僕にとっての悩みの種だった。「誰もが悩みを吐き出せる世界をつくりたい」と今でも思っている。多分きっと、最初に手を差し伸べられていればこんなことにはならなかっただろう。
悪化していく前に世界が救ってほしかった。そんな世界を僕はずっと作りたかった・・・。


日本では毎年2万人以上が自殺で亡くなっている。
彼はその中のたった1名でしかない。こんな悲惨な出来事が年に2万回も起きてしまっている。

じゃあ、これを変えるにはどうしたらいいか。
単純に1個の課題が解決したら、世界が変わるなんてそんなに単純なことではない。自分が今どの課題に取り組んだらいいのか正直よくわからない。
ただ病んでしまう前に、病気で苦しむ前に、救える道が、手段があればずっとずっと変わるんじゃないかと思っている。

来年4月からはとある会社で働くことが決まっている。
けれども、今一度その道を考え直したい。世間一般の人からしたら、内定でた直後の新卒1年目になる前から会社を変えるなんておかしいかもしれない。それでも人生何が正しいかなんてわからないし、進んだ道を答えにするしかない。

また1からメンタルヘルスの業界に向き合いたいと思う。
だからこれから色んな業界の方とまたお話させていただきたい。よければ一緒に仕事がしたい。

僕は少しでも世界を生きやすくしたい。
僕や彼みたいに苦しむ人が1人でも減らせるように。未来の子どもたちがもっと幸せになれるように。心のそこからそう思っている。

end

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