出会いは突然に
いまから10年以上前のこと。折り曲げられるディスプレイをどうやって試験しようか と考えていた。いろんな展示会に出向いて、試験できる方法はないか探し回っていた。ある展示会に出向いたところ、岡山の小さな会社が 電気のケーブルを曲げる試験装置を展示していた。
”お、これならできるんじゃないか???”
早速 展示していた会社の方に、
”折り曲げられるディスプレイの試験法を探しています。そんな装置を作ることはできますか”
”はい、もちろんできます!”
即答だった。
早速 その会社とやり取りを始めた。
”こうやったらできるんじゃないですか??”
”いや、こうやった方がいいでしょう”
”それなら こんなことはできますか”
”もちろん 大丈夫、できます”
そうして 世界初の 折り曲げられるディスプレイの試験装置ができた。まだ世の中には 折り曲げられるディスプレイは存在していなかった。実験室では作っていたかもしれないが、実際に世の中に出たものはなかった。
実験室で試験していた会社は、この試験装置に飛びついた。
”こんな装置を探していたんですよ!!!”
その試験装置のやりかたを 世界初の 折り曲げられるディスプレイの評価方法 として 国際標準化した。世界中から驚きをもって迎えられた。
やがて 世界中の会社から 折り曲げられるディスプレイの発表が出てきた。そして そのディスプレイを使った、折り曲げられるスマートフォンも出てきた。
そうして、その装置を使った会社は 世界中に”折り曲げられるディスプレイの試験装置”に広めた。
そうこうしているうちに 私の定年が近くなってきた。そのころは東京で仕事をしていたのだが、どうも東京の水は合わないと感じていた。そろそろ西日本の会社で仕事をしたいな と探し始めた。
”そういえば あの会社は西日本にあったぞ!!”
”実は こうこうで 西日本で仕事を探しているんですが。。。。”
”おお、それならば すぐにでも来てください!!!”
また即答だった。
こうして あの時に展示会で出会った会社で、世界初の国際標準を作ることができ、その会社も世界初の装置を開発・販売し、私はその会社で、即答してくださった方と働くことができるようになった。
10数年前に展示会で偶然見つけた会社、今 そこで私は世界を相手に のびのびと仕事ができている。あの時出会わなかったら、私は 今 どこで何をしているだろう。
出会いは突然やってくる。そして、チャンスに後ろ髪はない。偶然 出会ったならば そのチャンスは逃さず、掴み取る!
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