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まちとコミュニティの関係を、「企業」に置き換えて考えてみた。【今週の加藤さんvol.9】

「今週の加藤さん」
「今週の加藤さん」は“最近何か気になってる話題とかありますか?”というとてつもなくラフなお題を、花咲爺さんズ代表の加藤さんに聞いてみるコーナー。聞き手は弊社シオヤ。

今回は、「労働市場」と「企業」の関係からよいまちをつくるヒントが得られるのではないか?というお話です。

加藤さん:
「まち」とその中にある「コミュニティ」の関係って、「労働市場」と「企業」の関係と近いんじゃないかな。

シオヤ:
・・・どういうことですか?

加藤さん:
「まち」には所属する全員で目指すミッションは存在しないし、転出入の制約がない(いわゆる高級住宅街なら誰でも住めるわけじゃなかったりするけど)。「労働市場」も、日本国民にとって働くこと自体は義務だからミッションもへったくれもないし、働かないという選択肢は基本的にはない。この点で、「まち」と「労働市場」が比較対象にできるかなと思うんだよね。それで、労働市場における「企業」は、まちの中にある「コミュニティ」にあたるのかなと。

シオヤ:
言われてみれば、そうですね。

今週の加藤さんvol.9

加藤さん:
そう考えると、企業内のチームビルディングと、まちの中のコミュニティづくりにはつながるところがあるはず。

性質が違いすぎるから企業経営のノウハウをそのまままちづくりに活かすのは難しいけど、すでにノウハウが溜まっている企業のチームビルディングをまちの中のコミュニティ運営に活かすことはできるんじゃないかな。

シオヤ:
なるほど。確かに、「お金が出るわけでもなく有志で活動しているケースも多いゆえに、負荷ばかりかかって何のためにやっているのかわからなくなる」みたいなケースって、まちのコミュニティが現に抱えている課題かもしれませんね。

加藤さん:
そうだよね。でも、企業に就職しても「何のために働いているのかわからない、意味がない」と感じる場合はある。だから、企業ではミッションは何だったのか、どんな価値を世の中に提供しているのかをきちんと作っていく、作り直していくっていう動きがある。

じゃあそれをまちづくりにそのまま当てはめられるかと言えば、そうじゃないと思うんだよね。みんなにミッションを押し付けて、息苦しい場所になるのは違う。まちってもっと自由で、まちのこととか、コミュニティのこととかに興味がない人がいても全然いい空間だと思ってる。そんなまちの中に、出入り自由なコミュニティがいくつもあると、自然とまちが活性化していくんじゃないかなと。

シオヤ:
そうですよね、強制するもんじゃないですよね…。でも、その興味のない層の人たちにもどうしてもアプローチしたくなっちゃうんです。例えば、最近だと町民参加型プロジェクトで長柄町を元気にする会を立ち上げたりしていますけど、町民全員にまちを好きになってほしいし、みんなが仲間になってくれればいいのにと思ってしまうじゃないですか、どうしても。

だから、興味のない層にも「何か面白そうなことやってるな、楽しそうだな」っていうポジティブな思ってもらえることを仕掛けていきたいなと常々思ってはいるんですけど。

加藤さん:
それって、NewsPicksの麻生さんの話なんだけど、「熱量を伝えていく」ことなんだよね。例えば、組織の中に熱量の高い人も低い人もいるとき、イベントでその人たち同士をぶつけていくことで、自然に全体の温度が上がっていく、っていうイメージかな。

シオヤ:
そうですね。まさにやりたいことです、それ。


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