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話を聞いたら濡れ衣①

私が若い頃、とある会社に
勤めていた時の話です。


会社でフランチャイズとして
某レンタルビデオ店を展開、
その立ち上げから携わり、
後に店長をすることになりました。


当時のレンタルビデオ店は
大抵深夜まで営業しており、
(24時間営業もありました)
私が勤めていた店も
朝10:00~深夜2:00までの営業時間。


開店当初から2週間程は
忙しすぎて、家に帰っても
3時間程寝たらまたすぐに出勤
という日々が続きました。



何せ初めての店舗なのに
事前研修を受けた社員が
たった2名と少なすぎたのです。



おかげで店長といえど
対面接客と実務に追われ
頭は殆ど回っておらず
ただ店にいてアタフタしていた
という記憶しかありません。



他の社員さんにとっては
要領が悪く、頼れない店長
だったと思います。



上司とも仲が良くなかったので
本社から見ると良くない社員
だったことでしょう。



しかしアルバイトさん達とは
それなりに仲良くやっていけてた
つもりでした。



その後徐々に社員も増員され
店も落ち着き始めました。



そんな中、増員できてくれた
同年代の社員さんから
ある相談を受けました。



彼は結婚を約束した
女性がいるのですが、
今こっそりアルバイトの女の子と
付き合っていると言うのです。


それは流石にマズイでしょう。


嘘はいずれバレるから
大事にならないうちに
キチンと正式に付き合うのか
決めるべきだと答えました。


まぁ、誰に相談しても
同じ答えだったと思います。



彼は

初めは軽い気持ちだから良い
と思っていたが、○○さん(私)に
話して考え直した。

やっぱり駄目だよな、そうだよな

とうなずき、気持ちの整理が
出来たかのようでした。




しかし数週間後、
事は大きくなっていました。


アルバイトの女の子が
妊娠したと言うのです。


えええっ?


それはちょっと相談として
私には荷が重すぎます。
本来責任をとって
アルバイトの女の子の
面倒を見るべきでしょう。




正直それくらいしか
言えませんでした。



この時の私は他の新規店舗の
立ち上げの辞令が下り
また違う方への引継ぎが始まっていて
かなりバタバタしていたのです。




彼は
私以外に相談できる人が
いなかったから
聞いて貰っただけでも
少し楽になった、
なんとか頑張ってみる
と答えました。



なんだか力不足で
申し訳ない気持ちでした。



そうしてその店舗を後にして
また新規立ち上げの多忙な日が
やってきました。



彼からのその後の連絡は
ありません。



お互い現場での仕事なので
顔を合わせる事がなくなり、
多忙すぎてこちらから聞く
余裕もなく、また聞くのも
少し怖かったので自然と
距離がおかれていきました。



そんな距離を置いたまま
私は自身の心身が疲れ果て、
会社に疑問を持ちすぎて
退職する事となりました。




そして辞める際に
顔も見る事もなくなった
彼の事を噂で聞きました。



親御さんが乗り込んできた
女の子を中絶させた


そんな事になってたなんて…

噂に驚きつつも疑問もありました。
彼の話は誰にも喋ってません。
一体何故そんなことが…。




しかし
親御さんが乗り込んできた
のが真実であれば
社内で噂になっても
仕方ないかもしれません。




ですがさらに驚いたのは


一部では
アルバイトの女の子を妊娠させ
その後中絶させたのは

なんと 私

という噂もあったからです。



そう、あるところでは
相談にのっていた彼の話が、
そっくりそのまま私がしたことに
すり替わっていたのです。



誰がその噂の発端かは
辞めた後に食事に行った
本社勤務の方が教えてくれました。



どうやら私の事を
嫌っていた副社長らしい…と。




嫌われていた理由は色々でした。



本社では評価が低いのに
現場でのウケが良いとか、
本社の女性社員のウケが良いとか…。



体育会系・年功序列意識の高い会社で
年下の女性社員でも
アルバイトさんにも
普段は分け隔てなく敬語・丁寧語
で話していたからかもしれません。



やっかみかもしれませんし、
上司の方々の思う様な
業績をあげれなかった事が
原因かもしれません。


疑いだせばキリがないです。



まだLINEやスマホが
出回っていない頃の昔話です。


今だともっと変な勢いで、
しかも全く関係ない社外にまで
噂が広まっていたかもしれない
と思うとゾッとします。



今となってはあのタイミングで
会社を離れられて良かったのだ
と感じています。


しかし私は後に転職先でも
似たようなことを経験
してしまうのです。

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