灯台

誰も救おうと思うな、ただ光ってろ


LIGHT HOUSEというネットフリックスのコンテンツをご存知だろうか?
星野源と若林正恭が月1で会って話すトーク番組。
私的超絶優良コンテンツで、もう三周目してしまった。


芸人とミュージシャン、活動エリアは違えど、どこか似た視点をもつ二人のトークは、時に醒め、時に泥臭く、本質を捉えていて、見応えしかない。



実年齢は若様が3歳年上みたいだけど、ライフステージ的に源ちゃんの方が聴き役、気づかせ役という感じでトークは進む。


二人の、回を重ねてもお互いを苗字で呼び続ける感じとか、共感のタイミングとか、繊細さとか、見ていてとても心地よい。


時と場所を変え、計6回のトークが行われたのだが、各回のトーク内容に合わせた曲を作る、というのが源ちゃんのお約束で。(すごいよね)
毎回トークの最後に曲のお披露目があるのだけれど、お世辞ではなく どの曲も琴線に触れる素晴らしい曲だった。


特に初回のトークに合わせて作られた「灯台」という曲がすごくいい。

番組のタイトルでもある灯台(LIGHT HOUSE)



名付け親は、番組プロデューサー佐久間氏で、


理由は

みんなの悩みを照らす光だけど、
自分の足元は暗そうな二人だから


それを受けたかのようなこんな歌詞

闇に燃える 独りの灯
手を振り 追いかけても
光 その足元は暗く
見えない 行けない

灯台 
誰も救おうと思うな
ただ光ってろ

星野源「灯台」

最後の3行がシビれる



そう
誰も救おうなんて思うんじゃないよ
ただ光ってりゃいいんだよ


誰かを救おうなんて驕りだし
そもそも救う人も、救われるべき人もいない
とも言える



とにかく


人の存在って
その命ひとつひとつが 灯みたいなもんで
生きているだけで
光ってるだけで
もう十分なんだから
それ以上何かをどうこうしようとする必要なんてないのだよ
っていうメッセージだと私は受け取った



誰だって足元は暗い

でも
どこかの誰かに
その光を届かすことはできる
その光で誰かを温めることも



足元は、お互いに照らしてやればいい





一人一人が、岬にポツンと立ち
遠くまで光を真っ直ぐ伸ばし
独りで立っている



そう考えると、ちょっと寂しいけど、
なんだか嬉しいのは私だけだろうか?


わたくしといふ現象は

仮定された有機交流電燈の

ひとつの青い照明です

(あらゆる透明な幽霊の複合体)

風景やみんなといつしよに

せはしくせはしく明滅しながら

いかにもたしかにともりつづける

因果交流電燈の

ひとつの青い照明です

(ひかりはたもち その電燈は失はれ)

宮沢賢治「春と修羅」より


灯台
誰も救おうと思うな
ただ光ってろ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?