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『地方史のつむぎ方 北海道を中心に』を出版した山本竜也さんの記事

知人の出版ニュースが新聞に掲載されていた。

気象庁に勤務する、山本竜也さん(47)である。今は、札幌管区気象台に勤務する傍ら、郷土史に関する本をこれまでに8冊も自費出版されてきた。今回商業出版されたのは『地方史のつむぎ方 北海道を中心に』(尚学社)。道内で郷土史や地域史について調べている24人から調査方法などを聞き取った内容で、郷土史研究の奥深さと、初心者にも役立つ方法論を紹介する内容だと紹介されていた。

本には「観光資源にならない地域の記憶は、地域で、あるいはそこに居る者が記録し引き継ぐしかない」という研究者のことばが収録されている。わたしは、その観光資源のある地域しか知らない者である。いや、実はそうではない面もあるにも関わらず、やはり、メジャーな地域を優先してきた。版元である尚学社(東京)の社長である苧野圭太さんは「今はマチが消滅していく時代。この本を機に郷土史ブームが起きて、いろいろな地域の人の記憶が残っていけばと願う」と記されている。

普段、道内各地を巡っていて、観光面の情報ばかり追いかけている自分にとって、耳の痛い内容にハッとした。大手が扱わないマイナーな地域情報こそ、わたしのような土着する取材記者が扱うべきなのではないか。読んでみようと思う。

『地方史のつむぎ方 北海道を中心に』(尚学社)

山本竜也(やまもと・たつや)さん
1976(昭和51)年、大阪府生まれ。大阪大学理学部物理学科卒、北海道大学大学院地球環境科学研究科修士課程修了(雪氷学)。2003(平成15)年に気象庁に入庁。以来、東北・北海道各地に移り住む。仕事のかたわら、地方史や個人史を題材に文章を書き続けている。

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