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歌劇場合唱団歌手の1日

歌劇場最上階

歌劇場合唱団の
リハーサル室はかなりの割合でここにあります。
何故こんなに大きなホールが最上階にあるのかなんて今まで考えた事も無かったけれど、
団員全員でフォルティッシモ出したら想像を絶するくらいうるさいので、
地上階にある舞台から一番遠いところに
設置されているのかも?
まあ当たり前だよな、という答えに行きつきました。
真意は分かりませんが...

私の向かうリハーサル室は5階にあり、
勤務開始5分前などは
エレベーターが満員で中々乗れないので
健康に良い階段で登っていきます
ちょっと息が切れますが、
これで軽くウオーミングアップ完了で
今日もいい声が出る事間違いなしです!

朝10時 
リハーサルが開始されます
リハーサル室は大学の講堂のように段差がついていて椅子と譜面台が設置されています
全員から前に立っている指揮者がよく見えるようになっています。
もちろん指揮者からも歌手たちをよ〜く観察できるのですよ

譜面台には今日のリハーサルに使われる譜面が
譜面係によって用意されています♪

ちなみに今日のリハーサルは、現代物のオペラ、オペレッタ、ヴェリズモオペラ、ミュージカル2本の計5冊が置かれています。

この様に音楽様式も言語も様々な作品を立て続けに練習していきます。

公演はもちろん暗譜なので新作を準備する時はかなりの時間を暗譜に費やす事もあります。
が、
“222ページ14小説から始めます!”
と、いきなり来る事も!!
現代物の場合は通しで小節番号が振ってある事もあるので、
“1856小節から”などと指示が飛び、
うわー!それ何ページ?!
などと皆が焦る場合も。

このように朝から頭をちゃっちゃっと切り替えて歌っていくのですが、
入りたての頃は
この切り替えが上手くいかず、頭がバグってしまう事が良くありました。
ヴェルディのようにドラマチックなオペラの大作の中高音域をガンガンに歌った後に
ミュージカルの作品で中低音域をベルティングっぽく歌うのは今でも簡単ではありませんが...

劇場の専属合唱団は何でもやるのです

午前中の音楽練習の時間はこんな感じで流れていきます

練習を通して素晴らしい音楽に触れられ感動する!!というよりはひたすらに部分の完璧性を高めるという事に集中するので、職人さんのお仕事の様だな、と感じる事があります。

そのほかにも夜公演を指揮する指揮者の方が
音楽指導の為に来られる事もあります。

これは音楽練習の場合ですが、
この時間帯、舞台練習になる場合も多々あります

シーズン中に何本かある新作や新演出の作品、
久しぶりに再演される作品の初日〜プレミエ〜が近づくと
午前中から舞台練習になります

そのほかにも衣装合わせや鬘合わせ、
オーケストラリハーサルなども入って来るので 
仕事の内容もかなりバリエーションがある時間帯です。

このリハーサルが終了すると
待ちに待った昼休みです!!

この時間帯の使い方は様々ですが、夜の公演にエネルギーが十分に有るように気をつけながらしっかりとご飯を食べたり、体力作りや家事などであっという間に過ぎていきます。

そして夕方、
ご近所の皆さんがお勤めから帰宅する頃に
再び劇場へ向かいます。

開演は夜7時
合唱団員は出番のある幕の30分前に楽屋入りをしてメイクなど、準備をします。
公演の長さは様々ですが
カーテンコールを含め
夜10時半頃までにはほぼ終了です

衣装と鬘を脱ぎメイクを落とし
帰宅します。

まずは軽く食事をして
温かいお茶で興奮した神経を鎮め
やっとベットに潜り込めるのです〜

こうして長い1日が終わります






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