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今でも泣きたくなる痛みは、書くことで癒せるかどうか試してみる

自分のつらかった恋愛のことやなんかをnoteに書いてみたら心がちょっとずつ癒え始めたので、(この調子であのことも‥書いてみる?)と思った。
あのことがもし癒えるなら精神が助かると思ったので、試しにちょっと書いてみることにする。


あのこと、というのはもう相当前の出来事なのだが、今もなお本当に本当に自分の心を痛めつけていることだ。
当時、私はいつものようにずっと年の離れたおじさんに叶わない恋をしていた。
そもそもなかなか会えないし、たまに会えても私の気持ちが不安定になりすぎていてうまく振る舞えないし、彼に優しくされても冷たくされてもつらくて、彼のことが好きで仕方ないのにどうにもならないのが最初からわかっている、という状況に日々心が削られ続けていた。


そのころ、私は仕事上の自分の専門分野のことで定期的に勉強会のようなものに通っていた。そこで、ちょうど私と同い年の他社の男と話をするようになった。
同い年にしては落ち着いていて、ちょっとシニカルなタイプだったが、初めて話しかけられた内容がちょっと笑えるようなことだったので、わりと自然に話すようになった覚えがある。


月に1回ぐらいのペースで開かれる会だったのだが、次の会から何となく隣どうしの席に座るようになり、何となくメールもするようになり、何となく二人で飲みに行くようになった。
飲みに行くといっても、当時の私は全然お酒が飲めなかったのだが。


おじさんの彼がいるということは伝えてあったが、私がそんな年の離れたおじさんと付き合っていること自体が彼には面白かったらしく、よくおじさんとの恋愛のあれこれを聞かれたりした。
そして、彼はずいぶん多くの女の子と遊んでいるらしかった。
最初の内は(恋多きタイプなんだな。恋愛体質なのかな)ぐらいに思っていたのだが、その内、自慢なのだか何なのだか、その数の多さと女の子とのいきさつを詳細に語ってくるようになった。
その辺りで私は(ちょっとこの人は女の子に対してロクでもない奴なんじゃないか。数として女の子を見ているなんて‥‥怒)と思い始めていた。
しかし、別に自分には関係のない話なので、なんとなくずるずる飲みに行ったりし続けていた。


季節が進み、私はおじさんとの仲がいよいようまくいかなくなり、夜道を歩いているだけで涙がこぼれるような状態になっていた。
そんなある夜、渋谷の坂の上の方の店で飲もうと彼に誘われた。
その辺がどういう雰囲気なのかはもちろんわかっていたが、私と彼は全くそういう間柄じゃないと思っていたし、万が一彼にホテルに誘われたとしても普通に断ればいいと思っていた。


しかし────。
心が弱っている時には、ゆめゆめそんな場には行かない方がよかったのだ。
今となってはその流れも思い出せないのだが、ともかく行ってしまったのだ。
ホテルに。


私は、同世代の若い人とのセックスの経験が少ない。
その内の一人とは、付き合っている途中から拒むようになってしまったし、その後は年の離れたおじさんとしかセックスしていなかったので、久々に若い人の身体を間近で見て、まず生理的に拒絶感が出た。(すみません、個人的な趣味です)
一緒にお風呂に入ったのだが、もうその時点で激しく後悔していた。
しかも、その人も私のことを好きなわけでも何でもないので、遠慮も何も無く、のっけからフェラチオを求められ、私も捨て鉢な気持ちで仕方なくそれに応じた。
お酒を1滴も飲んでいない私は完全にしらふだった。
頭がクリアな分だけ更に辛かった。


その後のことも、もはや殆ど記憶にないのだが、ともかく(なんでこの人とここに来ちゃったんだろう)と、ずっと泣きたい気持ちだった。
お風呂でフェラチオした後、ベッドでもまたフェラチオをさせられて「もうずっとそうしててほしいぐらい気持ちいい」と言われた。
彼からも私に何かしてほしいというわけでは全然無かったが、フェラチオだけさせられて終わるとしたら何なんだろう私って‥‥と思って、本当に悲しみと嫌悪感と後悔でいっぱいだった。


しかも泣きたいことはこれだけでは終わらなかったのだ。
翌月の勉強会に行った時、これまで通りの流れでその人と隣同士に座ったのだが、その人はあの夜のことは何も無かったように、
「最近こういう女の子と会っている。もうちょっとしたらセックスだな」
という話を面白げにしてきたのだ。
ただでさえあの晩のことを激しく後悔していた私は、その話を聞きながら表面では平静を装ったが、心の中では泣きそうになっていた。


他の女の子の話をされたのが悲しいとか、何事もなかったようにされたのが悲しいとかでは全く無く、この人は本当に女の子のことを数としてしか見ていないのだな、コレクションを増やすことだけを楽しんでいるのだな、と思ったのだ。
そんな人のコレクションを増やすことに加担してしまったことが本当に悲しかった。


いや、数の話自体はいいのだ。
私だってnoteに過去のおじさんとの思い出を書いたりして、傍から見たら同じように見えるかもしれない。
それに、心が弱っている時だったとはいえ自分の意思で誘いに乗ったのは確かなので、別に彼を悪者にする気はない。
単に、自分の軽率な馬鹿さ加減と、当時好きだったおじさんのことだけが本当に好きだったのに、なんで別の人とあんなことをしてしまったのだろうということが、どうしようもなく悲しくなったのだ。


そのときに私は、
もう絶対に!!!!!!!!
好きな人としかセックスしない!!!!!!!!
と心に誓った。(実際はあと50個ぐらいビックリマークを付ける勢いだった。)


その勉強会は1年限定だったので、程なく彼とはまったく会わなくなったし、実際にそれから今日まで、自分が好きになったおじさんとしかセックスしていないが(おじさんから愛されていたかは別)、あの時のことを思い出すとまだまだつらい。


こういう、心が弱っている時に好きでもない人としてしまったという話はよく聞くし、同じような経験をしている人はいっぱいいるだろう。
でもよく聞く話の割に、実際に経験するとものすごくメンタルをやられる。
だから本当は、平気なふりをしながら心で泣いてる人も多いんじゃないか。
手を取り合って一緒に泣きたいぐらいだ。


あれかな、あのセックスがめちゃめちゃ気持ちよかったら話も違ったのかな?
それとか、あれが同世代の人じゃなくておじさんだったらよかったのかな?


いや‥‥‥‥。
そういう話じゃないかな‥‥。


なんかこの話、書くことは書けたけど、まだ心を癒すまでには至ってないっぽい。でも、今まで思い出しそうになるたびに慌てて蓋をしてきた事を、初めて整理できた気はする。
1ミリぐらいは前に進めたかもしれない。


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