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涙もろくなりすぎている

最近、何かというと泣きそうになる。
すぐ胸がいっぱいになる。
常に感極まっている。


前は全然そんなことなかったんだけどな。
‥‥いや、そんなことないか。
昔から秋冬はよく泣いてたな。
でも若い頃より泣きやすくなったのは確かだ。


noteひとつ取ったってそうだ。
悲しい思いが綴られた文章を読めば泣けるし、それに対する誰かのコメントを読んでも泣ける。
何なら電車の中でも泣きそうになる。
実際に落涙してしまったらバッグから鏡を取り出し、コンタクトを直すふりをするという小芝居も必要になる。(裸眼です)


映画なんて、泣くというより、もはや嗚咽しそうになることがあるぐらいだ。
家で一人で見ている時は別にいいのだが、映画館だったりすると困る。
ところが、
「まずい‥‥このまま泣き続けていると声が出てしまいそう‥‥」
と思うぐらい声を押し殺してしゃくり上げていたところ、上映が終わって場内が明るくなった瞬間に前の席の人が「トイレ行く?」「行く行く」とか普通の顔で会話していたりすると、
「アレーーっ?!これ泣く映画じゃなかった?!私だけ?!」
という場合もあるので驚く。
私が涙もろくなりすぎていただけか?!と思う。


私はEd Sheeranをこよなく愛しているのだが、彼の最新アルバム「=」の中の『First Times』という曲は何回聴いても聴くたびに泣きそうになる。
全体的にいい詩なのだが、特に、
"I remember, The first look in your eyes when I said I love you
I can still feel the butterflies from when we stumbled home that night”
"僕が初めて愛してるって伝えた時の君の目だって、
あの夜 蝶々みたいにふわふわした気持ちで 蹴っつまづいたりしながら家まで帰ったことだっていまだに覚えてるよ"

のところで泣ける。(私の気持ち全開の適当な意訳ですみませんが)
いつまで経ってもこんな風に言ってくれる人はいいな、と思って泣ける。


その上で、である。
私は、好きなおじさんの前では未だかつて泣いたことがない。
泣けたことがない、と言った方がいいか。
基本的に好きなおじさんと一緒にいられればいつも幸せだから、ということもあるが、それでもたまに、おじさんから何か悲しいこと(本人に悪気が無くても)を言われたり聞いたりして、一瞬で涙が出そうになることがある。
あるいは、ベッドで腕にくるまれて「ああ幸せ‥もう寝ちゃいそう‥」とうっとりしている時に、私の頭を撫でながら「そろそろ帰るよ」とか言われるのも涙が出そうになる。


電話を切った後や一人になった後には泣くけど、その場では泣けない。
困らせるだけだと思うし、めんどくさいと思われるのも嫌だ。
泣き顔も可愛い自信がない。
ようするに、泣いた私を受け止めてもらえる自信がないのだ。


だいぶ前の話だが、ものすごく久しぶりのデートの当日、会社に行く日の50倍ぐらいの丁寧さで髪の毛をくるっくるに巻いたり、マニキュアを1ミクロンもはみ出さないように塗ったりしながら(そうだ、あれも話そうっと。これも聞こうっと。)と、お気に入りの音楽を聴きながらウッキウキで身支度をしている時に、彼からメールが来た。

【花野ごめんなさい。あんなに喜ばせといて申し訳ない。どうしても断れない先輩から呼び出しがあって今夜会えない。怒らないで来週まで待っていてください。償います。】

もう、一瞬で落涙である。
でも返信は泣いていることなど微塵も感じさせないようにする。

【とっても淋しいですけど来週お会いできるなら花野は全然大丈夫です。おじさまにお会いできるの楽しみにしてますから、きっと誘ってくださいね。】


‥‥今読み返すと重かったかな。
泣いてるのバレバレだったか?
でも、だって、そもそも先輩から誘われたというのも本当かどうか‥‥誰なのだ、その先輩とやらは。
彼よりも先輩って一体いくつなのだ。
なんて、疑い始めたらキリがないのでそれはもういいのだ。
また彼に会えるならそれでいい。


ともかく、こんなに涙もろくなると彼の前で泣いてしまう日も遠くない気がして不安だ。
だけど、その場になったら結局すんでのところでグッとこらえて、何事もなかったような顔をするというスタイルでずっと行ってしまうのだろうな。


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