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心あたたまるエピソードと私

人のノロケ話を聞くのが好きだ。
最近、心あたたまる恋愛エピソードを聞く機会が立て続けにあって、noteでもそんな話を読むたびに顔が笑ってしまっている。(怖い)
自分と全然関係なくても、自分は悲しい恋をしていても、人のハッピーな話を聞くと嬉しくなる。


リアルの友達からもこんなエピソードを聞いた。
ある日彼女は自分の部屋に帰って来た時に、彼からもらった大事な指輪が指に無いことに気づいた。
慌てて脱いだ衣類の中に紛れていないか探したり、レストランの化粧室で指輪を外して手を洗った時に忘れたのかもしれないと思ってお店に問い合わせたり、来た道を全部戻って探したりしたがどうしても見つからなかった。


彼に指輪をもらった時、あんなに嬉しくて嬉しくて、あんなに大事にしてたのにどうして失くしちゃったんだろうと自分を責めまくって一人で泣きじゃくったそうだ。
指輪を無くしてから数日後に彼に会い、もし怒られたり軽蔑されたりしても仕方ないと覚悟して、彼女は半べそになりながら「謝らなきゃいけないことがある」と切り出し、打ち明けた。


すると、話を聞いた彼は心の底からホッとした顔になり、
「なんだ、そんなことかよ〜!びっくりした〜!別れ話でもされるのかと思った」
と言った。そして
「指輪なんてまた買えばいいじゃん。何なら今からもう一回買いに行こっか?」
と言ったそうだ。


ひゃ‥‥100点の答え‥‥!!
なにその良い話〜〜〜〜〜!!!
私はまた自分のことのように嬉しくなり、人ごとながら泣きそうになった。
それは彼女と久しぶりに会った時に「そういえばこの前大変だったんだよ〜」みたいな軽い感じで披露された話だったのだが、私は「いやいや、それ一生大切にしていいぐらいのエピソードだよ〜〜最高!!」と力説した。
彼女も涙ぐんでいた。


あちこちでそんな話を聞いているうちに自分もウキウキしてしまって、
「私にも何かそういう『愛されてる!』っていう感じのエピソードあったかな?」
と思って考えてみた。


‥‥‥‥‥‥。
無かった。
いや待って、ひとつも無いってことないよね?と思ったが本当に思い出せない。


嫉妬っぽいことを言われてキュンとしたとか、バレンタインにあげたプレゼントを意外に喜んでくれたとか、メールを返信しなかったら電話をくれたとか、そんなことで心あたたまってる場合じゃなかった。
私の幸せのレベルが低すぎる。
みんなのエピソードに比べて些細すぎる。


でも、私は過去に人間的に本当にひどい男(おじさん。18歳年上)と2年間付き合っていたことがあり、その人のことは永久にnoteに書く気にならないが、私のほぼすべて(有り体に言えばセックス以外)を全否定され続けて、その当時は完全にメンタルをやられていた。


それに比べたらもう。
その人以外のおじさまはもう。
みんなそれぞれ優しくていい人だったな、と心から思える。
愛されていようがいまいが、充分私の心をあたためてくれていた。
「花野」って呼んでキスしてくれるだけで私にとっては充分ノロケ話だと言っていい。


あ!ひとつ思い出した。
この前ここで書いた、今はもう亡くなってしまったおじさまに、
「花野ってなんでそんなに優しいの?前の男はどうしてあなたと別れちゃったのかな。僕からしたら花野は理想ですよ。信じられないぐらい」
と言われたのだ。
しかも、その本当にひどい男と別れてようやく独りに戻った時に出会ったのがそのおじさまだったのだ。
トラウマを引きずっている時にそんなことを言われて本当に嬉しかった。
私ってそんな風に褒めてもらえるんだ、それもこんな素敵なおじさまに‥‥!と思った。


‥‥‥‥ん? なんかちょっと違ったかな?
それによく考えたらこれ、ノロケと言っても過去の話だったな‥‥。
でも自分のレベルの低さを言い出したら何も書くことが無くなるので、これからも小さな幸せを思い出しては書いていきたい所存です。




↓ 褒めてくれたおじさま




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