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書籍『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』について

自分はかれこれ10年以上、あるブログをチェックし続けている。それが『わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる』である。

このブログのおかげで、わたしの読書は飛躍的に楽しく、深いものになった。書店の新刊コーナーやポップで何となく買って読む読書習慣では、全く到達できないところまで連れて行ってもらった感がある。

先日このブログがタイトルはそのままに、書籍になった。

最近はあまり本を買わないようにしているけれども、この10年分の恩返しも込めて購入し、今日読了した。

冒頭に、この人のブログを10年追ってきていると書いたのだけれども、実は最近少し疎遠になりつつある。理由は、この著者でブログの運営者であるDainさんの本に対する”読み”が深くなりすぎて、着いていけなくなってきたからだ。書評がうまく理解できないときがあり、遠くまでいってしまった感がしばしばあった。

ただこの10年の感謝もあって購入した。
そして本の第1章の最後の項『単なる「よかった」は、何も言っていないのに等しい』で、著者のDainさんと自分の差を生んだものに、気づかされた。

本を読んで「よかった」「よくなかった」だけでなく、本が自分にどのように変化を及ぼしたかを考え抜く。そして、それを言葉にしてアウトプットする。そうすることで、ほかの人が受けた変化に敏感になれる。

つまり、Dainさんが続けてきたあのブログ(アウトプット)そのものが、読みを深くし、わたしとの差を広げていったと、そのときようやく理解ができた。

本の第4章では『書き方から学ぶ』ことが紹介されている。文章の書き方を学ぶことで、深い読みに繋がるのだという。自分は文章を書いて誰かに読んでもらおう、とは思ってこなかったがために、文章の書き方を学ぶ本より、楽しそうな小説に手がのびてしまっていた。

一方でDainさんは、書き方を学び、実際にブログで書評を書くことで実践し、同時に読みも深めてきたのである。自分は読んで「楽しかったな」とおもうだけ。そんなサイクルを10年以上続けてきた結果として、自分が書評が理解できなくなったのも無理はない。

もちろん本の中では、書き方の学び方だけでなく、読み方の学び方の章もある。(第3章スゴ本の読み方)

ブログと違って、この本の良いところは、学び方が順序立てて紹介されているところだ。どうしてもブログは、読んだ本の時系列に単発で紹介されていて、どこから学んだらいいか、どれが一番優しいのかが分かりにくい。(どこかにまとめられているかもしれない)

その点、この本ではどこからどう学んでいけばいいか、本と本のつながりが分かるため、その地図を頼りに勉強していこう気持ちになる。

そしてわたしは、書き方と読み方を改めて学びたいと思った。

この1年は、趣味でコンピュータの勉強を続けてきた。全くのブラックボックスであったパソコンやインターネットについて、いろいろな人が紹介している名著と読ばれる本を片っ端から読み、その成り立ちや振る舞いがようやく見えてきた感がある。
まだまだコンピュータの学びは尽きないが、それ以外に、またここにも新たな学びの鉱脈を見つけたことに興奮している。

これからは、読むだけでなく、書くこともしていこうと思う。そして、読み方、書き方を学んでいこうと思う。

その第一歩として、こうしてnoteのアカウントを作り、文をアップしてみた。これが、この本がわたしに及ぼした変化である。


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